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御坊市集団食中毒、委託事業者が謝罪し補償案内 〈2017年2月14日〉

2017年02月14日 08時30分00秒 | 記事

 御坊市立15すべての幼稚園、小中学校(組合立の大成中含む)で804人が嘔吐や下痢、発熱などの症状を訴えていた集団食中毒で、市教育委員会は11日から中学校区別に保護者説明会を開催。教委と調理の委託事業者が保護者に直接謝罪するとともに委託事業者が補償に関する説明を行ったほか、御坊保健所が調査結果や指導内容を報告し、保護者から質問や意見、要望を聞いた。説明会は15日まで順次開いている。

 11日は御坊小学校体育館(御坊小・中対象)、12日は湯川中学校体育館(湯川小・中、湯川幼対象)で開き、11日は保護者72人、12日は81人が出席。教委から奥幹夫教育長、清水公洋教育次長ら、調理を委託しているシダックス大新東ヒューマンサービス(株)から関口昌太朗代表取締役社長らが出席したほか、御坊保健所も同席。非公開で行われ、奥教育長、関口社長が謝罪し、教委が経緯、保健所が調査結果を説明した。
 食中毒の原因は1月25日に市立給食センターで調理したホウレンソウやモヤシ、ちくわをノリであえた「磯あえ」と断定。感染ルートについて保健所は「各調理工程を検証した結果、ノロウイルスを死滅させるのに十分な加熱工程があることを確認。学校に配送され食缶も十分な殺菌工程を確認した。このことから加熱調理後の工程から食缶に入れるまでの工程で食材が汚染されたものと断定している」と報告した。
 あわせて従業員の衛生に関する教育の実施や調理着やエプロン等の管理の改善、体調不良者のチェック方法の改善、消毒に関するマニュアル改訂など6項目の指導を行い、10日に確認のため、給食センターに立入検査を行うとともに、委託事業者が提出した改善計画に対して更なる指導と協議を行ったことを報告。教委、委託事業者ともに「指導内容については改善、実施している。衛生管理体制の強化を徹底し、再発防止に全力を挙げる」と約束した。
 委託事業者は補償についても説明。15日の説明会終了後に保護者に案内状など書類を送付するとともに16日から4月28日までシダックス大新東ヒューマンサービスコールセンター(専用ダイヤル0120・235・611、平日の午前9時から午後5時まで)を開設することを報告。保護者からの申請に基づき補償金額を算出するという。これに関連して市は給食を食べて発症した子どもの医療費については全額請求する方針を決め、二次感染分については対応を検討している。
 保護者からの「給食を食べたくないという子どものケアはどうするのか」「再開時に子どもにどう安心感を与えるのか」「弁当を作るのは負担が大きい。いつ再開できるのか」との質問に「ケアについてはスクールカウンセラーと連携してしっかり対応する」「再開時に栄養士が学校に出向き、子ども達に思いを伝えたい」「できるだけ早期に再開したいが、メドは立っていない」と説明。ほかにも「二次感染で家族が入院した」「従業員の管理を徹底していたのか」「業者の選定基準はどうなってるのか」などの質問があった。
 説明会は13日が河南中学校体育館(野口小、塩屋小、河南中、塩屋幼対象)14日が大成中学校体育館(藤田小、大成中、大成幼対象)15日が名田中学校体育館(名田小・中、名田幼対象)。時間はいずれも午後7時から。


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