ロディ・シャッフル…2044年8/11生まれ、14歳、O型、本編の主人公であり、主役メカ『バイファム』の操縦者。(↑)
だがしかし前半は主役メカに乗る事すら無く、あんま目立たない主人公であった。
てゆーかバイファム…作品タイトルになってるというに、活躍するのは12話以降だし。
そもそも銀河を漂流すらしてなかったし。
その為ファンの間では『地上漂流ディルファム』の名前で、こっそり親しまれていた。
閑話休題――この頃に有り勝ちな熱血ヒーロータイプ、とは言え「理想の兄貴像」と女の子ファンからもかなりの人気を博してました。
それこそ今の時代登場したら、バーツと共に腐女子人気を攫う気がする。
仲間を助ける為に最前線を守ったり囮になったり、それで居てノゾキ行為に付き合う等気さくな点を見せたり。
はっきりした欠点が無い故に目立たなかったとも言えるが、ルックス含めてバランスの取れた優良ヒーローで御座いました。
作中で特にスポーツやってた描写は無かったが、運動神経はジェイナスクルー1らしく、後半は敵軍のエースパイロットと唯一渡り合える奴と名を馳せた。
登場時「コンピューターは少し触った程度のレベル1」だった筈なのに……いっそニュータイプって事でOKかもしれん。
前半年上の美女に憧れたと思ったら、後半年下の美少女に惹かれたり…きっと物語終了後も恋多き人生を送ったに違いない。(笑)
★第1話「異星人来襲!開拓星から全員脱出せよ!」 脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
西暦2058年――地球人は太陽系から43光年も離れたイプザーロン系にまで、開拓の手を拡げていた。
そんな時代、新たに入植が開始されたイプザーロン系第3惑星クレアドを訪れた宇宙考古学者「メルビン・クレーク」は、明らかに知的生命体が残したと思しき遺跡を発見する。
「このクレアドは既に地球外の知的生命体によって開拓された星なのでは…?
…だとしたら無闇に地球人が入るのは危険過ぎる。」
そう考えたクレーク博士は軍司令に入植の一時中断を訴えるが聞き入れられず。
しかし、あたかも博士の説を裏付ける様に、異星人からの接触は唐突に開始された。
クレアド衛星軌道上の第1ステーションが、謎の機動兵器に攻撃されたのである。
迎撃した地球軍の機動兵器『RV(=ラウンド・バーニアン、ガンダムにおけるモビルスーツの様な物です)』は、その圧倒的な戦力の前に次々と敗北。
やがて侵攻は地上にまで及ぶ。
その頃…クレアド入植者の子供「ロディ・シャッフル」は、弟と共に平和な学園生活を送っていた。
ロディの弟「フレッド・シャッフル」は、最近転校して来た読書好きの美少女「ぺンチ・イライザ」に夢中。
話し掛ける切っ掛け欲しさに、彼女の側で読書をするフレッドをからかうロディ。
そこへ突然の非常事態発令。
民間人はシャトルで第2ステーションヘ避難する事になり、ロディ達はぺンチと共に宇宙港へ向かう。
だがそこにも異星人の機動兵器が襲って来た。
地球軍の決死の応戦のお陰で、無事最後のシャトルに乗り、飛び立てたロディ達。
しかし両親とは離れ離れのまま…安否を気遣う子供達が乗るシャトルには、あのクレーク博士と助手の「ケイト・ハザウェイ」も乗り合わせていた。
そしてシャトルの格納庫には、謎の遺跡も……。
(感想)…「主人公は誰なんだ!?」――と言うのが、初回を観終った人の多くが恐らく持った感想だったんじゃと。(笑)
アニメ雑誌には「主人公はロディだよ~ん」と書いてあるけど、ぶっちゃけ初回を観る限り、クレーク博士の方が余程主人公らしく、渋い活躍を見せてたのである。
そんなキャラが○話であっさり××でしまうとは、お釈迦様でも解りゃ~しねえ。
