「12人の怒れる男」
製作:2007年 ロシア
出演:セルゲイ・マコヴェツキイ/ニキータ・ミハルコフ/セルゲイ・ガルマッシュ
ロシアのとある裁判所で、センセーショナルな殺人事件に結論を下す瞬間が近づいていた。
被告人はチェチェン出身の少年、ロシア軍将校だった養父を殺害した罪で第一級殺人の罪に問われていた。
検察は最高刑を求刑。
有罪となれば一生、刑務所に拘束される運命。
3日間にわたる審議も終了し、市民から選ばれた12人の陪審員による評決を待つばかりとなった。
彼らは改装中の陪審員室代わりに指定された学校の体育館に通されて、全員一致の評決が出るまでの間、携帯電話を没収されて幽閉される。
乱暴なチェチェンの少年が世話になったロシア人の養父を惨殺した―
そのような図式で簡単に断罪しようとする空気があり、挙手による投票で、ほぼ有罪の結論に至ると思いきや、陪審員1番がおずおずと”有罪に同意できない”と言い出した。
陪審員1番は自信なさげに”結論を出すには早すぎるのではないか”と疑問を呈し、”このまま手を挙げて終わりでいいのか”と、他の男たちに問いただした・・・
1957年製作のアメリカ映画をロシアでリメイクした作品
密室劇にもかかわらず、
次第に白熱する議論、
その中で徐々に浮かび上がってくる12人それぞれの人生の軌跡や価値観、
シーソーゲームのように二転三転する評決の行方、
さらに加えて
現代ロシアならではのさまざまな問題・・・・
多民族国家ゆえの偏見の存在
多様な価値観による混乱
新体制への不満など
それらが非常に鋭く、またわかりやすく描かれていています。
感動し、圧倒され、最後まで緊迫した展開から目が離せない。
日本でも裁判員制度がまもなく開始されますが、”人が人を裁くと云う事の難しさ、重さ”を感じさせます。
オリジナルのファンの方にも,オリジナルを知らない方も,お勧めできる素晴らしいリメイク作品です。
2008年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
この映画のお勧め度:☆☆☆☆☆

