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日高川町が遠隔操作で有害鳥獣を大量捕獲 〈2017年2月17日〉

2017年02月17日 08時30分00秒 | 記事

役場担当課内のパソコンにもライブで捕獲おりの映像、
遠隔操作で扉を操作


 県が、インターネットを活用した遠隔操作でおりの扉を封鎖し、サルなどの有害鳥獣を捕獲する大型捕獲おりを貸与する取り組みを県下各地で進めている中、獣害の多い日高川町では今年度、県の貸与分2基に加えて町単独事業でも同様の捕獲おりを導入した。このうち山野地内では昨年12月25日からの1カ月間でサル20匹を捕獲するなど成果を挙げており、町では今後も捕獲おりの設置数を増やしたいと考えている。

「ICT捕獲おり」と呼ばれるインターネットを活用した囲いワナは、パソコンやスマートフォンなどを利用し、監視カメラのライブ映像でおりに入った有害鳥獣を確認しながら扉を遠隔で操作。イノシシやサルなど群れで行動することの多い獣を一気に大量捕獲する方法で、数年前から県が希望する自治体などに無償貸与して取り組んでいる。
 年間に約1400万円(平成27年度実績)の農作物が鳥獣による被害を受けている日高川町では、県の同事業を活用して平成26年9月に山野地内、平成27年10月に三百瀬地内に設置したほか、昨年7月からは町単独事業で坂野川地内にも導入した。いずれも5メートルから7メートルほどの範囲を囲う移動式のワナで、地元猟友会などの協力で獣の通り道などに設置。これまでも大型囲いワナによる大量捕獲方法は導入されていたが、獣が檻に入った時に機械的に扉を閉じる仕組みでは取り逃がすことも多く、効率が悪かった。おりにインターネットを活用した監視カメラとオリの扉を遠隔操作できる仕組みが加わったことで、群れでおりに侵入した獣をタイミング良く効率的に大量捕獲できる仕組み。
 同町内3カ所のうち、三百瀬では昨年2月から夏場までの半年間にサル29匹、町単事業で昨年夏に設置した坂野川でも設置から1カ月後に1週間で14匹の実績をあげた。エサの多い時期や設置場所などによって捕獲数や時期は異なるが、昨年末から急激に捕獲数が増加しているのが山野の施設で、12月25日に7匹の捕獲に成功すると、今年に入っても1月15日に5匹、翌日に1匹、25日にも7匹を捕獲するなどわずか1カ月間で20匹の大量捕獲に成功した。3カ所でこの1年間に65匹を捕獲するなど成果をあげており、町では増設も視野に入れている。


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