いやまぁOPを良く観れば唯一ピンで出るのはロディだし、ロディのみBGM付で登場したりしてるから、「ああこいつが主役なのね」と察せない事も無い…かも。
兎も角この「主役は誰だ!?」クイズは、ファンの間で暫く続けられたそうな。(ファンの間で遊びに使われてたのね)
サンライズ初のゴールデン進出(しかもメジャー局で放送)って事で、初っ端の力の入りようが凄かった。
時報と共に緊張感漲るプロローグが放送され、TVアニソン史初の英語のみOPお披露目。
芦田豊雄氏、渡辺浩氏、西島克彦氏諸々が担当しての脅威的神作画。
噂ではバイファム最高潮時の作画枚数は9千枚…現在のTVアニメ1回の平均作画枚数が約3千枚と聞けば、この凄さが理解出来るんでないかと。
間のCMを告げるアイキャッチは6種類も用意されたし。
そんな訳でアニメファンにはのっけから注目されたんすが…ただ視聴率が………。
この件はさて置き…初回で印象に残ったのは、宇宙港で戦闘に巻き込まれ、フレッドが戦火の中呆然と立ち竦むシーン。
キャラと対比してロボットがリアルな分、余計に恐怖が真に迫ってるんですよ。
平和でのほほんとした世界が瞬く間に壊されて行く。
このリアリティ溢れる戦争描写は、TVアニメとして流すには勇気要ったと思う。
もう1つ、フレッドが恐怖から漏らしてしまうシーンね。
これは当時の評論からの受け売りなんですが(苦笑)…早く逃げなきゃ死んでしまう、けど隣に居る好きなコ(ペンチ)に「自分が恐くてチビってしまった」事を知られたくない、着替えは外に置いて来た鞄の中に有る、それで戦火を潜って兄貴のロディが取りに行く――自分の恥を隠す為に危険な場所へ兄貴を行かせる辺りが如何にも子供だと、またロディも大人だったら殴って連れて行く所を、素直に鞄を取りに行く点が少年らしいと…。
成る程な~と感じたものです。
大人だったら思慮深く最優先順位に則って行動する所が、子供だから己の格好付けを最優先してしまう…正にリアル演出である。
ロ「俺が命懸けで取って来たパンツ、履き替えなくて良いのか?」(←からかいつつ)
フ「………もう…乾いちゃったよっっ…!」(←照れながら)
物凄い悲惨な状況にそぐわない兄弟の会話に和む。(笑)
所で登場した時ロディは何かのスポーツをやって汗を流してた様に見受けられたが、一体何のスポーツをやってたのでしょう?
グローブを嵌めてたり、ラケット持ってたりしてなかった点を見ると、サッカー辺りだろうか??
★第2話「緊急発進!傷だらけの練習艦ジェイナス」 脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
無事に第2ステーションに到着したロディ達は、ステーションに係留されている地球軍の練習艦「ジェイナス」に乗り込んだ。
軍はこのジェイナスで民間人を第4惑星ベルウィック星に避難させようと考えたのだ。
クレアドより先に開拓を行ったベルウィック星には数万人の地球人が入植しており、安全は確実と思われた。
艦内に案内されたロディ、フレッド、ペンチは、自分達の学校の先生ミセス・ロビンソンに再会。
更に食堂で見知らぬ子供達と知り合う。
「スコット・ヘイワード」、「クレア・バーブランド」、「マキ・ローウェル」、「シャロン・パブリン」、「マルロ・jr・ボナー」、「ルチーナ・プレシェット」――後に仲間となるメンバーだが、この頃は互いに気心が知れず、遠巻きに観察しているだけであった。
発進を前に異星人が第2ステーションにまで侵攻。
激戦の最中、ジェイナスの艦長が搭乗を前に早々と戦死、止むを得ず中尉がその任に就く。
圧倒的にクルー不足の状況下、ミセス・ロビンソンを始めとする民間の大人も手伝わせられる破目に。
艦内に居合わせた人々の手で、ジェイナスは辛くも緊急発進成功。
