紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

御坊市給食センター「粉じん調査」測定値に変化なし 〈2015年12月20日〉

2015年12月21日 08時30分00秒 | 記事

毎月粉じん測定を行っている市立給食センター


 大栄環境(株)=大阪府和泉市=が御坊市塩屋町南塩屋の森岡地内に建設中の仮称・御坊リサイクルセンター(管理型最終処分場・破砕施設)に伴い、御坊市は平成25年9月から市立給食センターで粉じん調査を行っており、先日、市議会に調査開始後から今年7月までの測定値を報告。数値に大きな変化はなく、良好な衛生環境が維持できていることが分かった。今年4月に調理室換気設備対策でフィルターを高性能に交換しており、市、市教委とも引き続き学校給食の安全と衛生管理に万全を期す考え。
 
 給食センターは市内の4幼稚園、6小学校、5中学校(大成中含む)の給食(副食)を調理し、各校へ配送。リサイクルセンターは森岡地内、広域農免道路沿いに建設中で給食センターから約200メートルと近く、稼働後、一日最大60台の廃棄物搬送車が通行するため、環境を守る塩屋の会や保護者らから「子どもたちへの影響が心配」との意見が出され、市教委が独自に平成25年9月から年間285万円かけて粉じん測定調査を行っている。
 センターの調理室など屋内3地点と食材前室の屋外1地点、塩屋小学校にある塩屋局の計5地点それぞれに粉じん計(光散乱方式)を設置し、毎月1回、午前6時30分から午後4時30分までの10時間、粉じん濃度を測定している。先日の12月定例議会最終日に測定方法や毎月の測定値をまとめた報告書を提出。それによると、数値はいずれも大気汚染防止法に基づく環境基準を大きく下回り、毎月の数値にも「大きな変化はない」という。今後も毎月測定を続け、工事中、稼働後のデータを比較する。
 これとは別に市環境衛生課も独自に昨年2月に市立給食センターと、その近くの2カ所でアスベスト、硫化水素ガス、メタン、ダイオキシン類、放射線物質、重金属類(カドミウム、鉛、ニッケルなど)の6項目について大気質調査を実施した。いずれも国の基準を大きく下回っており、この数値を基準に、リサイクルセンター稼働1年半後に再度、同じ測定を行い、数値の変化を調べる。
 リサイクルセンターは県の設置許可を受け、昨年秋に着工。総事業費は約40億円で平成28年8月末完成、28年中の操業開始をめざしている。平成25年10月に市と同社が環境保全協定を締結済み。施設への抜き打ち検査や最終処分場遮水シートの漏水検知時の掘り起こしなどを明記しており、市は「事業者に協定の内容を着実に履行、遵守させるともに地域環境に万全を期す」としている。
 
 高性能フィルターに交換
 集じん効率2倍にアップ
 
 給食センターは厚生労働省の基準(温度25度以下、湿度80%以下)をクリアするオール電化・完全ドライ方式の最新式設備(平成15年度完成時)を導入。加熱調理室は二次汚染の要因となる食品、調理器具、調理員、給排水、換気などの交差汚染防止を徹底したクリーンルームとし、調理員が出入りする際はエアシャワーで衣服についた雑菌を除去するなど衛生管理に力を入れている。
 天井部分には外気と通じる換気設備があり、フィルターで外気の粉じん侵入を防止しているが、保護者らから懸念の声が出ていることから今年4月に130万円かけてフィルターを高性能なものに交換した。従来のフィルターに比べて編み目が細かく、集じん効率は2倍に上がった。市教委は「これまでも食の安全、衛生管理には万全を期しているが、今後もこの方針のもと適切に対応していきたい」としている。


その他の主なニュース

 印南町ふるさと納税、楽天サイト効果で大幅増

 小早川由華さん(中津中)全国「中学生税の作文」で会長賞

 日高町・志賀小学校で初のSNS講習会

 御坊市・藤田小学校5年生が車いす体験


この記事についてブログを書く
« 紀央館高校3年生が選挙を体... | トップ | きのくにロボットフェスティ... »
最新の画像もっと見る