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日高総合病院が入院患者への人権侵害を認定、処分発表 〈2017年2月9日〉

2017年02月09日 08時30分00秒 | 記事

調査に基づき処分を発表する小川事務長


 御坊市外5ヶ町病院経営事務組合が経営する国保日高総合病院(曽和正憲院長)は7日、30歳代から50歳代の看護師、看護助手の計4人がナースコールに適切に対応しなかったり、食事やトイレなどで必要な介助を怠るなど入院患者への人権侵害、職務専念義務違反(職務怠慢)があったと認定し、組合管理者の柏木征夫御坊市長が、3人を同日付で訓告処分(文書注意)にしたと発表した。残りの1人はすでに退職。内部調査のあと、弁護士ら専門家3人による第三者委員会を設置して調査し、その報告書に基づき処分した。

 小川周司事務長が経緯や内部調査、第三者委員会の報告書の概要を説明。昨年11月に地域包括ケア病棟で4人が入院患者への人権侵害を行っていると思われる事案が起きているとの情報が寄せられ、4人を除く同病棟スタッフに聞き取り調査を行うなど内部調査を行い、ある程度の確証が得られたため、4人を自宅研修とし、弁護士や労務管理コンサルタントら3人による対患者人権侵害等調査委員会を設置し、ヒアリングを行うなど調査を進め、このほど報告書がまとまった。
 人権侵害事案は食事の配膳(適切に配膳しなかった、介助を怠ったなど)おむつの対応(直ぐに交換しなかったなど)トイレの対応(介助を怠ったなど)風呂の対応(同)ナースコールへの対応(コールに出ない、適切に対応しなかったなど)同僚職員へのパワーハラスメント(嫌み、呼び捨て、仕事の押しつけなど)の項目別に調査。当事者は一部を除き、ほとんど否定しているが、同僚職員の証言等から疑わしいものも含め、何らかの人権侵害があったと認定。また、勤務状態については4人ともおしゃべりや遅刻など職務怠慢行為があったと認定した。
 処分を受けた3人のうち、非常勤の看護助手は食事、おむつ、トイレ、ナースコール、パワハラの項目で、正職員の看護助手はナースコールの項目でそれぞれ認定。正職員の看護師は認定した項目はないが、風呂、パワハラの2項目で疑念があるとした。退職した非常勤の看護助手はナースコール、パワハラの項目で認定した。被害を受けた患者については1人は確認しているが、複数いたのではと推測し、今後入院患者への聞き取りも予定。行為に常習性があったか、いつから行われていたかについては「分からない」とした。
 訓告処分とあわせて3人は同日付で地域包括ケア病棟から看護部長室付けに配置転換し、一定期間の研修を義務付けた。また、監督責任で曽和院長、小川事務長を厳重注意とした。小川事務長は「患者やご家族の方にお詫びしたい。患者に寄り添わなければならない職員としてあるまじき行為であり、病院の信頼を傷つけた。本当に恥ずかしい。調査委員会から指摘された改善、再発防止策を検討、実行し、病院を良くするため全力で取り組みたい」と話した。


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