そこへ思わぬトラブル勃発。
子供が1人艦中央部の無重力バレルに落ち込んでしまい、電気系統がショートしてしまったのだ。
その放送を受け、丁度フレッドを探していたロディは、勘違いして駆け付けた所でクレーク博士と助手のケイトさんに出会う。
しかし紛れ込んだ子供はフレッドではなく、ミリタリーマニアの「ケンツ・ノートン」だった。
クレーク博士に助けられたケンツを入れ、艦内に集合した少年少女は10人。
一方大人はミセス・ロビンソンを始め、既に多くの命が失われていた。
現在の生存者32名、内未成年者10名……。
(感想)…この回で漸く主人公サイドと博士サイドが対面、更に仲間となる面子の多くとも出会う。
兎に角キャラがドカドカドカと登場して、ドカドカドカと死んでく――そんな感想を持てた回でした。
艦長なんか走って登場して、一瞬の内に消し飛んじゃったし。(泣笑)
主人公達が何度も名前を連呼してたミセス・ロビンソンも、回最後で姿無くお亡くなりになってしまった…。
私の友人の1人はこのミセス・ロビンソンが主役だと思ってたそうな。
なのにあっさり退場ですよ。(大笑)
いや確かに…登場して名前連呼されりゃ、重要な役所と誤解するのが当然だと思う。(笑)
イデオンにゃ負けるが、この作品も人間がよく死んだ。(原作同じだしな)
戦争をリアルに描けてるとは思うけど…本当、芦田キャラじゃなけりゃ、途中で観るの止めてただろう。(汗)
★第3話「生存確率0.29%!絶望への挑戦!」 脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
異星人との戦闘によってジェイナスクルーの命が多数失われ、残された民間人の大人が戦闘配置に就かねばならなくなった。
更にはコンピューターを扱った経験の有るスコット、ロディ、マキ、フレッド達少年少女までも、クレーク博士やケイトと共にメインブリッジのオペレーターを務めさせられる。
そこへ異星人が再び攻撃して来た。
暫定的に艦長に就いていた中尉は、生き残った軍人全てを集めてRVで出撃。
しかし圧倒的な戦力の前に味方機は次々撃墜されて行く。
加えて艦から応戦していた民間人達も続々と死亡。
メインコンピューターが弾き出した計算――生存確率0.29%の結果を知り、絶望に打ちひしがれるブリッジ。
だがそれを耳にした中尉は、残った部下2人を帰還させた後、敵の母艦に特攻をかける。
「博士…後の事は任せます!!」
「中尉!?…まさか!!」
「博士!!彼は何をしようとしてるのですか!?」
「奇跡を…見せてやろう…!!」
「中尉!!中尉ーーーー!!!!」
特攻する間、中尉の頭を掠めたもの…それは束の間の休日に、家族と過した思い出だった。
ペンダントのロケットを開けば、美しい妻とやんちゃな息子の姿。
一緒に川遊びをした記憶が蘇る。
大きな魚を捕まえて、自分も子供の様に笑っていた。
ふと岸を見れば、木漏れ日の下で、妻が微笑んでいた。
全てが楽しく、平和だったあの日。
けど……もう……
灼熱の炎に身を焦がされる中、中尉は最後まで家族の事を考えていた。
中尉の犠牲によって、奇跡の生還を果たしたジェイナス。
だが中尉の最期を見取ったブリッジは、重い沈黙に包まれていた。
「……あれが生存確率0.29%だとは……思いもよりませんでした……」
「…所詮はコンピューターが弾き出した確率……人間の覚悟等……計算に入れられるものか…!」
そこへ同じくベルウィック星へ避難しつつある他の船からの連絡が入った。
通信に出たのはクレアの父「バーブランド大佐」。
だが詳しい話も出来ずに通信は打ち切られてしまう。
ブリッジに響くクレアの悲痛な叫び。
そして中尉に残された部下2人は、「最早艦内には子供達10名と、我々含めて4人の大人しか生存していない」事実を、博士に伝えるのだった…。
