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印南町が大規模災害に備え抜き打ち参集訓練 〈2016年3月12日〉

2016年03月12日 08時30分00秒 | 記事

30分後に開かれた対策本部会議で参集人員や被害状況などを確認

被害状況など情報収集にあたる職員


 印南町は東日本大震災から5年目を迎えた11日、職員の参集訓練を行った。課長など一部の職員以外には実施時間を事前に伝えていない抜き打ち訓練で、職員全体の約90%が参集の連絡を受けて40分以内に役場に参集した。訓練終了後、日裏町長が講評し全職員に「地震や津波の発生は防ぐことはできないが『犠牲者を一人も出さない、出させない』ということは可能だ。一致団結して町民を守ってほしい」と呼びかけた。

 訓練は5年前の「あの日を忘れない」を胸に刻み、南海トラフ巨大地震に備え「一人の犠牲者も出さない・出させない 何としても逃げ切る・あきらめさせない」との強い思いから実施。午前6時15分に職員参集システムを起動、職員84人に一斉参集メールで連絡。「震度6強の地震が発生。大津波警報が発令。第三号配備体制を取るので全職員参集」との内容で送信。メールを受けた職員が随時役場に駆けつけた。30分後には日裏町長を本部長とする災害対策本部会議を開き、職員から6時40分現在の参集人数報告や被害状況などの報告を受けた。参集開始から25分後の6時40分現在の参集人数は46人だった。40分後の6時55分には全職員の88%にあたる74人が参集、50分後の7時5分に全職員が揃った。
 町内各地に設けている電話機を備え、災害時などに役場と連絡が取れる双方向通信施設であるアンサーバック機能付き防災行政無線を使った情報伝達訓練にも取り組んだ。
 参集システムを使って全職員を対象にした訓練は昨年に続いて2回目。昨年は自動音声での電話連絡で全職員に連絡が終わるのに18分かかったため、昨年訓練終了後に一斉メールシステムへ切り替える対応を取った。町は「今回の訓練の反省点などを踏まえ、万一には万全の態勢が取れるよう今後も定期的に参集や図上訓練などに取り組んでいきたい」としている。
 町は弔旗を掲げるとともに東日本大震災発生時刻である午後2時46分に庁内放送し犠牲者らに職員が黙祷を捧げた。


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