瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

うる星感想リターンマッチ2

2011年10月15日 23時33分12秒 | 漫画&アニメ
一応週1シリーズ予定のアニメうる星やつら再感想記、今回は2~8回迄で御座います。
初期のアニメうる星は原作の(特にギャグ)テンポが掴めず非常に低調。
そのせいで自分も↓の通りテンション低調な感想文になってしまった…前回とやたら差付けて済みません。(汗)
しかし差を付けて感想書いた方が、駄作傑作解り易くって良い気がしなくもない。
ちなみにタイトルの前に▲付いてるのは佳作――といったところで前回の続きです。



▲第2回「町に石油の雨がふる」 脚本:星山博之 コンテ・演出:押井守 作画監督:遠藤麻美

…ラムは当初原作では1回切りのゲストキャラの予定だった為、2話目では登場しない。
けどアニメでは最初からヒロインって事で、第2回目はラムがあたるの押かけ女房になる迄の話。
ちなみにこの頃は15分2話で30分の構成、うる星の前番組Dr.スランプに合せたんでしょうな。
つまりこの回は第1回の後半に放送された。
第1回と較べるとアニメのオリジナル色は薄い、がそこはやはり押井さんで、SM同好会のサド山君を出したり、友引高校時計台を舞台にしてたりする。
原作では友引高校は何の変哲も無いコンクリート建て、だがアニメでは木造モルタル3階建て中央に時計台が有る造り、この変更はグッジョブだったと思う。
レトロな外観に変えた事で、友引高校は原作以上に個性を勝ち得たんでないかと。
ラム親衛隊やあたるが時計台で密談するシーンはこの回以降お馴染となる。
さながら江戸川乱歩作品の様に怪奇ミステリータッチだね。(笑)
原画を担当した青嶋克己さんの描くラムが可愛い、具体的に挙げると嘘泣きしたラムが、(世間の圧力に屈した)あたるから同居をお願いされ、「してやったり」の笑顔を向けるとこ、彼女の小悪魔な魅力が良く出てる。

(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …絵も話も第1回に比べりゃ派手さは落ちる、が第1回同様適度にアニメのオリジナル設定が活かされており、今後に期待が持てました。

・第3回「宇宙ゆうびんテンちゃん到着!」 脚本:金子修介 コンテ・演出:小島多美子 作画監督:遠藤麻未

…原作ではテンは7巻~登場する。
チェリーやサクラや面堂やレイやトンちゃんランちゃん弁天おユキさんより遅い登場なのですよ。(何とサクラの婚約者つばめよりも遅い)
アニメでこんな早くに登場させた理由は、前番組Dr.スランプの対象年齢と合せる為でしょう。
しかし実際のうる星の対象年齢は15歳前後、自分の様にガキの頃から観ていた人も居ただろうけど、Dr.スランプの視聴者層とはかなりかけ離れてたと思う。
Dr.スランプから引き続き観ていた人って、案外少なかったんじゃないかなぁ?
80年代初め迄アニメ業界は小さい子供をメインターゲットに据えてた為、小学生位迄の子供を主人公に設定するのが基本だったんすよ。
子供が主人公でない漫画原作付の場合、アニメオリジナルの子供キャラを、レギュラーに加え活躍させる事が頻繁に有った。
例えばかぼちゃワインとか…さすがの猿飛みたく、動物キャラをレギュラーに加える事も多かったな。
ビデオやDVDが普及する以前は、玩具の売上がアニメ収益の頼みだった。
子供に玩具が売れるアニメ=優良アニメってのが、スポンサー・局・製作側の認識だったのですよ。
アニメうる星でも、当初はテン視点の話を多めに、展開させる予定だったんだろう。

話を回の感想に戻そう。(汗)
そんなわけで前回に比べ、話の対象年齢が一気に低下。
観ていて何となくトム&ジェリーを思い出した、トムがあたるでジェリーはテンというキャスティング。
テン視点にするのはいいけど、テンがあたるを虐めた末、家を丸焼けにするオチに、小さな子が感情移入できたもんか謎。
思い起せば当時アニメに登場するガキは殆どが生意気な性分で、自分はちっとも感情移入できんかったな~。
テンが辛辣な言葉を言う度、あたるが爆発するギャグは、笑いを強要されてるようで、かえって全く笑えなかった。
バラエティ番組のバックで流れるスタッフの笑い声の様だね、はいここ笑うとこ~!
「綺麗やわ~」なんてラムが適当な方言で喋ってる(笑)、この頃はまだ言葉遣いも確立されてなかったんだなぁ。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画△ …当初アニメのあたるには雷恐怖症という設定付けがされてたのか。

