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御坊市津波対策、5年間で補助総額9000万円 〈2016年12月25日〉

2016年12月26日 08時30分00秒 | 記事

整備した避難路で訓練する住民(北塩屋区)


 御坊市は、津波対策で平成24年度に創設した津波避難施設整備事業補助金交付要綱に基づき、今年度までの5年間で12地区に対して総額約9千万円(県費含む)の補助を行った。高台や山など近くに背後地がある旧村部を対象に避難地や避難路の整備に必要な費用を補助金として交付する制度で「必要な地域への整備は終わった」として当初予定通り今年度で要綱を廃止し、来年度からブロック塀等耐震対策など新しい補助制度を創設する。市街地(旧御坊町)は津波避難タワー建設などを進めている。

 要綱は津波が発生したときに地域住民が円滑に避難するための避難地、避難路を整備する自主防災組織に対して市が補助するために策定。対象の避難地は国が公表した南海トラフ巨大地震の最大津波高16メートルより高い「レベルⅢ」(浸水が予想されない安全な場所)の位置にあることが条件で、実際に該当するのは近くに高台や背後地のある旧町村部に限定される。
 補助対象は避難地と避難路の整備に限定し、土地等の購入費は対象外。整備内容は避難地が木の伐採や必要最小限の平場化。避難路は人が安全に徒歩で通行できる幅員1メートル程度の道を整備してスロープや階段、手すり、避難誘導灯などを設置(案内看板やソーラー照明灯設置も含む)。1カ所につき20万円から200万円までを補助。市と同額の補助がある県の「きのくに防災力アップ補助金」も活用できるため、最高で400万円の補助がある。
 24年度から28年度までの5年間で丸山区、岩内区、明神川区、上野口区、森岡区、西富安区、湊区、上野区、楠井区、熊野区、北塩屋区、南塩屋区の計12地区の自主防災会が活用し、総額約9千万円(うち半分は県費)を補助した。避難地までの避難路を複数設けた地域もあり、市防災対策課は「地域の協力で早期に整備することができた。高台に逃げるという意識付けができたことも良かった。避難訓練を続け、地域挙げて防災意識をさらに高めていただきたい」と話した。
 今年度で要綱は廃止し、来年度は新たにブロック塀等耐震対策事業と家具転倒防止金具取り付け事業を創設予定。ブロック塀等耐震対策は津波ハザードマップで避難路に指定した道路(市道、県道、国道)に面したブロック塀を撤去、改善する場合、市がそれぞれ10万円を上限に助成する。家具転倒防止は65歳以上の単身・夫婦世帯、障害者世帯を対象に1世帯あたり家具3竿の転倒防止金具取り付けを補助(上限7500円)する。
 市街地は県の避難困難地域指定を受けた名屋、新町両地区へそれぞれ津波避難タワーを建設するほか、御坊小学校北校舎の耐震化にあわせて屋上階段を設置した。数年先には避難場所を兼ねた市庁舎改築も計画している。また、野口地区を皮切りに地区別津波避難マニュアル作成事業に取り組んでいるほか、今年度と来年度で市内の避難場所76カ所の避難誘導看板も設置するなどハード、ソフト両面から対策を行っている。


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