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日高町小中区の子どもたちに被災地小学校(宮城県)から感謝の手紙 〈2015年9月10日〉

2015年09月10日 08時30分00秒 | 記事

小学校から届いた感謝の手紙を手に
喜ぶ杉村さん


 日高町小中区の子どもたちが、応援する言葉を載せた色紙や折り紙で作ったチョウチョウなどを贈ったお礼に、東北の東日本大震災被災地の宮城県の小学校から感謝の手紙が届いた。小中区の子どもたちのふれあい活動からつながったもので、手紙には心温まる贈り物に感謝する気持ちがつづられており、事務局の杉村邦雄さん=日高町小中=は「地域の子どもたちが、大人になるまで応援する気持ち、被災地への思いを持ち続けてほしい」と話している。

 杉村さんは平成23年9月に岩手県花巻市で開かれた笹川良一第26回全国選抜ゲートボール大会シニアレディースの部で、日高町レディースチーム「紀の国日高」の監督として参加。
 現地を訪れて、津波で破壊された施設など被災状況を実際に見て感じたり、ゲートボール仲間から、ボールやスティックなどの用具を失った人や競技場もがれき置き場になるなどの話を聞いたことをきっかけに、用具を贈ったり、ミカンを届けるなど被災地への支援活動を続けている。
 昨年9月30日、被災した大川小学校を訪れた。海岸から約4キロの川沿いに位置する同校は、平成23年3月11日の東日本大震災で全校児童108人の7割に当たる74人が死亡、行方不明になった。杉村さんは津波で壁や渡り廊下が崩れ落ちたりしているのを見て、学校が再開していないなかで何か支援できないかと考えた。
 日高町小中区ふれあい推進協議会が主催する区ふれあい・ペタンク大会で、地域の子どもたちに今年は初めて被災地に心温まる贈り物を届けようと提案。
 今年4月下旬に大会を開催し、大小のピンクや白などさまざまなチョウチョウを作ったほか、「みんな仲間だ」「友達なんだ!」などと応援するメッセージを色紙に書いたり、花の絵なども添え、宮城県石巻市の大川小学校や、津波で校庭、校舎はがれきで使用できなくなるなど被害が大きかった名取市閖上小学校にも送った。
 これを受け、閖上小学校の三品隆校長からは5月上旬に、大川小学校の千葉照彦校長からは9月2日に手紙が杉村さん宅に届けられた。手紙には折り紙やメッセージは校舎内に飾っていることや学校再興に向けた取り組みなどが書かれており、「遠い地から私たちのことをお気遣いいただき、感謝の気持ちでいっぱいです」、「これからもどうか見守っていただきますようお願いします」などとつづられている。
 手紙が届いたことを地域の活動の中で伝えることにしており、杉村さんは「少しでも、子どもたちの温かみを感じてもらえてうれしい。小中区の子どもたちも自分たちのチョウチョウを飾ってくれ、喜んでいる。支援の心を持ち続けてほしいし、活動したことを大人になっても思い出してもらいたい」と話している。


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