昨年、フジバカマを植裁した谷に飛来するアサギマダラ
日高町は、西山に飛来することで有名な渡りチョウのアサギマダラを誘おうと、よくとまるフジバカマを育苗、植栽していく。昨年から西山ピクニック緑地近くに「アサギマダラの谷」と名付けてフジバカマを植えており、今年は補助金を活用して、植裁面積を倍にするほか、他県での飛来地や西山でのマーキング観察会も計画。飛来数を増やしたり、興味を持ってもらうよう促すことで、観光客誘致につなげる。
アサギマダラは全体が茶系統で、前羽の長さが5センチほど。春に北東へ向かうが、気温の低下とともに秋頃、中部地方などから南下し、紀伊水道を横切って四国、九州方面へ移動する。西山周辺はアサギマダラを誘引するヒヨドリバナやフジバカマなどが群生し、休憩点の飛来地として有名。愛好家らが調査のためのマーキングに訪れたり、毎年、町教育委員会主催の自然観察会もある。
町は、6月議会で、植栽や観察会開催などの事業費150万円を盛り込んだ令和5年度一般会計補正予算を可決。地域活性化センターの自治体などを対象とした地方創生に向けて“がんばる地域”応援事業補助金を活用し、町の魅力の一つとして、存在していたアサギマダラの観察地点の地域資源をより深掘し、自然環境や生物への興味を持ってもらい、環境保護の意識づくりとともに、観察地としての知名度強化による来訪者数や日高町の関係人口の増加を図り、地域活性化の礎とする。
フジバカマは「アサギマダラの谷」に昨年、約100平方メートルに植えており、今年は、そこにさらに約100平方メートルを整地、土壌改良するなどし、200株程度を育苗、植栽、面積を倍にして、アサギマダラを呼び込む。飛来をPRする看板設置、テレビや新聞等でイベント告知、西山の魅力や観察地近くのカフェ等の地域情報も周知する。
秋に日本列島を南下する習性があるアサギマダラを、西山へ飛来する前の飛来地でマーキング調査することで、自分でマーキングしたものが西山で再確保できるかもしれないという期待が高まり、より深く興味を持てるような試みとするため、まず他の飛来地に赴く出張観察会を開き、それ以降、西山でも観察会も開催。アサギマダラの専門家を招いて生態を学ぶ勉強会や、長い旅を実証するマーキング調査体験を取り入れる。
事業後も、自らマーキングした個体がどこまで移動したのかを追跡調査することで、移動ルート記録に貢献することもできるという。町企画まちづくり課では「西山は景色が良く、整備されたいい場所で、毎年秋になるとアサギマダラが山頂付近に飛来し、人々の目を楽しませてきました。事業を展開することで、多くの皆さんに、アサギマダラや西山のことを知ってもらえたら」としている。
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