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印南町が来年度から5歳児の保育料を無料化 〈2016年3月8日〉

2016年03月08日 08時30分00秒 | 記事

来年度から年長児保育料無料化へ
(どろんこ遊びする年長児。写真は昨年)


 印南町は来年度から5歳児の保育料を無料化する。再選した日裏勝己町長が2期目の公約に掲げた「子育て・教育の充実を実感できるまちづくり」の一つとして取り組むもので、県下でも初の施策となる。町はこれまで保育料を半額にしており、今回5歳児を無料化することで、町内の子育て世帯の負担を軽減するとともに人口減対策として「子育てするなら印南町」をさらにアピールし、子育て世帯を町内に呼び込む狙いがある。

 同町では「子育てするなら印南町」をスローガンに町内子育て世帯の負担軽減を図るため平成23年度から保育料を半額にしたり、自己負担分の医療費無料化の対象年齢を18歳以下に引き上げる施策を展開。今回、日裏町長が2期目の公約の大きな柱の一つとして掲げた「子育て・教育の充実を実感できるまちづくり」実現の第一歩として5歳児の保育料無料化を図る。
 無料化は義務教育10カ年計画事業として取り組むもので、5歳児保育を義務教育と位置付け、小学校6年、中学校3年を合わせた10年を義務教育化するもの。5歳児、小学1年、2年。小学3年、4年、5年。小学6年、中学1年、2年、3年の3・3・4制として園・小、小・中の連携教育をこれまで以上に充実させたい考えだ。10カ年計画事業の一環で学習支援員を小・中学校に10人、いなみこども園に3、4人を配置。
 無料化にかかる予算は約700万円で、10日に開会する3月定例議会に提案する平成28年度一般会計予算に679万9000円、支援員配置は平成27年度一般会計補正予算に2706万2000円をそれぞれ計上している。


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御坊市が自治会支援(上限5万円)好評で予算倍増 〈2016年3月6日〉

2016年03月07日 08時30分00秒 | 記事

委託制度を活用した道路維持修繕作業


 御坊市は、平成27年度に創設した「道路等維持修繕業務委託制度」が自治会から好評を得たことを受け、28年度予算額を今年度の100万円から200万円に倍増した。市が管理する道路を自治会(町内会、区)が修繕する際にコンクリートなど材料費や燃料費の全額または一部を市が負担する制度で、今年度は開始から3カ月で予算を使い切った。県下的にも珍しい取り組みとして注目されており、市議会も予算増額を求めていた。

 地域によっては農作業等で利用する道路を年数回点検し、穴が空いているなど簡易な修繕個所が見つかれば「道づくり」「道普請」と称して自分たちで修繕しているほか、各地域で道路沿いの草刈り作業等をボランティアで行っており、以前から「市から材料費ぐらい出してほしい」との要望が出ていたが、これまで自治会を支援する制度がなかった。
 市が管理する市道などの修繕は本来は市がやるべき事業で、危険性や緊急性の高い個所のうち、簡易な修繕については職員が行っていたが、手が回らないこともあり、道路を円滑に管理するために自治会による維持修繕を手助けできる方策を検討し、今年度から道路等維持修繕業務委託制度を設け、当初予算で委託費100万円を計上。実施要綱を作成し、昨年7月1日から申請を受け付けた。
 対象は市が管理する道路(市道)や法定外公共物(里道・水路)、町内会等が認める公衆の用に供する道路など。自治会に委託の形を取り、かかった費用のうち、コンクリートやアスファルトなど材料費、草刈り機など燃料費を市が支援するもので、委託費は1契約につき5万円を上限に定めた。労務費や飲食費には使えない。
 申請は自治会単位で原則先着順に受け付け、北野口区、上野口区、加尾区、出島区、楠井区、上野区、第一紀小竹会、丸山区、野島区、古森区、明神川区、岩内区、学園前、中財部交友会、上富安区、南塩屋区、祓井戸区、道成寺駅前町内会、湊区、千代崎会の20自治会が申請。いずれも上限5万円で委託し、開始から3カ月後の9月中に予算を使い切った。
 内容は道路の除草作業が多いが、道路の舗装や側溝、水路の修繕などもあり、自治会から「支援があるのはありがたい」と好評を得ている。議会からも「非常に良い制度。予算額を増やしてもらいたい」との要望が出ており、28年度当初予算で2倍の200万円に増額した。申請の対象等は変更せず、4月から申請の受け付けを始める。市都市建設課は「市内全域で活用してもらい、自分たちの道は自分たちで守る、という意識をもっていただければありがたい」としている。


