記者会見で議案を発表する柏木市長
柏木征夫御坊市長は24日の定例記者会見で、3日開会の3月定例議会に提案する議案32件を発表。平成29年度新規事業で、2019年放映のNHK大河ドラマに「オリンピック×宮藤官九郎」!-が決定したのを受け、名誉市民第1号で東京にオリンピック(1964年)を呼んだ男として有名な故・和田勇氏を取り上げてもらえるようにプロモーション活動を実施する。NHKへの要望活動やシンポジウム開催、リーフレットやグッズなどの作成、看板や横断幕の設置など官民一体で取り組み、地元の気運を盛り上げる。
2020年の東京オリンピックを翌年に控えた2019年の大河ドラマは「オリンピック」を題材に、日本人選手が初参加した1912年のストックホルム大会から、水泳の前畑秀子さんら日本人選手が大活躍した1936年のベルリン大会、戦争の影響で幻に終わった自国開催、東京オリンピック開催にこぎ着けた1964年までの半世紀に亘るスポーツマンの奮闘ぶり、日本とオリンピックの関わりなどを描く。脚本はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」を執筆するなど脚本家、俳優、ミュージシャンとして活躍している宮藤さんが担当する。
主人公や登場人物などはこれからになるが、和田勇氏は東京にオリンピックを呼んだ男として有名で、過去にテレビドラマなどにも取り上げられた。市が名誉市民第一号として顕彰しているほか、御坊ロータリークラブが和田氏の功績と精神を次代を担う子どもに知ってもらおうと、市役所前にレリーフを設置。毎年、管内小中学生を対象に和田勇物語の感想文を募集し、表彰している。御坊商工会議所も中町商店街に開設した寺内町会館に和田勇資料館を常設している。
大河ドラマで取り上げてもらえば、御坊の魅力を全国に発信できる好機となるため、当初予算に312万7000円を計上して「郷土の偉人 和田勇氏顕彰事業」を実施する。NHKへの要望活動をはじめ、6月に市民文化会館で和田氏と関係のあったジャーナリストを講師に招いたシンポジウムを開くほか、リーフレットを作成して小中学校での教材や寺内町会館での配布、NHKへの要望に活用する。
大河ドラマへの気運を高めるため、ピンバッチ1000個、クリアファイル3000枚を作成。JR御坊駅や市役所前駐車場にPR看板、JR御坊駅構内に横断幕(看板)を設置するほか、寺内町会館の和田勇資料館を整備する。NHKへの要望活動に当たっては柏木市長から話を聞いた仁坂吉伸知事が全面的に協力、連携することを約束しているほか、今後、御坊商工会議所や御坊ロータリークラブなど関係機関と連携した組織も立ち上げ、地元の気運を高めていく。
和田勇氏は明治40年アメリカ生まれ(日系二世)。4歳で帰国、父の故郷・名田町祓井戸で過ごし、9歳でアメリカに戻った。東京オリンピックを誘致するため、岸総理から特命全権大使級の権限を与えられ、私費を投じて中南米やヨーロッパを回り、支持を呼びかけるなど東京オリンピック開催に大きな功績を残した。メキシコやロサンゼルス、札幌冬季各オリンピックの委員等も務め、誘致に努めるなど国際的に活躍した。勲三等瑞宝章、東京都の名誉都民称号など受賞。2001年に93歳で死去。
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