Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

憲法はむずかしくない     池上 彰(ちくまプリマー新書)

2009年08月26日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 総選挙の季節である。「政権選択の選挙」と位置づけて、各党躍起になって街頭演説やマスコミを通じた公約の宣伝・批判を展開中である。55年体制が瓦解し、疲弊した経済状況を概観すれば、予算のバラマキ、空手形乱発が横行するのは致し方ないことかもしれない。
 しかし、国家の大計を鑑みれば、本当は今こそ「憲法論議」を徹底的に重ね、その信を日本国民に問うべきではないのだろうか・・・   Now the Time !

○憲法は、国民が権力者に勝手なことをさせないように、その力を縛るもの
○法律は、世の中の秩序を維持するために、国民が守らなければならないもの
○ジョン・ロック(17C 英国):社会契約説
○1945.8.15 ポツダム宣言
○マッカーサーノート:①天皇は国のヘッドである天皇のしごとは憲法にもとづいて行われる。②日本は紛争を解決する手段としての戦争ばかりでなく、自国を守るための戦争も放棄する。陸・海・空軍は持たない。③封建制度は廃止する
○有事ではない時こそ、憲法と自衛隊の関係をはっきりさせる必要がある
○憲法を変えて軍隊を持てることを明記し、自衛隊を違憲の存在でなくすのか、自衛隊を軍隊ではなく「災害救助隊」のようなモノにすることで、憲法違反の存在でなくすのか
○後には「戦争を知らない大人」たちが残される

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行政のレシピ   中田ひろし(読売新聞社)

2009年08月16日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 新たな政治の道を切り拓くため、横浜市長を辞職する筆者が、12年前に発表した本。あらためて読み返しても、新鮮に感じられるのは、如何にそれが進んでいないかの証なのだろう。
 若くして国会議員、政令指定都市の首長を歴任し、任期途中で選挙に掛かる費用の削減を視野に入れて下野する余裕は、更なるステージを目指す者に与えられた「若さ」の特権なのだろうか・・・

○1984 NZ行革:職員88,000人 →34,500人
 外務貿易省 外国人所有ビル13Fへ移動
 運輸省 4,500人 →60人(1/75に削減)
○事務次官5年契約制:物品購入、職員採用、組織再編等(予算の範囲)
○削減された職員:半数は国有企業へ →企業の従業員、他の人は一年分の余剰労働力給付金(数千億円)
○以前は有利な年金制度有り → 廃止(公務員が元々人気職種ではない)
○企業化 ≠ 民営化
○企業化 > 民営化
○どのくらい負債があるかを認識すること → 政府が肩代わり
○規制緩和、撤廃 → 政治との密着度 小
○改革の三つの言葉:「選択」「顧客」「競争」
○例外分野を設けず迅速に断行:包括的プログラムを一気に実行

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ブレークスルーのために 市川惇信(オーム社)

2009年08月05日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 20年くらい前から(バブル開始期)、「努力は必ず報われ、正義は必ず勝つ」と言う価値観が瓦解し、「年功序列・終身雇用」制度の終焉を歯軋りしながら見詰めていたものである・・
 精神と身体の安寧を保つ拠り所を失った時、人は悲観と絶望に繰れて「生命の途」を自ら断ち切ってしまう・・ その数、年間凡そ三万人
 仮にその傾向が高まろうとも、暗闇を打ち破り未来を指向する術を、我々は持ち得ないのだろうか・・・

○「制約を課すことなく、最高を追い求める」
 ①広い領域での優秀な研究者を採用する
 ②異なる背景の研究者を集める
 ③研究者に明確なビジョンを与える
 ④研究者に自由に発想させる
 ⑤相互に刺激しあうよい雰囲気を維持する
             breakthrough
○applied    +    non-applied
             incremental
○ニュートン力学、ダーウィン進化論、マックスウェル電磁気学、アインシュタイン相対性理論
○自然科学を支える原理:①無矛盾性、②因果性、③斉一性
○技術を支える原理:①無矛盾性、②前向け因果性、③限定斉一性、④標準-規格
○目的論-「何のために」、起成論-「どのように」 →科学の立場
○分子生物学におけるセントラルドクマ:生物の種における変異は遺伝子レベルで起こり、それが個体の形質として発現
○ブレークスルー:飛躍的な変異
○ブレークスルーを生みだす研究者の要件:①広い分野について現在の体系の限界を含めて見通しをもつ、②他の分野の研究者と互いの分野について意見交換できる、③広がった世界の中で、大きな意義を持つ新しい問題を設定できる
○GEの研究開発センター:内部からの研究費1/4

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