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御坊市が管内初の認知症初期集中支援チーム配置 〈2015年9月27日〉

2015年09月28日 08時30分00秒 | 記事

10月から始動する集中支援チーム員


 御坊市は、紀中・紀南地域のトップを切って10月から市地域包括支援センターに「認知症初期集中支援チーム」を配置し、認知症患者の早期発見、早期対応に力を入れる。第6期(平成27年度~29年度)介護保健事業計画・老人福祉計画で認知症対策について「本気で取り組まなければならない課題」とし、6期計画初年度を「オレンジ・チャレンジ元年」と位置づけ、行政、民間、地域が一体となって認知症でも安心して暮らせる地域、人づくりに努めている。

 市は認知症サポーター養成講座など各種施策を展開し、県下的に先進地として評価が高いが、2025年には5人に1人が認知症と予想されるため、さらに支援体制を充実させようと、認知症サポートのシンボルカラー「オレンジ」をなぞらえて27年度を「オレンジ・チャレンジ元年」と位置づけ「認知症でも安心して暮らせる地域づくり、人づくりの体制の充実」に力を入れている。
 その一環として国の方針に基づき、市健康福祉課の地域包括支援センターに医療・介護専門職による認知症初期集中支援チームを配置する。チーム員は国家資格を持ち、国が定める認知症初期集中支援チーム員研修を受けた保健師、介護福祉士各1人(正職員)と、市内で開業している3人の認知症サポーター医で構成し、サポーター医はチーム会議などで助言に当たる。
 原則として市内在住40歳以上の在宅者で認知症が疑われている人、または認知症の人で▽認知症疾患の臨床診断を受けていない人▽継続的な医療サービスを受けていない人▽適切な介護サービスに結びついていない人▽医療サービス、介護サービスを受けているが、認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している人-を対象にチーム員が訪問し、継続的な医療サービス利用、介護サービス利用の勧奨や誘導、重症度に応じた助言、生活環境の改善などを支援する。
 健康福祉課は「支援チームは早期診断、早期対応、初期の段階における空白期間の解消に向けて支援するのが目的。今後、多職種の専門職が重層的に認知症の早い段階で関わることで、もっと早く適切な治療やケアにつなげられ、その結果としてなるべく自宅で穏やかな充実した生活を送ることで予後の改善にもつながるものと期待している」と話している。今後は在宅介護支援センターや地域密着型サービス事業所にも1人以上の認知症地域支援推進員の配置をめざす。
 このほか、マイライフ・アセスメントシートを作成し、75歳以上全員への普及定着▽市内に認知症グループホーム1カ所設置、市内5地区に小規模多機能型居宅介護事業所設置▽認知症徘徊手段別の早期発見ネットワーク、連絡・対応マニュアル作成▽若年性認知症支援ハンドブックの作成-などにも取り組む。


「住み慣れた地域で暮らすため」
認知症ケアパス報告書を作成

 市は、認知症ケアパス報告書、ケアパスの流れ(概念図)を説明するパンフレットを作成した。専門家や各種団体等で構成するケアパス策定委員会で協議、策定した。
 認知症ケアパスは「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けるため、認知症の人の状態に応じた適切なサービスを提供していくかの流れ」を言い、日常生活圏域ニーズ調査・データ分析などを行い、生活分野や医療分野のケアパス概念図、予防~気づき~初期~中度~重度など段階に応じたケアの流れなどをまとめた。


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