(感想)…中尉がひたすら格好良く、ひたすら壮絶で、ひたすら泣けた回でした。
もう何度観てもボロ泣き…人が死ぬから~じゃなくって、己の使命を全うする姿に泣けるのです。
そんで頭の中では家族の事を考えてる訳ですよ…過ぎ去った平和な1日を思い出しながら焼死んでく訳ですよ。
思い出すイメージが如何にもで古いんだけど(笑)…正面から火に焼かれるシーン流すってのは、今だったら「残酷描写」でNGかもね。
そういうアニメを子供に向けて流す制作者は良い度胸を持っている。(←褒めてます)
一方主役であるロディ達は衝突を繰り返してばかり。
カノン砲を撃った撃たないでマキとケンツが喧嘩したり、そんな2人を止めるスコットにケンツが「1番年上のクセに戦闘配置に就かなかった臆病者が偉そうにすんな!」と噛み付いたり。
簡単に仲良くさせないってのが、演出の方針だったみたいです。
徐々に認め合ってく姿を追ってってくれたからこそ、後の仲の好さがわざとらしく感じられなかった訳ですよ。
所でマキは登場時喧嘩っ早い不良少女という設定でした。
これは後にスタッフが語った所では「失敗だった」と。
同じく不良っぽいシャロンが居た為、違いを出そうと試行錯誤。
キャラが固まってないから、どう活躍させていいか判らず出番が削られ…。
結果として少ない台詞がむしろ光り、「良い所で一言有る少女」という特徴を生出したという。(笑)
「猫を虐めるヤツは最低だね」(←ロディに)
「ニンジン抜き。タマネギ抜き。ピーマン抜き。ついでにお肉も抜いちゃったら?そんな事じゃ生き残れないなァ」(←シャロンに)
…初っ端からシニカルに良い事言ってるんだよね~実は。
・第4話「ベルウィック軌道へ!地上基地応答なし!」 脚本○ 演出○ 作画△(←バイファムにしては) 総合○
多くの乗組員を失いながらも、ジェイナスはベルウィック星に到達。
両親に会えると喜ぶ子供達だったが、異星人から攻撃を受けた跡を見て衝撃を受ける。
連絡の取れないまま、軌道上の第2ステーションヘ向かうジェイナス。
クレーク博士らが調査に向かうが、ステーションは戦火の跡痛々しく、生体反応が殆ど見当たらない。
「未だ何処かに敵が隠れてるかもしれない!
その時は自分が援護してやるんだ!!」
勝手に砲座に就いたケンツが、早とちりでステーションを誤射。
衝撃で開いたドアの向こうに、クレーク博士達は救命カプセルを発見する。
カプセルの中には2人の子供、「カチュア・ピアスン」と「ジミー・エリル」が眠っていた。
目覚めたカチュア達からベルウィック星の詳しい状況を聞くも漠として解らず。
2人も突然異星人の攻撃を受け、シャトルに乗り遅れた末に、カプセルで緊急避難したとの事だった。
ジェイナスに残された2人の軍人は、先に地表に偵察に向かうが、そのまま連絡が途絶えてしまう。
クレーク博士とケイトさんは迷った末に、12人の子供達を連れて地上に降りる事を決意する。
そうしてベルウィック星に降り立った彼らが見たのは、異星人の戦闘機と戦う地球軍のRV「ディルファム」であった。
それを見て未だ軍が居たと思い、安堵して集まる子供達。
だが辛うじて敵を撃退した後、ディルファムから降りて来たのは、「バーツ・ライアン」と言う少年であった。
博士や年上の子供達は、バーツから「ベルウィック星が異星人の攻撃によってほぼ壊滅した」事を知らされ、途方に暮れるのだった…。
(感想)…中尉と違ってひっそり亡くなった2人の軍人さんが可哀想。(涙)
最後まで話に上らなかったが、後でちゃんと墓造ってあげたんだろうか?(汗)
この回で遂に13人の子供が集まり、大人は博士とケイトさん2人だけになってしまう訳ですが。
1話目…ロディ、フレッド、ペンチ
