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御坊市議会産業厚生常任委員会で藤井グラウンド復旧予算条件付きで可決 〈2015年9月13日〉

2015年09月14日 08時30分00秒 | 記事

条件付きで災害復旧予算を可決


 11日の御坊市議会産業厚生常任委員会(松本隆史委員長)で、7月の台風11号による日高川増水で浸水被害を受けた日高川ふれあい水辺公園・藤井多目的グラウンドの災害復旧予算4300万円について「グラウンド整備時の経緯等調査」と「河床整備など県への働きかけ強化」の2項目を条件に賛成多数で可決した。景観美化や健康増進、防災面から必要な施設である一方、毎年のように浸水し、税金を投じて復旧していることへの疑問の声を受け「現状が少しでも改善されなければ次はない」との姿勢を示した。

 水辺公園は県の「ふるさとの川のモデル事業」に採択されて整備し、藤井グラウンドは平成9年に供用開始。当時の執行部、議会ともに「椿山ダムの恩恵で日高川が増水してもグラウンドは浸からないとの前提を共有していた」といい、実際に平成23年9月の紀伊半島大水害で壊滅的な被害を受けるまでは、ほとんど浸水被害はなかったが、23年以降は毎年のように浸水被害を受け、その度に国の災害復旧を活用して原形復旧している。
 この現状に委員から「整備後14年間は浸水しなかったのに、23年以降は毎年のように浸水しているのはなぜか。まずこの原因を究明しないといけない」「23年の水害以降、野口から下流の複数個所に土砂が堆積し、川の形が変わっている。土砂を撤去しないと、また浸水するのは明らか」とし、一つめの条件として整備時の計画流量や県の採択条件など整備に至った経緯などを調査し、原因を究明するよう執行部に求めた。
 市はことあるごとに県に対して低水護岸前へのブロック設置、日高川の堆積土砂しゅんせつなどを要望しているが、ほぼゼロ回答の状況。市議会も今年6月議会で、堆積した土砂を撤去し、河床の整備を図るなど「日高川の防災力強化を求める意見書」を全会一致で採択し、知事あてに送ったが、県は「大変重く受け止める」と回答したものの河床整備時期等の明言はなかったという。「河床整備しないまま原形復旧しても、また被害を受けるのは明らか」とし、二つめの条件として「河床整備などを県に強く要請、働きかけること」を付け、執行部は努力することを約束した。


「河床整備がないのはなぜか」
日高川整備計画に不満の声

 上程議案をすべて原案通り可決したあと、県が策定作業中の日高川水系河川整備計画について意見交換した。
 計画は日高川、西川や下川など支川について今後20年間で実施する事業メニューを盛り込んでいるが、野口から下流については河床整備など事業メニューがないことに「なぜ計画に載っていないのか。万一、堤防が決壊したら大惨事になる」と不満の声が上がった。
 執行部は「野口から下流については場所を特定せず通常事業で適切に維持管理するとのこと。市の意見は述べているし、今後、市長に意見を求められた時にも市としての意見をしっかりと述べる」としたが、委員は「県の対応は無責任」と納得せず、県との意見交換を求める声もあった。


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