相場 英雄/血の轍

相場 英雄 著　「血の轍」を読みました。



東京都内の公園で絞殺体が見つかった。被害者は元刑事。

警視庁捜査一課の兎沢が調べると、被害者は殺される直前、パソコンのメモリーカードを知人に送っていた。

兎沢はカードを追うが、入手寸前に邪魔が入る。立ちはだかるのは、かつて所轄時代に数々の事件を解決しながら兎沢に捜査のイロハを叩き込んだ公安部の志水だった。

殺された元刑事は警視庁全体を揺るがす、ある事件の真相を掴んでいたのだ。

事件を詳らかにしたい刑事部と、闇に葬り去りたい公安部の熾烈な争いが勃発し、兎沢と志水の絆が引き裂かれていく――。


相場作品を読むのはBSE問題や食品偽装を扱った社会派サスペンス小説「震える牛」以来、２作目です。

本作は、元刑事が殺害された事から端を発した警察小説ですが、

殺人事件の謎解きをテーマにしていると云うよりも、捜査の過程での刑事部vs公安部の覇権争いがメインで描かれています。

警察小説ではありがちなシチュエーションですが、この争いが本当に凄まじい！！

殺人事件以前の私情も絡まって、ここまでやるか！と云うぐらい執拗な足の引っ張り合いです！！

ストーリーにスピード感があり、ぐいぐいと引き込まれました！

この小説の満足度：☆☆☆☆