2話目…スコット、クレア、マキ、シャロン、マルロ、ルチーナ、ケンツ
4話目…ジミー、カチュア、バーツ
最初っから全員登場せず、段々と集まってく演出がリアルで細かい。
にしても民間人のクセしてRVを操縦してしまえるバーツは、ロディと並んで何者かと問い詰めたい。(笑)
ケ「なんだ…兵隊さんかと思ったら違うのか!」
バ「それはこっちの台詞だぜ!援軍かと思ったら、幼稚園の遠足とはな!」
バーツが登場した事で、ロディのキャラが活性化した。
居なかったら地味なまんまで終ったかもしれない。
良い主役は良い相棒無くして生れず…ですなぁ。
尚、回の最後に空を舞うスターダストは伏線。
このアニメ、伏線の活かし方も、歴史に残る巧みさだったと思う。
…そんな訳で休んでた間こんな記事書いてました。(笑)
毎度見方としては何時もと同じ、○=良い、△=普通、×=悪い、タイトル前に★が付いてるエピソードは「特薦」という意味です。
つってもね~バイファムの場合、話が全部続いちゃってるし、観るんだったら最後まで観んとって感じだし。
そもそも出来の悪い回が殆ど存在しないのですが。(笑)
それでも特別素晴しい出来の回というものは存在しますから、御覧になる際の目安にしてくれると嬉しいです。
ちなみにキャラのデータは今は無きアニメ誌月刊『OUT』での特集頁より、粗筋は公式サイト(→http://www.vifam.net/)のものをほぼ参考にして書いてます。
…勝手に引用して御免なさい。(汗)
だがしかし前半は主役メカに乗る事すら無く、あんま目立たない主人公であった。
てゆーかバイファム…作品タイトルになってるというに、活躍するのは12話以降だし。
そもそも銀河を漂流すらしてなかったし。
その為ファンの間では『地上漂流ディルファム』の名前で、こっそり親しまれていた。
閑話休題――この頃に有り勝ちな熱血ヒーロータイプ、とは言え「理想の兄貴像」と女の子ファンからもかなりの人気を博してました。
それこそ今の時代登場したら、バーツと共に腐女子人気を攫う気がする。
仲間を助ける為に最前線を守ったり囮になったり、それで居てノゾキ行為に付き合う等気さくな点を見せたり。
はっきりした欠点が無い故に目立たなかったとも言えるが、ルックス含めてバランスの取れた優良ヒーローで御座いました。
作中で特にスポーツやってた描写は無かったが、運動神経はジェイナスクルー1らしく、後半は敵軍のエースパイロットと唯一渡り合える奴と名を馳せた。
登場時「コンピューターは少し触った程度のレベル1」だった筈なのに……いっそニュータイプって事でOKかもしれん。
前半年上の美女に憧れたと思ったら、後半年下の美少女に惹かれたり…きっと物語終了後も恋多き人生を送ったに違いない。(笑)
★第1話「異星人来襲!開拓星から全員脱出せよ!」 脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
西暦2058年――地球人は太陽系から43光年も離れたイプザーロン系にまで、開拓の手を拡げていた。
そんな時代、新たに入植が開始されたイプザーロン系第3惑星クレアドを訪れた宇宙考古学者「メルビン・クレーク」は、明らかに知的生命体が残したと思しき遺跡を発見する。
「このクレアドは既に地球外の知的生命体によって開拓された星なのでは…?
…だとしたら無闇に地球人が入るのは危険過ぎる。」
そう考えたクレーク博士は軍司令に入植の一時中断を訴えるが聞き入れられず。
しかし、あたかも博士の説を裏付ける様に、異星人からの接触は唐突に開始された。
クレアド衛星軌道上の第1ステーションが、謎の機動兵器に攻撃されたのである。
迎撃した地球軍の機動兵器『RV(=ラウンド・バーニアン、ガンダムにおけるモビルスーツの様な物です)』は、その圧倒的な戦力の前に次々と敗北。
