キャッシュフロー不足の原因

　黒字なのに資金がない。キャッシュフロー不足の主な原因は次のようなものだ。

1.　過剰在庫
　在庫は、一般に仕入代金の支払いが済んで、売上になる前の状態の商品だ。過剰在庫は、倉庫のスペース確保、管理するための手間、盗難の危険、品質低下の危険が伴う。何よりまだ売り上げていないのであるから資金が滞留し、キャッシュフロー不足の原因となる。

2.　売掛金の滞留
　売掛金は、収支計算の上ではすでに売上として収益になっている。これが滞留すると勘定あって銭足らずの大きな原因となる。小口の売掛金を馬鹿にしてはいけない。

3.　節税
　税金を圧縮するためには、一般に損金を作らなければならない。そのためには現金の支払いを伴う。税率が40％と仮定すると、1000万円の利益に対して何もしなければ400万円の税金がかかる。ただし税金を支払っても600万円残る。節税のために500万円の損金を作るとすると、残る500万円の利益に対する200万円の税金と500万円の損金資金で計700万円の資金が必要となり、残高は300万円となる。節税対策をしなかった方が2倍の資金が残る計算になる。
　では、節税は無意味なのか？そうではなく節税にはある程度の資金負担を伴うということを理解したうえで臨むことで大きな効果があることも事実だ。税金も減るがキャッシュも減るのである。　
　
4.　借入金の返済ペース
　会社の能力以上のペースで借入金を返し続けると、当然であるが資金が不足する。その場合は借りながら返済すればいいのである。利益が出ていれば銀行はつなぎ資金を入れてくれる。要は、前期より合計の借入残高が減り続けていればよい。
1000万円返済するため500万円借りるのは全然問題ない。