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燃油高騰で日高川町独自の1リットル5円補助に申請殺到 〈2022年2月11日〉

2022年02月11日 08時30分00秒 | 記事


ミニトマトの施設栽培ハウスに置かれた加温施設


 世界的な原油価格の高騰でガソリン価格が上昇するなど家計を圧迫しているが、ハウスで農産物などを栽培する施設栽培農家からも燃油価格の上昇に悲鳴があがっている。日高川町川辺地区でミニトマト60アールを栽培する農家では、1カ月の燃油費が令和2年度に比べて100万円近く増える可能性もあるという。同町では全国に先がけて8年前から独自の燃油価格高騰緊急対策事業を実施。価格の高騰を受けて申請が殺到し、1リットルあたり5円を補助しているが、急激な価格上昇に補助が追いつかない状態だ。

 日高川町川辺地区は特産のウスイエンドウやミニトマトなどハウスの施設栽培が盛ん。ウスイやトマトだけでなく、他の作物よりも管理温度が高いピーマンやイチゴ栽培農家にも燃油価格の高騰が大きな打撃を与えている。
 中津川地内で10数年前からミニトマトを60アールのハウスで栽培する農家では、11月から3月までの加温期には、1日約1000リットルのA重油を使用するという。最近の1リットル価格は全国平均で110円に迫るほど上昇し、令和2年度の平均価格75・67円と比べて30円以上も高く、1日に3万円、1カ月に換算すれば約100万円も燃油費が高くなる。さらに新型コロナの第6波で全国的にまん延防止法が施行され、飲食店の営業が制限される中で消費量にも影響を与えているという。
 これからミニトマトの出荷量が最も多い時期を前に農家の70歳代男性は「収穫しても油代に消えていく。今までにない価格の上昇で本当に厳しいが、一農家ではどうにもできず国の施策も末端には届いていない。施設栽培を続けるのに大変な時、簡単な手続きで県などの支援が受けられればうれしいが…」と嘆いた。
 そんな中、日高川町では、燃油価格が高騰した平成26年に当時の市木久雄前町長が公約の1つとして、全国に先がけて燃油価格高騰緊急対策事業を新設。11月から3月の加温期にハウス加温施設を対象に、全国平均価格が1リットル90円を上回った場合に5円を補助している。ここ数年は価格が低く、令和元年度は1件、2年度は申請がゼロだったが、今年度は12月までの平均価格が96・73円で、年明けからさらに上昇。燃油高騰を見越して町は補助事業を周知し、48件の農家から申請があった。自治体単独で燃油価格高騰に補助を出すのは珍しく、町担当課には他府県からの問い合わせも来ているという。


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