やがて侵攻は地上にまで及ぶ。
その頃…クレアド入植者の子供「ロディ・シャッフル」は、弟と共に平和な学園生活を送っていた。
ロディの弟「フレッド・シャッフル」は、最近転校して来た読書好きの美少女「ぺンチ・イライザ」に夢中。
話し掛ける切っ掛け欲しさに、彼女の側で読書をするフレッドをからかうロディ。
そこへ突然の非常事態発令。
民間人はシャトルで第2ステーションヘ避難する事になり、ロディ達はぺンチと共に宇宙港へ向かう。
だがそこにも異星人の機動兵器が襲って来た。
地球軍の決死の応戦のお陰で、無事最後のシャトルに乗り、飛び立てたロディ達。
しかし両親とは離れ離れのまま…安否を気遣う子供達が乗るシャトルには、あのクレーク博士と助手の「ケイト・ハザウェイ」も乗り合わせていた。
そしてシャトルの格納庫には、謎の遺跡も……。
(感想)…「主人公は誰なんだ!?」――と言うのが、初回を観終った人の多くが恐らく持った感想だったんじゃと。(笑)
アニメ雑誌には「主人公はロディだよ~ん」と書いてあるけど、ぶっちゃけ初回を観る限り、クレーク博士の方が余程主人公らしく、渋い活躍を見せてたのである。
そんなキャラが○話であっさり××でしまうとは、お釈迦様でも解りゃ~しねえ。
いやまぁOPを良く観れば唯一ピンで出るのはロディだし、ロディのみBGM付で登場したりしてるから、「ああこいつが主役なのね」と察せない事も無い…かも。
兎も角この「主役は誰だ!?」クイズは、ファンの間で暫く続けられたそうな。(ファンの間で遊びに使われてたのね)
サンライズ初のゴールデン進出(しかもメジャー局で放送)って事で、初っ端の力の入りようが凄かった。
時報と共に緊張感漲るプロローグが放送され、TVアニソン史初の英語のみOPお披露目。
芦田豊雄氏、渡辺浩氏、西島克彦氏諸々が担当しての脅威的神作画。
噂ではバイファム最高潮時の作画枚数は9千枚…現在のTVアニメ1回の平均作画枚数が約3千枚と聞けば、この凄さが理解出来るんでないかと。
間のCMを告げるアイキャッチは6種類も用意されたし。
そんな訳でアニメファンにはのっけから注目されたんすが…ただ視聴率が………。
この件はさて置き…初回で印象に残ったのは、宇宙港で戦闘に巻き込まれ、フレッドが戦火の中呆然と立ち竦むシーン。
キャラと対比してロボットがリアルな分、余計に恐怖が真に迫ってるんですよ。
平和でのほほんとした世界が瞬く間に壊されて行く。
このリアリティ溢れる戦争描写は、TVアニメとして流すには勇気要ったと思う。
もう1つ、フレッドが恐怖から漏らしてしまうシーンね。
これは当時の評論からの受け売りなんですが(苦笑)…早く逃げなきゃ死んでしまう、けど隣に居る好きなコ(ペンチ)に「自分が恐くてチビってしまった」事を知られたくない、着替えは外に置いて来た鞄の中に有る、それで戦火を潜って兄貴のロディが取りに行く――自分の恥を隠す為に危険な場所へ兄貴を行かせる辺りが如何にも子供だと、またロディも大人だったら殴って連れて行く所を、素直に鞄を取りに行く点が少年らしいと…。
成る程な~と感じたものです。
大人だったら思慮深く最優先順位に則って行動する所が、子供だから己の格好付けを最優先してしまう…正にリアル演出である。
ロ「俺が命懸けで取って来たパンツ、履き替えなくて良いのか?」(←からかいつつ)
フ「………もう…乾いちゃったよっっ…!」(←照れながら)
物凄い悲惨な状況にそぐわない兄弟の会話に和む。(笑)
所で登場した時ロディは何かのスポーツをやって汗を流してた様に見受けられたが、一体何のスポーツをやってたのでしょう?
グローブを嵌めてたり、ラケット持ってたりしてなかった点を見ると、サッカー辺りだろうか??
