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切目川改修工事、来年度にバイパス工事本格着手 〈2016年3月2日〉

2016年03月02日 08時30分00秒 | 記事

昨年5月で完了した災害関連事業区間


 印南町の切目川下流域河川改修促進協議会(村上誠八会長)はこのほど、同町古井の切目川防災センターで研修会を開き、県担当者から改修工事の進展状況などを聞いた。平成4年から河口~羽六橋間約6・5キロを対象に着手している切目川河川改修工事は当初の総合流域防災事業に加えて平成23年9月の台風12号で被害が出たことを受けて1・9キロの区間を災害関連事業で23年度から取り組み昨年5月に完了。改修工事のメーンである田畑や民家への浸水被害を防止するため川の付け替え工事(バイパス)は来年度から本格的に取り組む予定。総事業費は概算で約50億円。

 同事業の対象区間は屈曲が大きく、昭和63年の台風で171戸が浸水(うち床上浸水40戸)したのをはじめ大雨時に小規模な田畑などの浸水被害が出ているため河川周辺の田畑や民家への浸水被害を防ごうと昨年3月に完成した切目川ダムの供用を前提に、切目川の安定した川の流れを維持するため河川整備計画に基づいて進められている。
 対象区間6・5キロのうち河口から楠本橋の約3・2キロで平成4年から改修工事に着手し護岸工事や築堤などを実施。楠本橋から羽六橋までの3・3キロは着手時期のめどがついてなかったが、平成23年9月の台風12号による豪雨で流域に被害が出たことから、楠本橋から古屋ゆ堰までの1・9キロ区間を災害関連事業として同年度から着工。約15億円をかけて1・3キロで築堤を設け、2万3000平方メートルの護岸を整備したほか、楠本堰の改修などを進め昨年5月に完了した。
 当初から進められている区間では、護岸工事や島田地内の切目川本線と支線の瀬戸川の合流地点への水門設置、川の付け替えに伴う掘削工事で水の濁りや予定地の送水管移設などが必要となるため、影響を受ける切目川簡易水道の予備水源と滝ノ岡専用水道の機能回復工事も実施。今年度も1億6000万円をかけて護岸工事などに取り組んだ。
 同事業メーンとなるバイパス工事(ショートカット)は、くの字に大きく屈曲している汐止堤上流約200メートル付近から高速道路高架橋下付近まで300メートルをほぼ直線に付け替えるほか、川の拡幅も行う計画で県は、来年度から本格的に取り組みたいとしている。
 研修会では、バイパス工事に伴い発生する廃川敷地の埋立てによる地下水影響調査の結果も報告された。昨年3月から10月にかけて新たにボーリングを4本実施するなどして地質、水質、地下水の流れや速さを調べたほか、過去10年間で1番雨の多かった時を想定して水位についても調査。結果について、埋立により、旧切目川周辺の水位は上昇するが水位低下は発生せず、井戸への渇水影響はない。周辺で栽培されている作物(トマト、エンドウ、ウメ)の適正水位までは上昇しないため作物への影響もないとしている。
 廃川敷地の規模は延長約400メートル、面積約2万5000平方メートル。農地や太陽光発電用地などの用途を制限し一般公募することや印南町へ譲渡(有償)なども視野に検討していくことになりそうだ。


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