紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

社会福祉法人博愛会(御坊市)主催の「体力と防災・介護講習会」 〈2024年3月5日〉

2024年03月05日 08時30分00秒 | 記事


椅子に座りながらできる簡単な運動を体験


 社会福祉法人博愛会=御坊市名田町野島=主催の「体力と防災・介護講習会」は3日、博愛園デイサービスセンター春日で開き、地域住民ら約60人が参加。大規模災害時に「ベッドから玄関先」「玄関先から避難所まで」を合言葉に「避難をあきらめない体力づくり」をめざそうと、フレイル(要介護一歩手前の状態)予防、自宅でできる簡単な運動を学んだ。

 市や自主防災組織連絡協議会は「ベッドから玄関先まで」を合言葉に大規模災害時に玄関先まで移動できる体力づくりをめざそうと御坊版オリジナル体操「ステキ体操GO!GO!GOBO」の普及に努めており、博愛会も「ベッドから玄関先」「玄関先から避難所まで」を合言葉に「フレイル予防でみんなが助かる楽しい体力づくり」の講習会を開いた。
 講師の理学療法士の坂本浩杜さん、管理栄養士の古久保智子さんがスライドを使って講義。フレイルは加齢によって心身が衰え、社会とのつながりが減少した状態を言い、後期高齢者(75歳以上)で増加傾向にあり、予防するには栄養(バランスの良い食生活)運動(無理のない範囲で継続)社会参加(外出、人との交流)が重要なキーワード。
 バランスの良い食生活を続けるためには噛む・飲み込む機能を低下させないことも重要とし(1)歯と歯ぐきのケア(2)かかりつけ歯科医を持つ(3)口や舌を使う(4)噛みごたえのある食品を献立に入れるなどの予防策や自宅でできる簡単なトレーニングを紹介した。
 運動では(1)ウオーキングや水泳、水中歩行などの有酸素運動(2)筋力トレーニング(3)ストレッチング(4)転倒防止や歩行速度を高めるためのバランス練習を勧め、椅子に座りながら簡単にできる運動を紹介。「いつどのタイミングで起きるかわからない災害に対し、フレイル予防で避難をあきらめない体力づくりをめざしましょう」と呼びかけた。
 春日デイサービスセンターと日高博愛園しおやは市と「災害時における一時避難場所、福祉避難所に関する協定」を結んでいる。春日は2階建ての屋上(高さ約8メートル、床面積180平方メートル)が一時避難場所になっており、地域住民約360人が避難できる。実際に参加者が外階段を使って屋上まで上がり、避難経路を確認。介護施設のテクノロジーや介護ロボット、介護の仕事も紹介した。
 介護講習会は市介護福祉課・防災対策課、御坊日高介護人材確保推進プロジェクトチームが協力。2回目は17日午後1時から日高博愛園しおやで開く。参加無料。申し込み、問い合わせは博愛会(電話29・3181)へ。


 その他の主なニュース

御坊少年野球OB会主催の中島功・元監督勇退記念パーティー

プレミアム御博で「コチョウランを使ったコケリウム作り」

婚活交流イベント「春よ恋in日高川町」9組のカップル成立

日高、日高中津分校両硬式野球部の定期交流戦


日高港塩屋緑地「Sioトープ」を「恋(鯉)人の聖地」定着化へ始動 〈2024年3月3日〉

2024年03月04日 08時30分00秒 | 記事


色とりどりの錦鯉が泳ぐSioトープ

ハートマークの鯉をイメージキャラクターに


 御坊市と市観光協会は、200匹の色とりどりの錦鯉が泳ぎ、人気を集めている日高港塩屋緑地「Sioトープ」を「恋(鯉)人の聖地」として本格的に売り出すための仕掛けづくりを進めている。「鯉まつり」や鯉のエサを入れたガチャガチャ、舞妃蓮の分根に加え、新たにハートマークのある鯉をイメージキャラクターにして名前を公募したり、恋(鯉)みくじなどを行いながら新名所として知名度アップ、定着化をめざす。

