その男は、痛風持ちで足の指が巻き爪になっている。
歯医者という仕事柄、患者相手に診療台から診療台へ移動するのも辛いという。
私も痛風持ちで、かつて巻き爪にもなった。
巻き爪を手術した話をしてやると,すごく怖がって「そんなんは絶対ヤダ」と子供のように拒否する。
「でも、仕事に差し支えるし、痛いし、これから自分が手術してもらった病院に電話して予約してやろう」と言うと
「そんなことしたら殺す」と言うのだ。
かろうじて、私が持っている痛風の治療薬を分けてやることにした。
それ以来、会うたびに「巻き爪の状態はどう?」と聞くのだが
「うん、まあまあ」と言葉を濁す。
医者に電話されたら堪らんという警戒心で、全身ハリネズミのようになっている。
「お前はなあ、平気で患者の歯をゴリゴリ、キューンキューンしたり、
親知らずをドバっと抜いたりしとるけど、自分がやられるのは怖いんか」と言うと
「当り前じゃ」と言うのだ。
なんて身勝手な奴なんだろう。
歯医者という仕事柄、患者相手に診療台から診療台へ移動するのも辛いという。
私も痛風持ちで、かつて巻き爪にもなった。
巻き爪を手術した話をしてやると,すごく怖がって「そんなんは絶対ヤダ」と子供のように拒否する。
「でも、仕事に差し支えるし、痛いし、これから自分が手術してもらった病院に電話して予約してやろう」と言うと
「そんなことしたら殺す」と言うのだ。
かろうじて、私が持っている痛風の治療薬を分けてやることにした。
それ以来、会うたびに「巻き爪の状態はどう?」と聞くのだが
「うん、まあまあ」と言葉を濁す。
医者に電話されたら堪らんという警戒心で、全身ハリネズミのようになっている。
「お前はなあ、平気で患者の歯をゴリゴリ、キューンキューンしたり、
親知らずをドバっと抜いたりしとるけど、自分がやられるのは怖いんか」と言うと
「当り前じゃ」と言うのだ。
なんて身勝手な奴なんだろう。