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柏木御坊市長が6期目総括、9日に7選出馬表明 〈2016年3月5日〉

2016年03月05日 08時30分00秒 | 記事

任期最後の議会で4年間を総括する柏木市長


 御坊市3月定例議会は4日に開会。5月15日告示、22日投開票の市長選(任期満了6月10日)を控え、任期中最後の定例議会にあたり柏木征夫市長(75)=保守系無所属、薗=が6期目の4年間を振り返って「議員各位、市民の皆様のご理解、ご協力により一歩ずつではあるが、着実に市政の充実、進展を図ることができた」と総括した。9日の一般質問でトップバッターの向井孝行議員の質問に応える形で7選出馬を正式に表明する。

 柏木市長は「『ぶれない、かたよらない、いばらない』を政治信条に『安心、安全、安定』をキーワードに市民とのパートナーシップのもと『住んでいてよかったと実感できるまち』をめざし、住民満足度の向上を意識した持続可能な行財政運営の推進に取り組んできた。一歩ずつではあるが、着実に市政の充実、進展が図れたことは議員各位のご尽力とご支援、市民の皆様のご理解とご協力を得ずに成し得ないもので深く感謝申し上げます」と総括。
 安心の施策では湯川中学校改築、学童保育の充実、第3子以降の学校給食費無料化、1歳~中学生のインフルエンザ予防接種費助成、医療費無料化の所得制限撤廃、認知症支援施策の拡充、JR御坊駅バリアフリー化、市立体育館耐震化・リニューアルなど。安全の施策は津波避難タワーの建設と増設、御坊小学校北校舎や御坊大橋等の耐震化、高台避難場所等の整備助成、消防のデジタル無線導入、市内各所への防犯カメラ設置など。安定の施策は市民サービスの低下を招かない行革の断行などに取り組んだことを説明した。
 分野別の個別政策、国体も振り返りながら平成28年度施政方針として「総合的かつ計画的な市政運営の指標となる第4次総合計画の折り返しとなる後期事業計画が始まる年。財源の確保と効率的な配分に努めるとともに、市民と行政が創意と熱意を持ってパートナーシップによるまちづくりを進めることで、総合計画で定めたまちづりの目標を実現していくこととしているところ」と、7選への意欲を見せた。
 市長選には二階俊博自民党総務会長の長男で政策担当秘書の新人、二階俊樹氏(50)=無所属・自民党県連推薦、島=がすでに立候補を表明しており、保守を二分する激しい一騎打ちが確実だ。


業務増大で「介護福祉課」新設
健康福祉課を分課し機動力発揮

 施政方針の中で増大する福祉・保健関連業務に対応するため、健康福祉課を分課して4月1日から「介護福祉課」を新設することを報告した。国体推進課は3月末で廃止するため、課の数は16のまま。
 現在、健康福祉課には福祉医療係、障害福祉係、健康増進係、高齢福祉係、相談援助係(市地域包括支援センター)があるが、特に介護や認知症など高齢福祉係と相談援助係の業務が増大し、職員数27人の大所帯にふくれている。
 高齢福祉係と相談援助係を切り離して介護福祉課として独立させることで「組織をスリム化し、より充実したきめ細やかな施策に高い機動力をもって対応していきたい」と述べた。


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日高川町が新年度で防災センター建設を予算化 〈2016年3月4日〉

