Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

謎の空海 三田誠広(河出書房新社)

2011年01月06日 | 本と雑誌

Hitorigaten

 平安時代の初期、遣唐使として中国に渡り、八面六臂の活躍をした「日本の誇る若き天才」。
 全国津々浦々に、「弘法大師」としての奇蹟が残り、今なお人々に愛され信仰の対象となっているスーパースターといえる存在である。
 「真言」を平明に解説し、なお「空海上人」の人物像を描き出している本書に、時間を忘れ引き込まれたのも事実である…

○聖徳太子の曾祖父の継体天皇より前の時代は、全てがフィクションに等しいので日本武尊だけを架空の人物と考える必要はない
○四国の室戸岬の洞窟の中で明星が体内に飛び込む幻想とともに一種の悟りの境地に到達したとされる
○この洞窟の奥に座していると、闇の中に洞窟の入り口だけがぽっかりと浮かんで見える。その円形の入り口の真ん中に水平線があり、上は空、下は海、それしか見えない
○日本は、国そのものが曼荼羅:山岳修行
  →曼荼羅の原型
○自分が及ばない部分については極めて謙虚であるし、その及ばない部分を補うことに努力を惜しまない
○人間が生きるためには、何かを犠牲にしなければならない:「業(カルマ)」-輪廻転生-悟り -解脱(ヴェムクティー) -涅槃(ニルヴァーナ)
○釈迦の思想とは何か:一種の観念論、観念(イメージ)だけあって実体は存在しない
○「妙適清浄」:目に映るものを美しいと感じ、生きることは素晴らしいと実感する
○理趣:秘密の教えに到る道筋-身(からだ)、口(ことば)、意(おもい)
○空海:仏教の根本原理である「空」、「華厳経」が説く「海印」
○秘密曼荼羅十住心論:①無宗教、②儒教、③バラモン教、④声聞、⑤縁覚、⑥法想宗、⑦三輪宗、⑧天台宗、⑨華厳宗、⑩真言宗

コメント
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