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五輪題材の大河ドラマ(2019年)決定で和田勇氏の取り上げ要望活動へ 〈2016年11月19日〉

2016年11月19日 08時30分00秒 | 記事

故・和田勇氏

市役所前に設置している和田氏のレリーフ


 2019年のNHK大河ドラマに「オリンピック×宮藤官九郎」が決定したのを受け、東京にオリンピックを呼んだ男として有名な故・和田勇氏を取り上げてもらおうという動きが出ている。名誉市民第1号として顕彰している御坊市が中心となり、官民一体でNHKや脚本を担当する宮藤官九郎さんに要望活動するなどを検討。御坊の魅力を全国に発信できる好機となるだけに市関係者も「なんとか実現できれば」と期待を込めている。

 2020年の東京オリンピックを翌年に控えた2019年の大河ドラマは「オリンピック」を題材に、日本人選手が初参加した1912年のストックホルム大会から、水泳の前畑秀子さんら日本人選手が大活躍した1936年のベルリン大会、戦争の影響で幻に終わった自国開催、東京オリンピック開催にこぎ着けた1964年までの半世紀に亘るスポーツマンの奮闘ぶり、日本とオリンピックの関わりなどを描く。脚本はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」を執筆するなど脚本家、俳優、ミュージシャンとして活躍している宮藤さんが担当する。
 主人公や登場人物などはこれからになるが、和田勇氏は東京にオリンピックを呼んだ男として有名で、過去にテレビドラマなどにも取り上げられた。市が名誉市民第1号として顕彰しているほか、御坊ロータリークラブが和田氏の功績と精神を次代を担う子どもに知ってもらおうと、市役所前にレリーフを設置。毎年、管内小中学生を対象に和田勇物語の感想文を募集し、表彰している。御坊商工会議所が中町商店街に開設した寺内町会館には和田勇資料館が常設されている。
 大河ドラマ決定を受け、柏木征夫市長は「和田勇氏を取り上げてもらえるように要望していきたい」との意向を示し、今後、県やロータリークラブ、商工会議所など関係機関と連携しながらNHKへ要望活動を行うことを検討する。機会があれば宮藤さんに会って直接、話をすることも考えており、今後の動向が注目される。
 和田勇氏は明治40年アメリカ生まれ(日系二世)。4歳で帰国、父の故郷・名田町祓井戸で過ごし、9歳でアメリカに戻った。戦後、ロサンゼルスで「ファーマー・フレッズ・マーケット」を経営。東京オリンピックを誘致するため、岸総理から特命全権大使級の権限を与えられ、私費を投じて中南米やヨーロッパを回り、支持を呼びかけるなど東京オリンピック開催に大きな功績を残した。メキシコやロサンゼルス、札幌冬季各オリンピックの委員等も務め、その誘致に努めるなど国際的に活躍した。勲三等瑞宝章、東京都の名誉都民称号、吉川英治文化賞、和歌山県国際文化功労賞など受賞。2001年に93歳で死去。


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