Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

畠のラジオ        永六輔(家の光協会)

2007年08月19日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 三十数年前から、深夜ラジオより流れてくる永六輔や愛川欽也、野坂昭如等戦中・焼け跡闇市派のオッサン達の言葉に、何故これほど耳を傾けているのだろうか。
 それらは、敗戦の混沌の中で磨かれた「言霊」だからかもしれない

○鉄道という仕事は、開発で緑を潰してきた → どこかに緑を返そう
○ただ自分に必要だと思うから一生懸命飲むわけ
 → そんなんじゃないだろ、食い物は→ 「喰えることに感謝しろ!!」
○「赤ちゃんにミルクを」じゃないんだ、「お母さんに食料を」なんだ
○職人と商人の心意気:いつか誰かが探しに来るから、置かせておいてほしい
○地方(ちほう)はローカルではなくて地方(じかた)であるべきだ
○政治で一番たいせつなことは就労の場を作ること
○内政の失政を全部外交のせいにしていきます → 10年から20年のスパンで戦争
○煙草の嫌煙権をふるかざして、煙草をイヤだというのなら、クルマに乗らないでほしい
○安売りの高級化というものが今食生活の中にも入ってきているのかな
 → たいせつなことは、われわれに選ぶ権利があること。その権利に良識がなければいけない
○江戸時代の川柳:たのしさは 春の桜に秋の月 家内達者で三度食う飯
○あなたの命を私の命に「いただきます」
○養生園 竹熊宣孝先生:熊本県菊池郡泗水町
○環境を中心とした「安全」を国是として求めていくと、日本は世界のトップランナーになれる可能性がある
○石垣りん 作:「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」


公務員、辞めたらどうする?    山本直治(PHP新書)

2007年08月15日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 人員削減と給与抑制が続く中、マスコミからははげしいバッシングの嵐で、「給料泥棒」の誹りを受けている公務員。仕事の内容に疑問を抱き、敢えて市井の人となる「若きサムライ」の出現は、明日の日本の光明か、はたまた・・

○たとえば、目の前に困った人がいても、平等ルールに反する特別扱いになる場合は、よかれと思っても手を差し伸べてはいけないことも出てくる
○異動してきて、三日で猛勉強し三年経験してきたように振る舞って当然
○人員削減の結果、昔に比べてお互い忙しくなり、職場で仕事の相談もできない
○本来組織論として言えば、部下の仕事の質・量・進め方に気を配り適時コントロールするのは、管理職の仕事のはずだ
○働き過ぎで倒れても、役所は守ってくれないから、自分の体調は自分で守れ
○これまで公共部門が実施してきたサービスを市場化テスト(官民競争入札)にかけ、より安く、良いサービスを提供できる者が落札する時代になる
○「同一価値労働・同一賃金」「ワークシェアリング」
○「努力すれば報われる社会を担保する基本装置」である教育
○お客様からお金をいただいて仕事をすることへの責任とやりがい
○職務経歴アピール:①コミュニケーション能力、バランス感覚そして調整能力、②専門的知識、③マネージメントリーダー経験、④「やらされ仕事」以外、⑤役所用語は通じない、⑥志望動機には「仕込み」必要、⑦短く
○ずば抜けた情報収集力と企画力により、日本最強のシンクタンクといわれるのが霞ヶ関の官僚機構


ロストジェネレーション      朝日新聞「ロストジェネレー

2007年08月09日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 「この世代は確実に不良債権化する」と、したり顔で宣う評論家がいる。「ロスト」=「さまよう」と本書で提起しているが、「然り」と膝を叩いてしまった。
  この世代はある意味で「明治の若き群像」を彷彿させてくれる。無条件にエールを贈る次第・・・

○'02 25~34歳 非正社員  20.5%
○'06  〃     〃      25.2% 330万人
○'90年代、日本社会で急激に発展した安価で便利なサービスは、低賃金の若い労働者がいないと成り立たない
○ロストジェネレーション:'20、'30 アーネストヘミングウェー、F・スコット・フィツシェラルド-世界大戦と犠牲の大きさにより、既成価値を疑い絶望の虚無に陥った
○'89 労働者派遣事業法 →'99 原則自由化 →'04 製造業も解禁
○'99 107万人 →'05 255万人「ケータイ派遣」
○モラル崩壊:だます側が勝者
○3m跳べるノミも、コップをかぶせれば10cmしか跳べない
○既存の媒体では、この世代にアプローチできない
○山田昌弘:パラサイト・シングル
○非正社員の仕事が今後も増える中で、最低限の生活保護のセーフティネットを充実させるしかない
○総中流から格差社会へ
○福祉や介護、環境など利潤ではなく価値を生む活動を私企業が担うことは難しい
○抜本的に改善するには、給与体系を職務給に一本化するしかない
○今の若い人は、小さなコミュニティーをどう良くするかが大事ということを本能的にわかっている
○他の世代が経験しなかった巨大な壁を目の前にして呻吟し、自分たちなりに新しい生き方を作り上げようとあがき続ける