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日高川町川辺西小のモデル事業、現代版寺子屋「未来塾」好評 〈2016年3月11日〉

2016年03月11日 08時30分00秒 | 記事

放課後の空き教室で地元の教師経験者から
指導を受ける児童(川辺西小)


 授業が終わった学校の空き教室で、地元のボランティアの指導を受けながら大勢の児童が宿題などに励んでいる。日高川町立川辺西小学校(尾崎和弘校長)では、新年度から国が本格的に取り組む「地域未来塾」に先がけて、モデル事業として県内で唯一、平成27年度に実施した。同町では新年度予算に、子どもの居場所づくり推進事業として88万円を予算計上し、同校はじめ町内5校程度で導入。県内各地でも46カ所で新年度からの実施を目指しているという。

「地域未来塾」は、放課後の空き教室や公民館などを解放し、教師経験者や大学生(都市部など)が指導者となって、無料で児童らを学習指導する場。塾などに通わない児童の学習支援につながるほか、放課後の子どもの居場所づくりとして期待されているもので、日高川町では、市木久雄町長と町教育委員5人で設置した「総合教育会議」が教育大綱に盛り込んでいる。
 平成28年度から全国各地で導入し、県下では46カ所で実施を予定。新年度からの本格的な実施に向け、日高川町の川辺西小学校ではこの1年間、県下で1校のモデル校として、放課後学習の場を設けた。全校児童207人を対象に、希望児童を募集したところ、88人が登録。毎週月曜日と木曜日の放課後、空き教室を利用してボランティアによる地元の教師経験者2人の指導(無償)で約1時間、宿題やドリルなどの学習を継続。10日は最終日だったが、スポーツクラブや学童保育に通わず、放課後の空き教室を利用した学習の場として保護者にも好評だった。
 日高川町では、新年度予算に「未来塾」実施に向けた予算(全額県補助)を計上し、モデル事業を実施した川辺西小はじめ、町内5カ所程度で実施。学年などに関係なく、希望する児童は誰でも参加することができる。新学年が始まる4月に希望者から登録を受け付けて5月にもスタート。登録した児童は、実施日に自由参加できる仕組みで、宿題などに限らず、指導者と一緒になって子どもたち自身が学習したいことを考え、教師経験者から指導を受けられる。
 同町の湯川宗一教育長は「未来塾は『現代版寺子屋』という形で、地域版学習塾のよう。放課後の子どもたちの居場所づくりとしてだけでなく、教師経験者など地域の方に指導を頂くことで、地域全体の教育力の向上にもつながっている。川辺西小でのモデル事業を通して、地域と一緒に子育て出来る良い事業だと実感できた。町内には学習塾やスポーツクラブ、学童保育の場がない地域もあり、未来塾が有意義なものになってほしい」と話している。


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