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日高町志賀祭の中志賀若中が50年ぶりにのぼり差し復活へ 〈2015年9月30日〉

2015年09月30日 08時30分00秒 | 記事

新しく作った絵のぼり(手前)と新調の山車幕


 10月11日に行われる志賀祭(志賀王子神社例祭)で、氏子の中志賀若中がのぼり差しを50年ぶりに復活させる。下火になりつつある祭りを盛り上げようと、若中が立ち上がり、再現するために取り組み、差し手選びなどに奔走。26日までに新調した山車の幕とともに、新しく3反の絵のぼりもできあがるなど準備を整えることができた。関係者は「復活させることで、若い世代が楽しめるようになれば」と期待している。

 中心に取り組んできた中志賀若衆頭の裏直記さん(33)は、日高町中志賀出身で、帝塚山大学文学部非常勤講師、大手前大学総合文化学部非常勤講師。日本民俗学、歴史民俗、生業と信仰を中心に紀伊半島南部をフィールドとし、複合的な農山漁村の精神文化の解明を目指している。
 祭り好きな性格や仕事柄もあり、10年ほど前から、中志賀の祭りの出し物にのぼりがあったことに注目し、のぼり差しを提案。若中でも祭礼参加者が減ってきていることもあり、活性化へ取り組むことを決め、宮や他区からの承諾を得たり、差し手を探すことに時間を要したが、ようやく今秋の復活にこぎ着けた。
 のぼりは以前使っていたものはあったが、復活を機に御坊市の「そめみち」染物旗店に依頼し、3代目の染道祥博さん(36)が絵のぼりとして新しく作成。のぼりは3反の縦8メートル、横1・1メートルで、絵は山車の幕に描かれている猿と松に加え、組印の赤ひょうたんを入れたデザインにした。
 差し手は少年時代から、祭りに興味を持つ杉浦研太さん(26)。由良町阿戸ののぼり差しを実際に見て参考にするなどし、現在猛練習中。曲芸を取り入れたのぼり差しになるという。杉浦さんは「プレッシャーに負けず、自分の力を出し切りたい」と話している。
 志賀祭は、11日早朝に宮入りし、鬼当番の鬼獅子に続いて各地区の諸芸を奉納し、御輿の渡御となり、日高中学校前の御旅所で再度、諸芸を奉納する。のぼり差しは11日の宮入り、宮と御旅所の諸芸で披露される。
 26日には中志賀構造改善センターで、絵のぼりとともに、新調した縦1・7メートル、横9メートルの山車の幕も披露され、若衆頭の裏さんは「若中の人数も10年で半数に減るほどで、今後の祭りが心配。昔は、花形とされていた差し手を復活させることで、祭りの活性化につながれば。子どもたちに祭りのことを知ってもらいたい」と話した。


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