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巨大地震被災時、御坊市消防本部代替拠点に市防災センターを活用 〈2024年3月1日〉

2024年03月01日 08時30分00秒 | 記事


ヘリポートを備えた野口の市防災センター


 御坊市消防本部は、南海トラフ巨大地震・津波対策で消防本部庁舎が被災した際の代替拠点施設として野口の市防災センターを活用するため、施設修繕など必要な準備を進めている。長年、高台への代替拠点施設建設を検討していたが、予算確保等がネックとなり進展しなかった。代替拠点施設は喫緊の課題で多額の費用、時間を要する施設建設は断念し、高速インターから近く、ヘリポートも備えた市防災センターを有効活用することにした。
 
 南海トラフ巨大地震の津波浸水想定では、消防本部庁舎周辺の浸水深は1メートル以下。庁舎が被災し、消防車などが出動不能となる可能性があるため、第4次総合計画には高台にある住宅団地用地等を候補に通信指令機能やヘリポートなどを備えた非常時の代替拠点施設建設計画を盛り込んでいたが、事業費が数億円必要な上に場所の選定も難しく事業化に至らなかった。
 代替拠点施設の確保は喫緊の課題だけに見通しの立たない施設建設は断念し、市防災センターを有効活用する方針に転換。現行の第5次総合計画に施設建設は盛り込まず、防災センターの機能・施設整備充実にシフトさせた。同センターは野口オートキャンプ場向かいの市道沿いにあり、平成8年完成。鉄筋コンクリート造2階建てで延床面積は319平方メートル。敷地内にヘリポート(発着場面積1000平方メートル)もある。
 主に消防関係の各種研修や訓練、消防団車庫等に活用しているが、和室や風呂があり、寝泊まりできるため、今年度で風呂のガスを修繕したり、隊員が使う防火衣やヘルメットを保管するなど代替拠点として利用できるよう準備を進めている。新年度当初予算には軽油やガソリン、灯油を備蓄する少量危険物保管庫(コンテナハウス)設置費用470万円を計上している。
 大規模地震発生時の初動対応として津波警報や大津波警報が発令された際、消防本部にいる隊員が救急車、火災対応車、救助対応車をすぐに防災センターに移動させるマニュアルをつくり、移動ルートは高速道路川辺インターから御坊インターを使うなど複数ルートを考えている。当面は防災センターを代替拠点施設として有効活用しながら将来的には消防本部庁舎の建て替えを検討する考え。
 地震のほか、昨年6月の大雨被害を教訓に緊急車両が消防本部から出動できない事態も想定し、線状降水帯の発生が予想される場合などは、あらかじめ緊急車両を新庁舎北側駐車場に移動させ、隊員は新庁舎に待機し、緊急出動に備えるマニュアルもつくった。


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