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御坊市寺内町会館で「戯瓢踊」の衣装や道具展示、貴重な御坊人形も 〈2017年4月18日〉

2017年04月18日 08時30分00秒 | 記事

「戯瓢踊」の衣装や道具を展示

貴重な「御坊人形」が揃う


 御坊商工会議所は、情報発信拠点として昨年10月に中町2丁目商店街に開設した「御坊寺内町会館」=御坊206=のメーン展示物を、これまでの御坊祭の祭礼道具から県無形文化財指定第1号の「戯瓢踊(けほんおどり)」に一新し、きょう18日から公開する。あわせて御坊を代表する伝統工芸品「御坊人形」の貴重な品も展示。会議所は「御坊を代表する戯瓢踊、御坊人形を多くの人に見ていただきたい」と話している。

 メーン展示物は、これまで御坊祭の御坊町、下組の四つ太鼓や屋台など祭礼道具を順次展示し、人気を集めていた。今回は400年以上の歴史を持ち、昭和30年に県無形文化財第1号に指定され、昭和49年には国の選択芸能に指定された「戯瓢踊」を取り上げ、毎年御坊祭で奉納している戯瓢踊保存会(原多美男会長、会員14人)から踊りの先達「次郎ン坊」の採物「大奇瓢」や衣装をはじめ、鉦(かね)や鼓、小瓢、太鼓、昔の写真、資料などを借りて展示している。
 戯瓢踊の起源は定かではないが歌詞や節回しなどから室町時代末期に始められたと考えられ、神仏習合の名残をとどめる全国的にも珍しい踊り。「南紀徳川史」に紀州藩初代藩主徳川頼宣がこの踊りを見て激賞したとの記録がある。「けほん」とは念仏踊を踊る鉢叩き達が瓢箪を叩きながらはやす言葉「きょひょん」に由来すると言われる。
 保存会事務局長の木村洪平さんは「こうしてにぎにぎしく飾ることができて良かった。戯瓢踊と寺内町は切っても切れない関係であり、寺内町会館に展示することができて本当にうれしく思います。多くの人に見に来ていただき、戯瓢踊のことを知ってもらいたい」と話している。近く木村さんを講師にミニ講演会も開く。
 あわせて木村さん所有の「御坊人形」も展示。初代山本幾右衛門、二代目田中庄助、三代目田中豊太郎、四代目田中正助の作品計5体があり、初代から四代目までの作品が揃うのは珍しい。御坊人形は御坊を代表する伝統工芸品だが、ひとつひとつ精魂を込めて全工程を手作りするため人形の数は少なく、今は後継者がおらず途絶えたことから「入手困難な逸品」といわれる。
 戯瓢踊は6月中旬まで展示し、その後は紀州鉄道特集や御坊祭、日高高校・紀央館高校特集を予定。御坊の偉人コーナーは6月中旬から養鶏産業の吉田八五郎氏、哲人政治家の田淵豊吉氏に変え、その後は文学界重鎮の大佛次郎氏、清高の画家・日高昌克氏らを予定。常設の和田勇資料館は市の顕彰事業の一環で展示場所を変更し、より充実させる。開館日は毎週火・金・土・日曜日と祝日。開館時間は午前11時から午後4時まで。


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