Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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油断は禁物というお話(笑)

2013-12-06 17:39:59 | Ferrari250TR NART 1958
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今日は朝の内は雨が降りました、そう沢山降った訳では無くテラスが濡れる位といった所でした。
午後からは曇りで少し寒い一日となりました。
畑に耕耘機をかけようと思っていましたが朝の雨で気持ちがなえてしまいました・・・(笑)

最近、ミニカーの修理のご依頼を頂く事が多くて昨日も少しご紹介致しましたね。
今日も修理からです。
本日の修理は誰の作品とは書きませんが、バブルが弾けた頃にモデルカーレーサーズに度々作品が載っていた方の作品です。
わかる方にはわかりますでしょう・・・ベースに2007年と有りますので8年程前の作品と言う事でしょうね。
お買いになられた方がウインドまわりを直そうとされて分解・・・そのままになった物と伺っています。
モデルカーには色々な楽しみ方が有りますからまあ良いじゃないですか、煮て食べても焼いて食べてもそれは自由なんですから・・・。
この様な仕事は私も勉強になります。
色々な方の作品を直すチャンスが有りますがどの様な作り方をしているのかすぐにわかります、修理の仕事は面倒なのでなかなかやりたがらないのではないかと思いますが巨匠の作品を実際に手で持って修理出来るチャンスはなかなか無いのじゃないでしょうか!?

私も親に買ってもらったばかりの新品の目覚まし時計を分解してバラバラにしてしまった事を思い出しました。

でも今日の仕事はちょっと油断をしていました・・・結局夜までかかってしまいました・・・。
心に油断が有ったんですね・・・きっと・・・凹。

修理の為に展示ベースから外します・・・。
と言うのも前後のウインドが内側から接着するタイプになっていましてシャーシとボディを一旦外さないと奇麗に取り付けが出来ないのです・・・。
画像は訳有ってボカシを入れさせて頂いておりますが、ベースキットはスカラ43のキットをベースにされている様ですがボディとシャーシはビス止めではなく接着でガッチリと止められている様です。
どうも「外すな」と言う雰囲気が見え見えです・・・(笑)
しかしウインドはどうする・・・!?

色々眺めているとエンジンルームを見てわかりました。
この完成品はボディとシャーシを組み合わせてから最後にエンジンを接着した様ですね、だからエンジンをシャーシに取り付けたままではエンジンが引っかかって下に抜けないのでしょうエキゾーストやインテークの燃料噴射装置を外せば出来るかもしれませんが元に戻る確証はありませんからこれは出来ないですね。
ウインドは恐らくサイドウインドを外してフロントとリアは内側に押し出して外されたんでしょうね~。
でも取り付けは出来なかったという事でしょう。

後ろ側は・・・こんな感じになっています。
ウェザーストリップはボディの一部をシルバーで塗って表現されています。
当初バキュームを作って外貼りにしようかとも考えたのですが、このシルバーの枠が無かったらそれも出来たかもしれませんがボディが完成している物に対してウインドを合わせるというのはやはり無謀でしてこんな場合組み立て途中で仮組を行なってからでないと奇麗に仕上らないと思うのです。
ご依頼者の方が準備されていた部品を見るとF/Rウインドのバキュームが有りました、これもスカラ43の部品を準備されていたんでしょうか?大きめに切り抜いてあてがってみると大きさはまずまずで何とかフィットしそうな感じがわかりました。

ご依頼では基本的に元通りになればOKという事だったのでサイドウインドの部分から内側に入れて表から仮止めをして何ヶ所かでエポキシ接着剤で固定という方法にしました。
サイドウインドは小さく上下寸法があまり無い上にロールバーが邪魔をしまして接着剤を付けるだけでもなかなか難しいですね。
ウインドに少しでもはみ出ればやり直しですから慎重に作業を進めました。
ご依頼者の方がウインドを直したいと思われたのはウインドの内側にボディカラーやブラックがムラになって塗られていて余り奇麗な状態でなかったからという事でしたのでウインドの取り付け部分を少しタッチアップしておきました。
ここはボディカラーが見えるにしてもいかにも筆で塗りましたという感じでは少し寂しいでしょう。
全部やり直しをするわけにはいかないので下側は重点的にマスキングをしてフラットブラックでタッチアップしました。
ボディが外れればエアブラシで塗るのですが・・・
画像はマスキング段階ですがラインがかなり乱れている事がわかります。
実際はもう少しはみ出しが有りましたのでペーパーで磨き落としてからコンパウンドで磨きだしておきました。

サイドウインドのモール関係もご依頼者の方が新しい物をご準備頂いておりました。
しかし上側は振り離しなので透明なウインドの裏側に接着剤が付いていますのでこれが見えると余り奇麗な仕上がりとは言えなくなってしまいます。
やはりここは模型的に上側にもサッシ枠を作ってハンダ付けして接着剤を隠してやった方が良さそうと判断して実行致しました。
余りにも夢中になっていて写真は有りませんが・・・。

気が付けばもう外は真っ暗でソーラー発電のイルミネーションが点灯していました・・・。
油断していたら修理だけで1日終わってしまいました・・・

さてクリーニングが完了しましたので明日は某ショップに向けてお帰り頂こうと思っています・・・(笑)
年末の発送は荷扱いの心配が少し有りますが・・・何とか無事に到着して頂きたいですね、そしてまたご依頼者様の元で楽しんで頂ければと切に思います。


でもほんの少しだけ250TRを
この作品にはフィーリング43のメタル製エンジンを積む予定でしたが少し大きかったというお話を書きましたら数人の方からどれ位大きいのかというご質問を頂いておりまして画像を使ってご説明をしておきましょう。
下の画像がフィーリング43のレジン製の物とメタル製のエンジンです。
画像ではあまり大きさが変わらない様に見えますがシリンダーヘッドカバーの部分で1.2mm程大きいでしょうか!?
1.2mmと言うと余り違わないと思われるかもしれませんが実車では5cm程になりますからやはり大きいですね。
使用する予定の出何所不明のエンジンはレジンのフィーリング43のエンジンよりカムカバーで0.5mm程小さめですね。
さらに小さいのはトロン?の250GTO用のエンジンでで何所不明の物より0.8mm小さい・・・

ルネッサンスはまだまだ小さいですよ・・・。
一番大きなフォーリング43のメタルエンジンと比べるとカムカバーがこんなに小さいのです・・・
まるで大人と子供ですね~。
ルネッサンスは特別のスケール感を持っている様ですが同じ250TRでもミネルバのボディとそんなに変わらないのですが・・・。

ご質問を頂いた方、おわかりになりましたでしょうか?
250系のエンジンは模型として存在している物もかなりの選択肢が有ります、ベースになるキットの大きさに合わせて選択されるのがよろしいかと思います。
意外と大変なのは前後方向よりも上下方向の寸法である事を付け加えておきたいと思います、エンジン付きの完成品どうか頑張ってお作りになって下さい。