 Sioトープの親水池は延長約100メートル、幅は最大15メートルあり、自然石を使った護岸や砂浜、木橋などを整備。令和3年6月から同協会員や市職員らが自費で購入した鯉を放流したり、市内外の有志から提供された鯉200匹が元気に泳ぎ回り、今では二世も多数いる。休日は家族連れらが訪れる人気スポットとなっており「鯉」と「恋」をかけた新たな観光名所「恋(鯉)人の聖地」として売り出していく。
 令和4年から始めた鯉まつり(ゴールデンウイークから5月末まで)では、親水池の2カ所に鯉のぼりを掲げ、4つの東屋や大小2つの橋、ゲゲゲの鬼太郎など妖怪像、浮島等をイルミネーションで飾り、インスタ映えスポットとして若者や家族連れの人気を集めており、今年はハート型のイルミネーションを増やし、デートスポットとしてアピールする。
 新たな取り組みとしてハートマークがある体長約50センチの丹頂紅白の鯉の名前を公募する。普通は日の丸模様のため、ハートマークは珍しいということで、この鯉のイラストをつくり、聖地のイメージキャラクターとして売り出す。ほかにも「ガチャガチャ」を使った恋(鯉)みくじも始め、カプセルに入れた「ラッキー鯉」が当たれば恋愛が成就するといった仕掛けづくりを考えている。
 「ハス博士」として知られる故・阪本祐二氏=元日高高校教諭=の長男で舞妃蓮保存会長や塩屋文化協会副会長を務める尚生氏=北塩屋=の協力で令和元年から続けている「舞妃蓮」などハスの分根も今年は種類や数を増やす予定。市商工振興課は「今後もさまざまなアイデア、仕掛けを考えながら『恋(鯉)人の聖地』としてPRし、定着化をめざしたい」としている。

開始10カ月で収益47万円
ガチャガチャ「鯉のエサ」
 昨年5月から公衆トイレそばの東屋に鯉用のエサを入れたガチャガチャ2台を設置し、1個100円で販売。子供連れやカップルらに人気を集めており、2月末現在で総額47万8800円の収益があった。収益金はエサの購入費や池の整備に充てている。
 エサの量を減らす冬場を除き、エサは月約10キロ使用し、多い月で7万円以上の収益があった。エサを入れたカプセル(直径6センチ)には「みーやちゃん」グッズ(ぬいぐるみ、うちわ、シール、クリアファイル)の当たり券を入れ、当選者にプレゼントしているのも人気のひとつ。


 その他の主なニュース

林晋作さん(御坊市)が「やましん文芸年間賞小説部門」で最高賞

御坊市で営農指導員研究活動発表大会、組合長賞に萩野翔大さん

 「紀州体験交流ゆめ倶楽部」が美浜町で「民泊楽ラク大皿料理教室」

御坊商工・紀央館高校同窓会から全国大会出場の紀央館生に激励金


県立高校各校で1日、卒業式 〈2024年3月2日〉

2024年03月02日 08時30分00秒 | 記事


山本校長から卒業証書を受ける卒業生(日高高校)

拍手で送られ、巣立つ卒業生(紀央館高校)


 県立高校各校で1日、卒業式が行われた。卒業生らはコロナ禍で、高校生活の当初から2年ほどは大きな制限を受けたが、3年生になってようやく、体育祭や文化祭など学校行事も楽しめ、明るさの戻った学校で青春のひとときを謳歌した。卒業生らは学び舎で過ごした思い出と感謝を胸に、進学、就職などそれぞれの新しいステージに一歩を踏み出した。

日高高校
 全日制本校普通科176人、同総合科学科37人、定時制普通科6人、中津分校普通科23人が卒業。
 全日制本校普通科と総合科学科の卒業式は体育館で行い、胸に花を飾った卒業生らは、ブラスバンドのBGMが流れるなか、在校生や保護者、教職員らに拍手で迎えられ入場した。
 卒業生一人ひとりの名が担任教諭から呼び上げられ、各クラスの代表生徒が山本直樹校長から卒業証書を受けた。
 山本校長は、幕末の武士で思想家・教育者でもある吉田松陰が、より良い人生に欠かせないものとして挙げている立志・択交・読書の「三端」を卒業生に贈り、式辞。「生涯、夢を進化させ続けることを期待します」と語りかけ、さらに松陰の言葉「夢なき者に成功なし」を紹介した。
 生徒会長の北出敦寛君は、卒業生との思い出を振り返り、送辞。「どんな困難にぶつかっても、誇り高い日高高校生であったことを思い出してください。ここで過ごした経験はきっと社会で開花すると信じています」とエールを送った。
 卒業生の井上幸貴君は、教諭や在校生、同級生、家族らに感謝を述べ、答辞。自分たちが引っ張る今後の社会の大きな変化を見据え「課題発見力と実行力を身につけることが必要。ここで培った能力を深め発揮していきたい」と続けた。

