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御坊市内一斉地震津波避難訓練に2500人 〈2016年11月6日〉

2016年11月07日 08時30分00秒 | 記事

避難場所まで歩いて避難する住民(写真は野口地区)


「世界津波の日」の5日にあわせ、御坊市は市内一斉地震津波避難訓練を実施し、町内会や自治会単位で避難や炊き出し、シェイクアウト訓練などを行い、約2500人が参加して防災意識を高めた。市の地区別津波避難マニュアル作成事業に取り組んでいる野口地区は子どもから大人まで約500人が参加し、ワークショップ等で話し合ってきた避難ルートを歩き、途中で通行止めの個所を設けるなどより本番に近い形で訓練を進めた。

 午前9時ごろの市内放送、携帯電話への緊急メール配信を合図に訓練を開始。まず家庭や職場、学校、地域で地震から身を守る安全行動を身につけてもらおう「ドロップ(まず姿勢を低くする)」「カバー(机の下にかくれるなど体、頭を守る)」「ホールドオン(揺れがおさまるまで動かない)」のシェイクアウト訓練を実践してもらい、引き続き、自治会や町内会、自主防災組織ごとに避難訓練を行った。
 野口地区は市の地区別津波避難マニュアル作成事業の一環で地区をあげて避難訓練を実施。この事業は南海トラフ巨大地震(マグニチュード9・1)を想定して「津波から逃げ切る」ために住民自らが主体的に考えた避難マニュアルを作成、全戸配布して防災意識の高揚、地域防災力の向上につなげようと、今年度から市内6地区別に取り組みを始め、初年度は野口地区を対象に実施している。
 津波防災に詳しい関西学院大学総合政策学部の照本清峰准教授をアドバイザーにワークショップを開き、住民が避難場所や避難経路、避難方法、危険個所、災害発生時の課題を話し合ったり、実際に地域を歩き、課題を再整理しながら6区別に避難場所、避難ルートを決め、5日はこれに基づいて避難訓練を行った。通行止めの個所を設けるなどより実践的な内容にし、反省点を含めてマニュアル作成に生かす。12月ごろ最後のワークショップを開いてマニュアルをまとめる。
 このほか、耐震補強工事に併せて屋外階段を設置して屋上避難が可能になった御坊小学校北校舎を使った避難訓練をはじめ、炊き出し訓練など地域に応じた各種訓練が行われた。市防災対策課は「世界津波の日にあわせ訓練を行うことで身を守る安全行動、避難の大切さに気づき、防災意識を高めてほしい」とし、来年も11月5日、再来年以降は11月5日周辺の日曜日に行い、世界津波の日の訓練として定着させたい考え。 


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