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印南中3年生が大学生と合同で防災学習 〈2018年9月14日〉

2018年09月14日 08時30分00秒 | 記事

車いすや高齢者になりきって避難する生徒

ポリ袋で作れる災害食作りにも取り組む


 印南中学校3年生27人が13日、神戸学院大学の学生と合同で印南避難センターを拠点とした防災学習を行った。避難が難しい高齢者や障害者の立場になって考えようと疑似体験キットを装着して避難を体験したほか、かまどベンチを使って湯を沸かし簡単に作れる災害食の炊き出し訓練にも取り組んだ。

 印南中では印南避難センター完成後の一昨年、昨年と3年生が同センターで、段ボールで間仕切りを作るなど避難所の設営や炊き出し体験と防災学習を行っており、今年も3年生を対象に実施。今回は神戸学院大学現代社会学部社会防災学科の女子学生有志でつくるサークル「防災女子(27人)」のメンバーとして同校卒業生の浜本尚実さん(1年)が活動しているのが縁で合同で防災学習に取り組むことになった。
「避難弱者(車いす)体験」をテーマに実施。中学校で生徒が5班に分かれ、避難場所までの避難経路を相談しながら決め、防災女子の活動をサポートしている大学の社会連携部職員の前田緑さんから災害時発生時に避難が困難となる車いす利用者や高齢者、障害者など災害時要援護者について話しを聞いたあと、生徒は中学校や旧役場前などをスタート地点に5班に分かれ、高齢者や視覚障害者の擬似体験キットを装着したり、車いすに乗っての避難を実践。
 ほとんど見えなくなる眼鏡や足に重りを付けるなど視覚障害者や高齢者になりきったり、人形の赤ちゃんを抱いてや車いすをロープでけん引するなどして高台にある避難場所の印南避難センターに向かった生徒は坂道や段差などもあり、避難に苦労する箇所を確認しながら歩いて避難した。
 印南避難センターへ避難し防備録に記入したあと、災害食の炊き出しも行い、浜本さんら大学生4人の指導でポリ袋に材料を入れて沸かした湯で調理する「ひじきと梅のまぜごはん」「蒸しパン」などを作った。生徒は同センター敷地に設置している災害時にかまどとして活用できる防災かまどベンチを使って湯を沸かすなどして災害食作りに取り組んだ。出来上がった災害食は生徒達が試食したほか、見学の地元民も味わった。
 高齢者擬似体験キットを装着して避難した東紋秀君は「とても動きづらく大変でお年寄りの苦労がわかった。そういう場に遭遇すれば補助したいと思った」と災害時要援護者の大変さを実感した。後輩と訓練を行った浜本さんは「今回の体験を通して避難が難しい弱者の気持ちを考えるきっかけになれば。そしていざという時にサポートできるようになってほしい」と話した。
 午後は「災害時中学生だからできること」をテーマにワークショップを行い、最後に班ごとに発表した。
 今回の合同防災学習には町総務課や教委、社協職員も参加した。


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