紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

日高川町初の文化賞に戸根騏一郎氏、鳴滝歌会 〈2015年10月30日〉

2015年10月30日 08時30分00秒 | 記事

文化賞個人を受賞した日本画家の戸根騏一郎氏

文化賞団体を受賞した鳴滝歌会


 日高川町は、町政初の文化表彰を設け、文化賞と文化奨励賞にそれぞれ個人1人と団体1組を選考した。文化の向上発展に特に顕著な功績のあった文化賞には、日本画家の戸根騏一郎氏(88)=千津川=と、55年の活動を続ける鳴滝歌会(片山清子代表、会員17人)が受賞。奨励賞の個人で洋画の花尻佳奈さん=紀央館高校3年、佐井=と、美山太鼓保存会(玉置敦子代表、会員28人)が選ばれた。表彰式は11月10日。

 創設初の文化賞に選ばれた戸根さんは、昭和58年に日府展に初入選し、旧川辺町文化功労賞を受賞。昭和61年に日府展新人賞受賞、翌年に同会員となり、日府展で14度の入賞を果たした。平成5年に日府展奨励賞を受賞し、同評議員、同理事を歴任。平成7、8年には同努力賞を連続受賞し、日府展審査員にも就いた。
 昭和58年から川辺文化協会の水墨画部と日本画部、御坊市文化協会の日本画グループで講師、同市美術展覧会の審査委員を務めたほか、周辺町村の水墨画グループなどの指導を30数年間続けている。戸根氏の作品は町役場町長室や議場ロビーなどに展示されている。
 文化賞団体で受賞の鳴滝歌会は、昭和35年に短歌会活動を開始し、毎月の例会を中心に活動。自作短歌の相互批評などで会員の技術向上を図り、日高短歌の会など町内外の組織との交流も積極的に展開した。
 半世紀以上にわたる歴史があり、10年の節目ごとに歌集を発行。旧中津村文化協会が発行した「中津百人一首」の編集にも携わり、毎年1月下旬には公民館とともに小学生を対象にした百人一首大会を開くなどの活動を展開し、平成7年には中津村文化賞を受賞。旧中津村時代には新春かるた大会も開催するなど、短歌の普及とともに地域文化の高揚と活性化に与えた多大な功績が認められた。
 文化奨励賞は、個人で高校生の花尻さんと、団体で美山太鼓保存会。紀央館高校美術部長の花尻さんは、昨年の第60回御坊市美術展覧会洋画部門で教育委員会賞を受賞。今年6月には東京で開催の第16回高校生国際美術展で、約1800点の応募の中から上位10番目の「報知新聞社賞」を受賞し、東京国立心美術館にも展示された。将来的な活躍が期待される。
 美山太鼓保存会は、地元婦人会員を中心に創立。珍しい女性だけの創作太鼓グループとして活動をスタートし、今では地元中学生や小学生が加わり、愛郷心を養うとともに文化振興の役割を果たす。創立当初に小中学校教諭らが作曲した「日高川清流のぼり打ち」は今でも代表曲として演奏され、町内の各種イベントでオープニングを飾る。旧美山村時代の平成11年には南紀熊野体験博、平成24年の星空の街・あおぞらの街全国大会にも出演している。


その他の主なニュース

 日高町語り部の会が原谷ササユリ群生地復活へ日高中学生と球根植栽

 日高川町初湯川の「山の本屋さん」イハラハートショップが開店20周年で原画展など催し

 県高校弓道選手権で日高男子、南部女子A優勝

 ハンター待望の狩猟シーズンへ イノシシとシカに限り1日から解禁