災害時は半額で宿泊できるビジネスホテル百寿
災害発生時に避難所での3密を回避するための「分散避難」促進に向け、御坊市自治連合会(酒本和彦会長)と(有)読売新聞紀中販売=有光正和代表取締役社長、藤田町吉田=が、28日午後1時30分から市役所で「災害時等における宿泊施設との協定」を締結する。災害時に市民が避難する場合、同社が所有するビジネスホテル百寿(yujyu)=島=を半額で宿泊利用できるもの。全国的に行政が宿泊料金を負担する事例は増えているが、ホテル側の厚意で料金を割り引くのは珍しいという。
市は台風など災害時は福祉センターや財部会館などを避難所として開設。令和元年8月の台風10号では8カ所開設し、最大339人が避難したが、コロナ禍で避難所に大勢の人が集まる「3密」を回避するため、国の指針に基づき、親戚や知人宅、車中泊やテント泊など分散避難を検討するよう推奨中。全国的に宿泊施設を避難所に活用するホテル泊を導入する自治体も出始めている中、市内でも「気を使わず、ゆっくりしたい」と、お金がかかってもビジネスホテルを利用する人が増えているという。
分散避難のメニューにホテル泊を加え、市民の選択肢を広げようと、市と市自治連が同社に検討、協力を求めたところ、快諾を得て協定締結が決まった。協定では災害対策基本法に定められた災害(暴風、豪雨、洪水、がけ崩れ、高潮、地震、津波など)発生時、または発生の恐れがある場合、ホテルに避難する市民はホテル側が厚意で宿泊料金の半額を割引き、半額の自己負担で宿泊できる。同法に定めた災害以外での避難も可能な限り協力する規定も設けている。
宿泊料金(税込み)はシングルルームAタイプが平日7150円、日・祝前日8250円▽ダブルベッドルームが二人利用平日1万3200円、日・祝前日1万4300円など。半額で利用できるのは市民限定。部屋に空きがある場合の対応となり、協定締結日の28日から適用する。市防災対策課は「分散避難を進めている中、協力をしていただけるのは市民の安心材料のひとつとなり、大変ありがたい。他の宿泊施設にも働きかけたい」としている。
協定を締結する酒本会長は「ご厚意で協定を結んでいただけることになり、本当にありがたい。三浦市長も防災対策を公約の1丁目1番地に掲げており、自治連合会としても住民の安全安心をパックアップしていきたい。今後も積極的に住民の安心につながる取り組みをしていきたい」、有光社長は「当社の販売網を生かし、地域の安全安心のための防犯を意識して取り組んできました。今回は御坊市よりお声をいただき、防災にも目を向け、地域の皆様に微力ながら協力することができました。皆様の安心につながればと思っています」と話した。
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