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御坊発祥の認知症対策先進モデルを全国発信へ 〈2016年11月20日〉

2016年11月21日 08時30分00秒 | 記事

地域ぐるみの支援体制づくりへ
(写真は藤田地区で開いたアクションミーティング)


 御坊市は、国の地方創生交付金事業を活用した「ごぼう総活躍のまちづくりプロジェクト」を推進中。メーン事業となる認知症対策では全国に先駆けて地域支援体制構築の課題解決に向けた調査研究事業に取り組んでおり、行政や現場、地域が一体となり認知症の人やその家族を支援する御坊版モデルをつくり、全国に発信する。御坊市は認知症施策の先進地として知られており、その取り組みが注目されている。
 
 市は地域連携の推進やケアパスの作成など各種施策を展開し、認知症支援の先進地として評価が高い。国が策定した認知症施策推進総合事業(新オレンジプラン)に基づき認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりを具現化するため、認知症研究の第一人者で認知症介護研究・研修東京センター研究部長の永田久美子さんをアドバイザーに、同センターと関係が深いNPO法人地域生活サポートセンターの協力で、認知症の人やその家族を地域ぐるみで支援する御坊版のモデルをつくる。
 今ある「人」「地域」「技術」を活用して認知症の人、家族を支える地域ぐるみでの支援体制づくりに取り組もうと、まず全職員を対象にした研修会や意識調査で現状や課題などを整理するとともに、今月から地域支援推進員や認知症コーディネーター、市在宅介護支援センター、地域密着型事業所などの専門職を対象に、より専門的な知識や技術を身につけてもらう地域支援推進人材チームづくり研修を始めている。
 地域ぐるみの取り組みでは藤田、名田地区をモデルに住民主体のアクションミーティングを順次開き、地域の現状や課題を話し合い、課題解決に何が必要かを話し合っているほか、地域ごとに認知症の人が集まり、日ごろの悩みなどを気軽に話し合える本人ミーティングの場も設ける。
 年明けには日本認知症ワーキンググループとのジョイントで西日本エリアを中心に認知症の人や家族、関係者らから生の声を聞く「認知症サミットin御坊」や講演会を開くほか、ごぼう総活躍プロジェクト実行委員会を立ち上げ、今後取り組む施策の目的や方針、事業展開、市民や地域との協働化方策などを検討し、御坊版モデルをつくり「望ましいこと」を「実際にできること」にシフトしていく。
 市は「御坊発祥の全国的な先進モデルになるよう取り組んでいきたい。『認知症になってもならなくても、誰にでもやさしく安心して暮らし続けられる御坊』の実現に向け、御坊市から新しいうねりを起こしていきたい」とし、取り組みについてはホームページで市民に周知を図るほか、調査研究のプロセスを映像に収め、DVD化するなど全国に発信していく。プロジェクトでは、市シルバー人材センターの強化や健康意識の普及啓発、在宅支援センターの機能強化などにも取り組んでいる。


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