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御坊市議会防災特別委、椿山ダム放流で批判の声 〈2018年9月19日〉

2018年09月19日 08時30分00秒 | 記事

椿山ダム放流への意見が相次いだ防災特別委


 御坊市議会防災・減災対策特別委員会(向井孝行委員長)は18日に開き、執行部から8月24日の台風20号、9月4日の台風21号の被害報告を受けた。20号による日高川増水で平成27年7月以来3年ぶりに冠水被害を受けた日高川ふれあい水辺公園藤井多目的グラウンドに関し、委員から椿山ダム放流について「今までで一番悪いやり方」と批判の声が上がり、県に対して運用規則の見直しやグラウンドや堤防のかさ上げを求める意見が相次いだ。

 平成23年9月の紀伊半島大水害で壊滅的な被害を受けて以降、大きな被害を受けたのは4回目。今回は日高川増水で真砂土1万5000平方メートルが流され、転倒式フェンスやバックネット、管理道路、トイレなどが被害を受けた。被害額は3500万円(国の災害復旧3000万円、市単独500円)。年間約2万人が利用し、防災上も重要な施設と位置づけ、被害を受ける度に市の負担がほとんど要らない災害復旧で対応しているが、度重なる税金投入に批判の声も出ている。
 今回は8月24日午前2時に最大毎秒2985トンがダムに流入し、午前3時に同2093トンを放流したことで水位が上がり、藤井グラウンドが冠水。委員から「流入、放流の推移を見ると、流入量が一気に増えた時になぜあわてて放流したのか解せない。アメダスではその後、ダム上流では雨は降らず、流入はしないと予測できたはず。今回の放流は一番悪いやり方だ」「なぜ一気に2000トン以上を放流しなければならなかったのか。計画的に放流できなかったのはなぜか」と批判、疑問の声が相次いだ。
 執行部は「急激な流入で現場は難しい判断だったと思うが、多少(判断が)甘かったのではないかと思っている」と述べた上で、椿山ダムに対して「操作について電話で市の意見を伝えた」と報告。先日、市自治連合会が仁坂吉伸知事に放流方法の見直しを求め、知事が「検討したい」と答えたことに「大変ありがたい」と、県の見直しに期待感を示したが、委員から「今回のグラウンド冠水は人的被害と言わざるを得ない」「ありがたいで終わらせてはいけない。もっと市から県に対してものを言うべき」と厳しい意見があった。
 市や議会が以前から要望している低水護岸前へのブロック設置、日高川の堆積土砂しゅんせつについて執行部は「引き続き強く要望していく」と述べたが、大きな進展がないことに不満の声が上がり「ここまできたらグラウンドを2メートル上げてもらうしかない。その分、藤井側と野口側の堤防も2メートルかさ上げしたスーパー堤防に整備してもらう。県がこれをやってくれるかどうかだ」との要望もあり、執行部は「県に伝え、協議していきたい」と答えた。


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