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日高地域協議会 第2期大規模氾濫減災方針承認 94の中小河川浸水想定図作成へ  〈2022年2月5日〉

2022年02月05日 08時30分00秒 | 記事


ウェブ会議(写真は御坊市)で第2期方針承認


 県は3日、管内7市町や田辺市、関係機関で構成する日高地域等における大規模氾濫減災協議会を開き、令和4年度から8年度までの第2期取組方針を承認。実施済みの日高川、印南川、切目川、南部川、由良川を除く94の中小河川(2級河川、旧龍神村含む)を対象に県が新たに洪水浸水想定区域図を作成し、それに基づき関係市町がハザードマップをつくるなど流域治水対策を一層推進する。

 平成30年度から今年度までの第1期では「洪水時の逃げ遅れによる人的被害ゼロ」実現をめざし、県が日高川、印南川、切目川、南部川、由良川の想定最大規模瀬降雨による洪水想定区域図を作成・公表し、関係市町がそれに基づくハザードマップを作成・配布したほか、防災行政無線デジタル化、水防資機材整備、河川監視カメラ配備、各種訓練等に取り組んでいる。
 令和4年度からの第2期減災に向けた流域治水対策を一層推進するため、では日高川、印南川、切目川、南部川、由良川以外の94の中小河川すべてを対象に県が6年度までに想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域図を作成・公表し、それに基づき関係市町が8年度までにハザードマップを作成し、地域住民に周知するとともに必要に応じて避難場所や避難経路の見直しなどを行う。
 このほか新規で住民一人ひとりの避難計画・情報マップ作成促進、自主防災組織の取り組み強化、感染症対策を踏まえた避難環境整備・避難所開設訓練実施・避難所運営マニュアルの改定、防災ポータルアプリの周知、民間施設等を活用した緊急避難先の検討、災害廃棄物処理計画の策定・見直しなどを進める。「犠牲者ゼロを実現するため、ハード、ソフト対策を一体的に推進し、水害に強い地域をつくる」としている。
 今後の主な取り組み事例として▽御坊市は野口橋~野口新橋の日高川右岸河川敷利活用▽美浜町は防災重点農業用ため池の改修▽日高町は風水害ハザードマップの更新▽由良町は住民等への災害情報伝達手段の強化▽印南町は印南地区排水作業箇所への据え付け型排水ポンプの設置▽みなべ町は防災備蓄倉庫の新設▽日高川町は防災行政無線操作卓改修や防災アプリ導入▽県は水害リスク情報の高度化-を挙げた。
 このほか、三浦源吾御坊市長が河川監視用カメラで「日高川の水位状況をインターネットから確認できる監視カメラを野口か藤井に設置してもらいたい。今は現場に行かないと水位を確認できないので非常に危険」と強く要望し、県河川課は「追加要望を聞いているところで今後検討したい」と答えた。

切目川と南部川も策定
流域治水プロジェクト

 会議では、昨年6月に策定した日高川に続き、切目川、南部川の両流域治水プロジェクトを承認した。プロジェクトは流域に関係するあらゆる分野の関係者が連携して流域全体で水災害を軽減させる治水対策の全体像をまとめたもの。
 日高川と同様に(1)氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策(2)被害対象を減少させるための対策(3)被害の軽減、早期復旧・復興のための対策-を柱に、ダムの事前放流や洪水氾濫対策、土砂災害対策、海岸保全対策、間伐材等の森林整備、監視カメラ等の設置など流域全体で「流域治水」を計画的に推進していく。


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