前田さんの指導を受けながら、彫る部員
浄土宗寺庭婦人会日高支部(文蔵小夜支部長)は21日、日高町中央公民館で、日高町小浦出身で京都市右京区に在住の仏師・浄土宗僧侶、前田昌宏さん(44)を講師に研修会を開き、部員14人が小型のレリーフ状の仏像を彫って完成させた。前田さんが地元で仏像の彫刻教室を開くのは初めてで「今後も機会があればやらせていただきたい」と話している。
同支部では毎年、研修会を開催し、各年で講師を招いており、仏師としてインドの仏心寺に、安置する仏像を彫っている前田さんのことを新聞で報じられたのを見て、役員に関係者が居たことから、今年は前田さんに仏像の彫刻教室を依頼した。
この日は、彫り方などを説明して前田さんが指導しながらレリーフ状の仏像作り。縦15センチ、横9センチ、厚さ2センチの比較的に造形しやすい科の木に、かわいい仏の姿を書いたイラストを張り付け、彫刻刀で輪郭を形取り、顔なども彫り、仏像が平面に浮き出るように仕上げた。
部員は「彫刻刀を使うのは難しかったが、仕上がってうれしい」「彫っていくうちに愛着が出できて良かった」「仏像を彫ることで仏様に触れる機会があるのだと感じられた」などと好評だった。
前田さんが仏師を目指したのは、中学2年生のころに浄土院の薬師如来像が盗まれたことから「自分で仏像を彫る」と心に決めたのがきっかけで、平成11年から仏師として独立して本格的に活動。12年ほど前に「自分の手元に置ける仏像を作りたい」と聞いたことをきっかけに、小型の仏像の彫刻教室を始め、今では京都府や大阪府で7、8カ所で開いている。
前田さんは「今回のレリーフ状のものだと、一日でできるが、小型でも仏像となると月2回ペースで1年はかかる。今回、縁で初めて地元で開催できましたが、喜んでもらえてうれしかった。機会があれば、また開きたい」と話した。
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