管理道路がえぐられるなど被害を受けた藤井多目的グラウンド
御坊市は、8月24日の台風20号による日高川増水で浸水被害を受けた日高川ふれあい水辺公園・藤井多目的グラウンドについて、今回も市の財政負担がほぼいらない国の災害復旧事業を活用して原形復旧する方針を決め、9月定例議会最終日に補正予算を追加計上する方向で調整している。今年最強レベルと言われる台風21号が来週前半に日本に接近・上陸する恐れがあり、詳細な被害調査は見合わせているが、被害額は概算で3500~4000万円程度と見られる。
藤井多目的グラウンドが水没したのは平成27年7月の台風以来3年ぶり。今回の台風20号は平成23年9月に紀伊半島大水害をもたらした台風と似たコースを通ったこともあり、椿山ダム上流で豪雨となり、24日午前3時の毎秒2092トンを最高に3~4時間の間で2000トン前後の放流が続き、日高川が増水。その影響でグラウンドは全て水没し、対岸の日高川ゴルフ場も川側の5番(グリーン除く)6~9番ホールが浸水した。
ゴルフ場は大きな被害はなく、水が引いたあと、ふれあいセンター職員らでごみを取り除くなど作業を行い、すでに再開しているがグラウンドは閉鎖したまま。グラウンドの真砂土は流されたり、下流側に堆積しているほか、転倒式フェンスやバックネットには流木などごみが大量に付着している。護岸とグラウンドの間にある管理道路がえぐられているところもある。
今週からごみの撤去や詳細な被害調査を行う予定だったが、台風21号が接近しているため、見合わせている。今のところ被害額は3年前並みの3500万円~40000万円程度とみられ、9月定例議会最終日に補正予算を追加計上する方向で調整しているが、台風21号でさらに被害が拡大する恐れもあるため、今後の状況を見ながら対応を検討する。9月議会に補正予算を計上できれば台風シーズンの終わった秋以降に工事を行い、遅くとも来春に再開できる見通し。
藤井グラウンドは平成9年の供用開始以降、目立った浸水被害はなかったが、7年前の紀伊半島大水害で壊滅的な被害を受けて以降、大きな被害を受けたのは4回目。少年野球やグラウンドゴルフなど年間1万5千人~1万8千人が利用し、市は「水辺公園は景観美化、市民の健康増進に加え、防災上も重要な施設」と位置づけている。27年の被害時は復旧費3500万円のうち、市の一般財源負担は約8万円で済んでいる。
ダム放流量の調整「検討する」
市自治連要望に仁坂知事回答
県下8市の連合自治組織で構成する県自治会連合会(会長・柴本勝治御坊市自治連会長)代表と仁坂吉伸知事ら県当局との平成30年度県政懇談会は31日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開き、各自治連から出された要望に県当局が回答した。
御坊市自治連合会は副会長の戸田省三、中岡一紀、柏木正之各氏が出席。市ふれあいセンター理事長を務める柏木氏が椿山ダム放流に関して藤井グラウンドの浸水被害を説明しながら「放流量の調整を検討してほしい」と求めたのに対し、仁坂知事は「検討したい」と答えた。
過去の事例からダムの放流量が毎秒1000トンを超えるとグラウンドが冠水するため、市や議会は県に対して(1)椿山ダムの操作規定見直し(2)低水護岸前へのブロック設置(3)日高川の堆積土砂しゅんせつ-を要望し続けている。
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