紀州日高漁業協同組合が手がける「ハリワカメ」が人気で、注文に生産が追いつかない。ワカメの養殖が盛んな由良町衣奈地区で2月から3月半ばにかけて作られ、今季は20日頃に生産終了の見通しで、ほぼ完売状態となっている。
ハリワカメ(タテ約40センチ・ヨコ20センチ)は板状に貼ったもので、巻き寿司などに使われる。緑がかったワカメの色と磯の香りが人気で固定客がつくほど。
かつてハリワカメの生産が盛んだったが、ワカメを貼る道具「す」やワカメを貼る技術が継承しにくかったことから作り手が減少。漁協では復活に取り組み、現在、ワカメを貼っているのは戸津井で3軒、衣奈で1軒。
ハリワカメは葉の部分を使用し、ナイフで細長くカットして「す」に平らに貼り付けていく。縁取りした後、ワカメを適度な長さに切って隙間が出来ないよう斜めに貼る。「す」を重ね重しをして一日置いた後、一日天日干し、塩水をかけて「す」からはがし、汚れをとってから新聞紙にナイロンと一緒にはさみ、重しをして2日ほど乾燥させれば完成。
ハリワカメ作り3年目の西本喜美代さん(80)=戸津井=は慣れた手つきで、作業を繰り返す。「一番神経を使うのは『す』からはがす時。薄いので破れないよう気を使うね。貼るのに時間がかかるので一日あたり25枚程度しか貼れない」。
紀州日高漁協衣奈浦支所によると、養殖ワカメが水揚げされる2月から3月にかけてが時期で、毎年3000~4000枚を生産している。今季も2月から始まり、生産量は3000枚になる見通し。ハリワカメは1袋(5枚入り)1540円(税込み)で、県内の寿司屋など飲食店が中心で、一部県外にも販売されている。
注文に生産が追いつかないのが現状で「予約頂いた方には『ひょっとしたら(ハリワカメ)がないかもしれません』と伝えています」と。同支所では「一番の人気は磯の香り。今の時期にしか食べられない、季節感も影響しているかもしれないですね」と話す。
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