紀央館高校
 保護者や教職員、来賓らの拍手に迎えられて卒業生147人(普通科109人、工業技術科38人)が入場。国歌、県民歌、校歌を斉唱し、西垣内郁久校長がクラス代表者に卒業証書を授与した。
 式辞で西垣内校長は、作家・五木寛之氏の著書「学ぶ力」から取り上げ「どのような道であっても自分を生かせると思える道を信じて、勇気を出して一歩前に踏み出してください。自分を信じ、自分の可能性に賭ける勇気と決断が、これからの人生を切り開いていくことになる。しっかりと前を見据え、自分の選んだ道を堂々と歩いていってください」とはなむけの言葉を送った。
 教育委員会告辞、来賓祝辞、卒業記念品目録贈呈などに続き、在校生代表の石川真洋君(普通科2年)が部活動や紀央祭などでの3年生との思い出を振り返り感謝を述べて送辞。卒業生を代表して井戸本浩暉君(普通科)が3年間、仲間と頑張ってきた思い出や教職員、家族から受けた恩義を伝え「普段、何気なく過ごしていたことが一番楽しかった。紀央館高校での思い出を私は忘れない。自分の心を大切にして、次に会った時に、成長したといえるようにしましょう」と答辞を述べた。
「蛍の光」を斉唱し、保護者らの拍手に送られて学舎に別れを告げた。


 その他の主なニュース

日高広域観光振興協議会が人気の低山トラベルで誘客促進

御坊市3月議会開会 三浦源吾・御坊市長が1期目総括

春の全国火災予防運動始まる、日高広域消防がAコープ等で呼びかけ

御坊市地域公共交通活性化再生協議会で公共交通計画最終案を承認


巨大地震被災時、御坊市消防本部代替拠点に市防災センターを活用 〈2024年3月1日〉

2024年03月01日 08時30分00秒 | 記事


ヘリポートを備えた野口の市防災センター


 御坊市消防本部は、南海トラフ巨大地震・津波対策で消防本部庁舎が被災した際の代替拠点施設として野口の市防災センターを活用するため、施設修繕など必要な準備を進めている。長年、高台への代替拠点施設建設を検討していたが、予算確保等がネックとなり進展しなかった。代替拠点施設は喫緊の課題で多額の費用、時間を要する施設建設は断念し、高速インターから近く、ヘリポートも備えた市防災センターを有効活用することにした。
 
 南海トラフ巨大地震の津波浸水想定では、消防本部庁舎周辺の浸水深は1メートル以下。庁舎が被災し、消防車などが出動不能となる可能性があるため、第4次総合計画には高台にある住宅団地用地等を候補に通信指令機能やヘリポートなどを備えた非常時の代替拠点施設建設計画を盛り込んでいたが、事業費が数億円必要な上に場所の選定も難しく事業化に至らなかった。
 代替拠点施設の確保は喫緊の課題だけに見通しの立たない施設建設は断念し、市防災センターを有効活用する方針に転換。現行の第5次総合計画に施設建設は盛り込まず、防災センターの機能・施設整備充実にシフトさせた。同センターは野口オートキャンプ場向かいの市道沿いにあり、平成8年完成。鉄筋コンクリート造2階建てで延床面積は319平方メートル。敷地内にヘリポート(発着場面積1000平方メートル)もある。
 主に消防関係の各種研修や訓練、消防団車庫等に活用しているが、和室や風呂があり、寝泊まりできるため、今年度で風呂のガスを修繕したり、隊員が使う防火衣やヘルメットを保管するなど代替拠点として利用できるよう準備を進めている。新年度当初予算には軽油やガソリン、灯油を備蓄する少量危険物保管庫(コンテナハウス)設置費用470万円を計上している。
 大規模地震発生時の初動対応として津波警報や大津波警報が発令された際、消防本部にいる隊員が救急車、火災対応車、救助対応車をすぐに防災センターに移動させるマニュアルをつくり、移動ルートは高速道路川辺インターから御坊インターを使うなど複数ルートを考えている。当面は防災センターを代替拠点施設として有効活用しながら将来的には消防本部庁舎の建て替えを検討する考え。
 地震のほか、昨年6月の大雨被害を教訓に緊急車両が消防本部から出動できない事態も想定し、線状降水帯の発生が予想される場合などは、あらかじめ緊急車両を新庁舎北側駐車場に移動させ、隊員は新庁舎に待機し、緊急出動に備えるマニュアルもつくった。


 その他の主なニュース

松原小(美浜町)に林野庁長官賞、松林美化など緑化活動に貢献

印南町で能登半島地震災害派遣報告会、職員が活動報告

日高町スポーツ賞表彰式 個人20人、4団体たたえる

由良町が大阪・泉佐野市と「ふるさと逸品協定」を締結