★第2話「緊急発進!傷だらけの練習艦ジェイナス」 脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
無事に第2ステーションに到着したロディ達は、ステーションに係留されている地球軍の練習艦「ジェイナス」に乗り込んだ。
軍はこのジェイナスで民間人を第4惑星ベルウィック星に避難させようと考えたのだ。
クレアドより先に開拓を行ったベルウィック星には数万人の地球人が入植しており、安全は確実と思われた。
艦内に案内されたロディ、フレッド、ペンチは、自分達の学校の先生ミセス・ロビンソンに再会。
更に食堂で見知らぬ子供達と知り合う。
「スコット・ヘイワード」、「クレア・バーブランド」、「マキ・ローウェル」、「シャロン・パブリン」、「マルロ・jr・ボナー」、「ルチーナ・プレシェット」――後に仲間となるメンバーだが、この頃は互いに気心が知れず、遠巻きに観察しているだけであった。
発進を前に異星人が第2ステーションにまで侵攻。
激戦の最中、ジェイナスの艦長が搭乗を前に早々と戦死、止むを得ず中尉がその任に就く。
圧倒的にクルー不足の状況下、ミセス・ロビンソンを始めとする民間の大人も手伝わせられる破目に。
艦内に居合わせた人々の手で、ジェイナスは辛くも緊急発進成功。
そこへ思わぬトラブル勃発。
子供が1人艦中央部の無重力バレルに落ち込んでしまい、電気系統がショートしてしまったのだ。
その放送を受け、丁度フレッドを探していたロディは、勘違いして駆け付けた所でクレーク博士と助手のケイトさんに出会う。
しかし紛れ込んだ子供はフレッドではなく、ミリタリーマニアの「ケンツ・ノートン」だった。
クレーク博士に助けられたケンツを入れ、艦内に集合した少年少女は10人。
一方大人はミセス・ロビンソンを始め、既に多くの命が失われていた。
現在の生存者32名、内未成年者10名……。
(感想)…この回で漸く主人公サイドと博士サイドが対面、更に仲間となる面子の多くとも出会う。
兎に角キャラがドカドカドカと登場して、ドカドカドカと死んでく――そんな感想を持てた回でした。
艦長なんか走って登場して、一瞬の内に消し飛んじゃったし。(泣笑)
主人公達が何度も名前を連呼してたミセス・ロビンソンも、回最後で姿無くお亡くなりになってしまった…。
私の友人の1人はこのミセス・ロビンソンが主役だと思ってたそうな。
なのにあっさり退場ですよ。(大笑)
いや確かに…登場して名前連呼されりゃ、重要な役所と誤解するのが当然だと思う。(笑)
イデオンにゃ負けるが、この作品も人間がよく死んだ。(原作同じだしな)
戦争をリアルに描けてるとは思うけど…本当、芦田キャラじゃなけりゃ、途中で観るの止めてただろう。(汗)
★第3話「生存確率0.29%!絶望への挑戦!」 脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
異星人との戦闘によってジェイナスクルーの命が多数失われ、残された民間人の大人が戦闘配置に就かねばならなくなった。
更にはコンピューターを扱った経験の有るスコット、ロディ、マキ、フレッド達少年少女までも、クレーク博士やケイトと共にメインブリッジのオペレーターを務めさせられる。
そこへ異星人が再び攻撃して来た。
暫定的に艦長に就いていた中尉は、生き残った軍人全てを集めてRVで出撃。
しかし圧倒的な戦力の前に味方機は次々撃墜されて行く。
加えて艦から応戦していた民間人達も続々と死亡。
メインコンピューターが弾き出した計算――生存確率0.29%の結果を知り、絶望に打ちひしがれるブリッジ。
だがそれを耳にした中尉は、残った部下2人を帰還させた後、敵の母艦に特攻をかける。
「博士…後の事は任せます!!」
「中尉!?…まさか!!」
「博士!!彼は何をしようとしてるのですか!?」
「奇跡を…見せてやろう…!!」
「中尉!!中尉ーーーー!!!!」
特攻する間、中尉の頭を掠めたもの…それは束の間の休日に、家族と過した思い出だった。
ペンダントのロケットを開けば、美しい妻とやんちゃな息子の姿。
一緒に川遊びをした記憶が蘇る。
大きな魚を捕まえて、自分も子供の様に笑っていた。
ふと岸を見れば、木漏れ日の下で、妻が微笑んでいた。
全てが楽しく、平和だったあの日。
けど……もう……
灼熱の炎に身を焦がされる中、中尉は最後まで家族の事を考えていた。
中尉の犠牲によって、奇跡の生還を果たしたジェイナス。
だが中尉の最期を見取ったブリッジは、重い沈黙に包まれていた。