2016年03月04日 08時30分00秒 | 記事

小熊公園に建設する防災センターのイメージ図


 日高川町は2日、平成28年度当初予算の概要を発表した。来年5月に任期満了を迎える市木久雄町長にとっては実質的に最終年度で、選挙公約に掲げていた防災センターの建築はじめ、役場中津支所庁舎の改修費などを盛り込み、公約に挙げた事業をほぼ予算化した。町長は「町民の安全安心のための施策に重点を置きたい」との思いから、新規事業として町内全保育所と小中学校に防犯カメラを設置し、防犯に対する抑止力に期待する。

 平成28年度当初予算は、新町誕生から10年が過ぎ、合併算定替えによる地方交付金の減少を見込み、前年度比8700万円減の総額88億8500万円となった。
 市木町長は「公約実行年」と位置づけた26年度から、医療費無料化の18歳引き上げや学童保育の拡充などの子育て支援策はじめ、選挙公約の施策実現に向けて積極的に予算化。新年度も過去2年度に引き続き、保育所給食費助成、子ども医療費、子育てサポート学校給食費等助成、高齢者見守りシステム、住宅リフォームと空き家解体処理費補助、前年度からの福祉タクシー券助成などを継続する。
 公約のうち最大の予算規模となる防災センター建設は、27年度に設計委託費を計上し、28年度の当初予算に本体建築費3億5900万円(2カ年計画で29年度分の3億3800万円は債務負担)を予算化した。国の社会資本整備総合交付金事業を活用し、湯浅御坊道路沿いの小熊公園に、鉄骨平屋1階建て(地下1階)を建設。約1500平方メートルの施設には、通常時、防災研修に活用する展示スペース、ものづくり室、イベントスペース、研修室、学習シアターを設け、災害時には同スペース全体(約800平方メートル)が近隣住民ら約500人が収容可能な避難場所となる。調理室のほか、イスの上部を取り外せば釜戸として利用できる「かまどベンチ」を設置し、災害時の炊き出しだけでなく、通常時には防災教育の一環として活用。敷地の斜面を利用した地下1階部分には、備蓄倉庫や機械室を設ける。
 防災センターは、高台の高速道路(緊急輸送道路)に隣接した位置に建設されるため、通常時は防災研修の場。緊急時は避難場所としての機能だけでなく、立地を生かした救援物資の集積や搬送の拠点として広域的な活用が見込まれる。周辺整備を実施する平成30年度に完成を目指す。
 他の新規事業では、子どもたちの安全確保を目指し、町内4保育所と小中学校13校に防犯カメラを設置(680万円)するほか、子どもの居場所づくり推進事業(地域未来塾)に88万2000円。昭和38年に建てられ、老朽化した役場中津支所庁舎の解体と新庁舎建設関連に約1億1300万円を計上。5月ごろから同支所の窓口業務を健康管理センターの仮庁舎に移転し、旧庁舎解体のあと夏ごろから木造平屋の新庁舎(約206平方メートル)建築に着手する。


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大成中組合「事務」一元化に絞り意見集約へ 〈2016年3月3日〉

2016年03月03日 08時30分00秒 | 記事

組合議会で一元化の経緯を報告


 御坊市日高川町中学校組合定例議会は2日、市役所で開会。平成28年度一般会計予算など議案2件を原案通り可決したあと、懸案の組合の事務局一元化問題について報告があった。当初検討していた組合事務局を一元化するのではなく「教育」と「事務」を切り離して「事務」のみに絞った一元化について今後1年かけて課題を整理し、意見集約を図ることで両市町で合意したということで長年の懸案解決へ前進した。

 事務局は両市町が2年交替で担当しているが、予算・決算の継続性、学校事務取扱などで二重手間になるなど弊害があり、一元化は長年の懸案事項。以前から議会サイドが先進地視察するなど研究を続け、早期一元化を提案し続けてきた。御坊市側は柏木征夫市長をはじめ市議会がともに推進の立場を明確化し、両市町の教育長や担当課長らで検討委員会をつくり協議したこともあるが、事務局をどちらが持つかなど問題があり進展しなかった。
 今年度に入り、マイナンバー制度、教育大綱の策定、新システム導入など新たな課題が生じたことから組合側が両市町長の意向を聞いた上で昨年10月に事務レベルの協議会で検討を再開し、先月10日に開いた協議会で今後1年かけて課題等を整理し、意見集約を図ることで合意。当初は事務局の一元化を想定していたが「教育」について両市町で考え方が異なることもあり、どちらかに一元化するには「問題がある。2年交替でも教育の継続性は保てる」とし、議論から切り離して「事務」のみに絞る。
 この方針は両市町長とも了解しており、早ければ28年度中にも事務一元化で合意に達すると見られる。ただ、事務の一元化には「事務を一方が持つとなると事務量がかなり増加する」との慎重意見は残っている。人事異動や各種調査など事務量の煩雑さに加え、一元化すれば専門の指導主事にかかる事務量も増えるため、その対応をどうするかが今後の課題となりそう。


