Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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今日は少し逆戻りをしていました

2013-12-16 17:19:50 | Ferrari250TR NART 1958
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今日は曇りでそこそこの気温、つまり寒さに体が慣れて来て少し寒さを感じなくなった様ですね。
外は防寒の上着が無いと寒いのですが外にいても苦痛ではなくなった様な気がします。
現在新しい造成中の中庭では花壇を作るべく中央左側に真砂土を盛って岡を作っています。
最終的にどんな花壇が出来るのか自分でもよくわかりません・・・(笑)

昨日コクピットの前側のバルクヘッドが完成しましたので仮組台の上にシャーシを固定してボディのフィッティングを致しました。
No4というボディはLHDのフェニックスのボディなので同じ様にバルクヘッドを作ってしまうとボディとシャーシのフィッティングが違って来ます。
ボディの内側の出っ張り・・・つまりボディの厚みが違うので当然なんですけどね。
ですから仮組台の上に固定して合わせておかないと最終組み立てで大いに慌てる事になります。
フェニックスのボディはボディの後部のネジ部に真鍮製のワッシャーをハンダ付けして高さを稼ぎます、まずは仮組です。

横から見るとこんな感じですね。
理由はわかりませんがフェニックスのボディとシャーシのフィッティングは後ろ側ではシャーシがボディの下側よりも上側に収まる様な感じになっています。
私はエキゾーストの関係からボディと面になった方が良い様に思うのですが・・・。
一応そんな感じで合わせてみようと思っています。

最終的にはハンダ付けをしました。
ハンダ付けや削りをする場合はシャーシ側に付けた方が良いのですがボディ側のビスを揉む部分が小さいのでスペーサーをシャーシ側にハンダ付けをしてずれたらボディを止める事が難しくなってしまいますのでボディ側にハンダ付けをした次第です。

他の物も同じ様に合わせましたが、問題が出たのは最後に追加した1台ですね。
1台追加したのは仕様変更に伴う物でしたが、シャーシは同じ様に完成していますがボディは全く手付かずの状態でしてこのままでは合わせようが無い訳です。
順番としてここでボディを他の物と同じレベルまで直しておかないとエンジンルーム内のフレームを作る訳にいかないのです。
ここからの作業は250TRを作り始める最初の頃行った作業になります、既にご覧になられた方には繰り返しになってしまいますがこの作品をご希望になっているお客様の為に再度繰り返しておきます。
画像は当然ですが本日の物です。
まずはボディ後部の絞り込みの修正です。
後半部をまっ二つに切ってメタルで盛り修正致します。

ボンネットを切りました。
最初の物はカミムラさんが行なった様にスジ彫りを深く幅を広くしてその内側を切り取りましたがスジ彫りの一部にボディのメタルが薄い部分が有りますので油断しているとタガネが突き抜けてしまいますので今まで通りこんな感じでボンネットに穴を開けて切り取ります。

穴と穴の間に先の細いニッパを入れて穴をつないで切り取りました。
大きめのヤスリをボンネットを切った穴の中に入れて広げてゆきますが後で作る真鍮製のボンネットが載る部分の幅だけは残しておかなければなりません。
この画像からもホイールインナーが内側に出ている事がわかりますね、これがフェニックスと違う所ですね。
ボンネットの筋彫り自体も場所が違いましてミネルバはボンネットが大きめですね。

エンジンルームの穴の中にリューターを入れてザクザクと削りますがホイールハウスインナーを突き破ってしまわない様に注意は必要ですね。
かなり薄く削っているのがわかって頂けると思いますね、時間はかかりますが丁寧な作業が必要です。

ついでにフロントのインテークも穴を開けておきます。
4.0mmのキリで3ヶ所程あけてやると後でリューターで削るのが楽になりますね。
ここは厚みがかなり有りまして面倒な所ですが、エンジン付きなのでラジエターくらいは付けたいですからね。

ここからが肝心な所です。
仕様違いの理由でなぜ1台追加したのか・・・実はここが違うのです。

S/N0666MMは1958年のルマンでクラッシュ炎上しましたね。
これは以前にも説明していますが最初にオーダーを頂いたのは1958年のNART車ですからクラッシュ前の姿なんですね。
仕様変更してご依頼を頂いたのは1959年のルマンの17号車ですから1958年の18号車と同じS/N0666MMなんですね。
つまりクラッシュした車を修復したのですがボディは酷く壊れていた様で修復というよりは載せ替えに近い形を取った様なのです。
ですからこのフロントフェンダーの後側の長さが長くなっているのです。
ではどうするのか・・・と言う事になりますがメタルを盛って修正をする事は勿論可能です。
しかし目立つ部分でもありメタルの違いやフラックスから後々ヒケ等の問題が起きる事を考えると新しいボディを投入する事に致しました。
では作りかけの物はどうするのか・・・と言えば途中でやめてしまえば仕事がたて込んでいる事も有りもう作る事はないと思われますので最後までこのまま制作を続行してアトリエの展示用にするのも良いかと・・・
と言ってもそのままで済むはずは無く・・・アウトレットの上側に段を作りました。
削って全体を合わせただけですけど実車もこんな感じなので・・・。

リアのナンバープレートの凹みも今まで通りに直します。
真鍮板で箱を作りましてボディに取り付けます。

下側の段を真鍮線で作ります。
こんな部分をメタルだけで盛って作ろうとすると形状を出すだけでなかなか大変なんですが真鍮素材を使って作ればスッキリとシャープな造形をする事が出来ます。