・第4回「つばめさんとペンギンさん」 脚本:金子修介 コンテ:青木悠三 演出:原田益次 作画監督:谷田部雄次

…テン登場回という事で、後半もテンが活躍するエピソード、活躍というより悪役だが。
ペンギン化したツバメ(ツバクロー?)が、トラックから逃げたペンギン達を巻き込み、町中が大混乱になるという展開が、古き昭和のファミリー向けアニメしてる。(笑)
脚本を担当した金子修介さんは、後に平成ガメラの映画監督として有名になるんだけど、今回の特撮オチからその片鱗が窺えるなんて事は無い。
あたるを追って友引高校へ行く前に、化粧するラムの乙女心がいじらしい。
アニメのオリジナルなんだけど、キャラを活かす良いシーンに感じられた、絵が残念じゃなきゃもっと良かったのに。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …ギャグのセンスが当時を考えても古過ぎる。(汗)

・第5回「変身美男レイが来た!」 脚本:泉一郎 コンテ・演出:早川啓二 作画監督:野部駿夫

…「うちのお腹の中にはダーリンの子供が居るっちゃー!!!!」という爆弾発言をそのまま流すとは天晴れ。(ブラひらひら~も有ったし)
話も台詞もほぼ原作通りなんだけど、決闘方法を芋の大食い競争から雷我慢に変更した理由は、「芋を粗末にすんな」という視聴者クレームが来る事を恐れて…だったんだろうか??
芋大食いも雷我慢もどっちも微妙ではあるけど、馬鹿馬鹿しさが有る分だけ原作の方が面白い、というのが正直な感想だったり。
レイが怒りで虎牛に変身巨大化し家をぶち破るシーンの直前に、脈絡無くあたるの父と母が居間で睦まじくしてるカットが入るのだけど、これセル画を撮影する際の順番ミスか何かだろうか?(笑)
だってレイがあたるの母ちゃんの手にキス(味見)した件で、父ちゃんガーンとショックを受けてしまい、家を出ようって展開だったのだから。
(前回もだが)作画の修正が徹底されてなかったりと、制作側の混乱が垣間見える回だった。
〆切り間際だったんだな、きっと。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …アニメではこの回でチェリー(錯乱坊)が名乗る。

▲第6回「くたばれイロ男!」 脚本:泉一郎 コンテ・演出:押井守 作画監督:遠藤麻未

…初期で観るべきものは押井さんが演出してる担当回のみ。
子供の目で観ても押井さん担当の回は面白さが突出してるよう感じられた。
原作では話に登場しないテンの活躍の場を作り、それが浮き上がって見えないのが先ず凄い。
退屈してるテンから始まり、テンが事態を拗らせる。
つまりはテンの配剤?見事な起承転結である。
作画も初期において唯一女神だった遠藤さんが担当してるおかげで綺麗。
公園の鬼ごっこシーンで、レイが木をスルスルスル~と登ってく動きが特に巧かった。

(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …原作を一旦分解、再構築する、押井さんの錬金術師の様な仕事振り。

・第7回「秋の空から金太郎!」 脚本:山本優 コンテ・演出:小島多美子 作画監督:野部駿夫

…秋なのに鯉のぼり、金太郎、無茶しやがって…!
今じゃビックリな話だが、初期スタッフは金太郎をレギュラーキャラにしようと目論んでいた。
原作では精々2回位しか出番無いのに…。
子供をレギュラーにするのが昔のアニメの定石、だからテンの親友として、金太郎も重要キャラにする…予定だった。
ひょっとしたら縫ぐるみ化狙ってたのかもしれない。
まだコタツネコが登場する前で、うる星には他に縫ぐるみに出来るキャラが居らんかったのです。
実際テンは縫ぐるみ化されたのだけど、ちっとも売れなかったそうな。
愛くるしい形とはいえ人間だしなぁ。

アニメに話を戻して――迷子になった金太郎を連れ、幼稚園を探すあたる達、色々と訪ね歩くのは良いんだけど、宇宙センターに行って悪戯、シャトル爆発させるのは流石にやり過ぎじゃねーかと。(笑)
それでいてお咎め無に帰って来る辺り、あのナック制作アニメに負けねーフリーダムつか、いいかげんさだ。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …今は亡きアニメ制作会社「ナック」を御存知な方、居たら30代以上なのは間違い無いね。(笑)

・第8回「たくましく生きるんやっ!」 脚本:山本優 コンテ・演出:原田益次 作画監督:谷田部雄次

…金太郎話後半、割とまぁ原作通りの展開で、原作自体印象薄い話だったけど、アニメは加えてテンポの悪さが痛かった。
唯一印象に残ったのはラスト、ラムがあたるを膝に乗せて耳掃除をしており、あたるは大人しくされるがまま。
原作ではかなり後になってからラムとあたるが恋仲になる、それこそ原作では金太郎話で今更の様に(つったら何だが)、あたるとしのぶが手を繋いで一緒に歩くシーンを描いていた。
アニメは原作とは解釈が異なり、あたるとラムを初めから夫婦として描いてたって事で、恐らくこれは押井さんが敷いたのだろうなと。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …夫婦として描くのは「ときめきの聖夜」以降にした方が良かった気がする。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« うる星感想リターンマッチ1 | トップ | あにめぞん感想、ざっくばらん5 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。