旧講堂解体撤去視野に検討
組合議会で柏木市長が答弁

 議会では向井孝行議員が「旧講堂は老朽化が激しく、耐震化もしていない。これをどう扱っていく考えか」と質したのに対し、組合管理者の柏木市長は「建物も相当古く、今後は関係機関と協議し、撤去も視野に検討したい」と答えた。
 大成中は昭和57年に現在地に移転したあと、講堂は県の文化財保管場所に貸し出している。グラウンドを含めた大成中跡地の利用については以前から様々な意見が出ているが、具体的な活用策については決まっていない。


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切目川改修工事、来年度にバイパス工事本格着手 〈2016年3月2日〉

2016年03月02日 08時30分00秒 | 記事

昨年5月で完了した災害関連事業区間


 印南町の切目川下流域河川改修促進協議会(村上誠八会長)はこのほど、同町古井の切目川防災センターで研修会を開き、県担当者から改修工事の進展状況などを聞いた。平成4年から河口~羽六橋間約6・5キロを対象に着手している切目川河川改修工事は当初の総合流域防災事業に加えて平成23年9月の台風12号で被害が出たことを受けて1・9キロの区間を災害関連事業で23年度から取り組み昨年5月に完了。改修工事のメーンである田畑や民家への浸水被害を防止するため川の付け替え工事(バイパス)は来年度から本格的に取り組む予定。総事業費は概算で約50億円。

 同事業の対象区間は屈曲が大きく、昭和63年の台風で171戸が浸水(うち床上浸水40戸)したのをはじめ大雨時に小規模な田畑などの浸水被害が出ているため河川周辺の田畑や民家への浸水被害を防ごうと昨年3月に完成した切目川ダムの供用を前提に、切目川の安定した川の流れを維持するため河川整備計画に基づいて進められている。
 対象区間6・5キロのうち河口から楠本橋の約3・2キロで平成4年から改修工事に着手し護岸工事や築堤などを実施。楠本橋から羽六橋までの3・3キロは着手時期のめどがついてなかったが、平成23年9月の台風12号による豪雨で流域に被害が出たことから、楠本橋から古屋ゆ堰までの1・9キロ区間を災害関連事業として同年度から着工。約15億円をかけて1・3キロで築堤を設け、2万3000平方メートルの護岸を整備したほか、楠本堰の改修などを進め昨年5月に完了した。
 当初から進められている区間では、護岸工事や島田地内の切目川本線と支線の瀬戸川の合流地点への水門設置、川の付け替えに伴う掘削工事で水の濁りや予定地の送水管移設などが必要となるため、影響を受ける切目川簡易水道の予備水源と滝ノ岡専用水道の機能回復工事も実施。今年度も1億6000万円をかけて護岸工事などに取り組んだ。
 同事業メーンとなるバイパス工事(ショートカット)は、くの字に大きく屈曲している汐止堤上流約200メートル付近から高速道路高架橋下付近まで300メートルをほぼ直線に付け替えるほか、川の拡幅も行う計画で県は、来年度から本格的に取り組みたいとしている。
 研修会では、バイパス工事に伴い発生する廃川敷地の埋立てによる地下水影響調査の結果も報告された。昨年3月から10月にかけて新たにボーリングを4本実施するなどして地質、水質、地下水の流れや速さを調べたほか、過去10年間で1番雨の多かった時を想定して水位についても調査。結果について、埋立により、旧切目川周辺の水位は上昇するが水位低下は発生せず、井戸への渇水影響はない。周辺で栽培されている作物(トマト、エンドウ、ウメ)の適正水位までは上昇しないため作物への影響もないとしている。
 廃川敷地の規模は延長約400メートル、面積約2万5000平方メートル。農地や太陽光発電用地などの用途を制限し一般公募することや印南町へ譲渡(有償)なども視野に検討していくことになりそうだ。


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印南町に日本鰹節協会関係者が来町、発祥の地生かした取り組み推進へ 〈2016年3月1日〉

2016年03月01日 08時30分00秒 | 記事

顕彰碑をバックに記念撮影の関係者


 日本鰹節協会の役員ら10人が28日「かつお節発祥の地」である印南町を訪れ、かつお節の製造方法を枕崎(鹿児島)や房総(千葉)、伊豆(静岡)など全国に伝えた江戸時代の印南漁民3人の偉業をたたえて建立された顕彰碑を見学した。日裏勝己町長ら町関係者とも交流し、今回の訪問を機にかつお節の伝承・発展に協力して取り組むことを確認。日裏町長は「鰹節協会と連携し、発祥の地を生かした取り組みを進めたい」と期待を寄せた。

 訪れたのは大石訓永会長(焼津鰹節水産加工業協同組合顧問)、副会長の後藤賢一(大阪鰹節類商工業協同組合理事長)、鈴木隆(焼津鰹節水産加工業協同組合長)、西村協(枕崎水産加工業協同組合長)各氏、東京海洋大学名誉教授で技術顧問の和田俊氏ら10人。来町を歓迎し町公民館で日裏町長や古谷正信副町長、岡本徹士教育長、堀口晴生町議会議長、山本薫紀州日高漁協副組合長、嶋田隆道町観光協会長、顕彰碑建立会代表で町文化協会長の坂下緋美さん、かつお節を考案した角屋甚太郎の子孫で13代目にあたる久保田英介さんらが参加して鰹節浪漫・親睦交流会を開いた。
 日裏町長は「今は印南町でかつお節は作られていないが、皆さん方が作られ販売され、日本の味の元祖というか基本となるかつお節を作られ、守られてきたことを本当にうれしく思っている。印南町では『かつお節発祥の地』であることを通じて何かできないかと模索しているところでどうか皆さんの知恵をお借りしたい。今回のご縁を機に皆さんとのつながりを深くして町の発展につなげたい」。大石会長は、かつお節発祥の地「印南町」をお伺いさせていただいて本当に感無量だとし「3人がかつお節の製造を伝えたということは知識としては分かっていたが、現地を訪れ本当に3人に尊敬の念をもって顕彰碑を見学させてもらいたい。伝えていただいたかつお節を伝承していくことが我々の課題。印南町の皆さんといろいろな面で協力し合ってかつお節をさらに発展させていきたい」と述べた。
 昼食を取りながら歓談し交流を深め、3人の足跡を紹介するスライドも観賞。枕崎の関係者は「(枕崎に製造方法を伝えた)森弥兵衛の教えの基、かつお節を作っています」。土佐清水の関係者は「印南町とは深い関わりがあり今回の訪問を楽しみにしていた」と感慨深げに話した。
 10人は今回の訪問の一番の目的である昨年7月に印南漁港内ケ浜埋立地に建立された顕彰碑を訪れ、顕彰碑をバックに記念撮影したあと、坂下さんから説明を受けながら御坊ライオンズクラブが創立25周年記念事業で平成3年に建てた「かつお節発祥の地」のPR塔のそばに建立された顕彰碑を見学し、3人の功績をたたえるとともに改めて感謝していた。角屋甚太郎の菩提寺で位牌が祭られている印定寺も参拝した。
 坂下さんは「今回の訪問を一番喜んでいるのは天上の甚太郎、弥兵衛、與市であり、平成60年に顕彰碑建立を志しつつも実現できなかった小谷緑草氏、要海正夫氏、平尾茂雄氏、塩路武男氏(いずれも故人)の研究者達だと思います」と喜んでいた。


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