「……あれが生存確率0.29%だとは……思いもよりませんでした……」
「…所詮はコンピューターが弾き出した確率……人間の覚悟等……計算に入れられるものか…!」
そこへ同じくベルウィック星へ避難しつつある他の船からの連絡が入った。
通信に出たのはクレアの父「バーブランド大佐」。
だが詳しい話も出来ずに通信は打ち切られてしまう。
ブリッジに響くクレアの悲痛な叫び。
そして中尉に残された部下2人は、「最早艦内には子供達10名と、我々含めて4人の大人しか生存していない」事実を、博士に伝えるのだった…。
(感想)…中尉がひたすら格好良く、ひたすら壮絶で、ひたすら泣けた回でした。
もう何度観てもボロ泣き…人が死ぬから~じゃなくって、己の使命を全うする姿に泣けるのです。
そんで頭の中では家族の事を考えてる訳ですよ…過ぎ去った平和な1日を思い出しながら焼死んでく訳ですよ。
思い出すイメージが如何にもで古いんだけど(笑)…正面から火に焼かれるシーン流すってのは、今だったら「残酷描写」でNGかもね。
そういうアニメを子供に向けて流す制作者は良い度胸を持っている。(←褒めてます)
一方主役であるロディ達は衝突を繰り返してばかり。
カノン砲を撃った撃たないでマキとケンツが喧嘩したり、そんな2人を止めるスコットにケンツが「1番年上のクセに戦闘配置に就かなかった臆病者が偉そうにすんな!」と噛み付いたり。
簡単に仲良くさせないってのが、演出の方針だったみたいです。
徐々に認め合ってく姿を追ってってくれたからこそ、後の仲の好さがわざとらしく感じられなかった訳ですよ。
所でマキは登場時喧嘩っ早い不良少女という設定でした。
これは後にスタッフが語った所では「失敗だった」と。
同じく不良っぽいシャロンが居た為、違いを出そうと試行錯誤。
キャラが固まってないから、どう活躍させていいか判らず出番が削られ…。
結果として少ない台詞がむしろ光り、「良い所で一言有る少女」という特徴を生出したという。(笑)
「猫を虐めるヤツは最低だね」(←ロディに)
「ニンジン抜き。タマネギ抜き。ピーマン抜き。ついでにお肉も抜いちゃったら?そんな事じゃ生き残れないなァ」(←シャロンに)
…初っ端からシニカルに良い事言ってるんだよね~実は。
・第4話「ベルウィック軌道へ!地上基地応答なし!」 脚本○ 演出○ 作画△(←バイファムにしては) 総合○
多くの乗組員を失いながらも、ジェイナスはベルウィック星に到達。
両親に会えると喜ぶ子供達だったが、異星人から攻撃を受けた跡を見て衝撃を受ける。
連絡の取れないまま、軌道上の第2ステーションヘ向かうジェイナス。
クレーク博士らが調査に向かうが、ステーションは戦火の跡痛々しく、生体反応が殆ど見当たらない。
「未だ何処かに敵が隠れてるかもしれない!
その時は自分が援護してやるんだ!!」
勝手に砲座に就いたケンツが、早とちりでステーションを誤射。
衝撃で開いたドアの向こうに、クレーク博士達は救命カプセルを発見する。
カプセルの中には2人の子供、「カチュア・ピアスン」と「ジミー・エリル」が眠っていた。
目覚めたカチュア達からベルウィック星の詳しい状況を聞くも漠として解らず。
2人も突然異星人の攻撃を受け、シャトルに乗り遅れた末に、カプセルで緊急避難したとの事だった。
ジェイナスに残された2人の軍人は、先に地表に偵察に向かうが、そのまま連絡が途絶えてしまう。
クレーク博士とケイトさんは迷った末に、12人の子供達を連れて地上に降りる事を決意する。
そうしてベルウィック星に降り立った彼らが見たのは、異星人の戦闘機と戦う地球軍のRV「ディルファム」であった。
それを見て未だ軍が居たと思い、安堵して集まる子供達。
だが辛うじて敵を撃退した後、ディルファムから降りて来たのは、「バーツ・ライアン」と言う少年であった。
博士や年上の子供達は、バーツから「ベルウィック星が異星人の攻撃によってほぼ壊滅した」事を知らされ、途方に暮れるのだった…。
(感想)…中尉と違ってひっそり亡くなった2人の軍人さんが可哀想。(涙)
最後まで話に上らなかったが、後でちゃんと墓造ってあげたんだろうか?(汗)
この回で遂に13人の子供が集まり、大人は博士とケイトさん2人だけになってしまう訳ですが。
1話目…ロディ、フレッド、ペンチ
2話目…スコット、クレア、マキ、シャロン、マルロ、ルチーナ、ケンツ
4話目…ジミー、カチュア、バーツ
最初っから全員登場せず、段々と集まってく演出がリアルで細かい。
にしても民間人のクセしてRVを操縦してしまえるバーツは、ロディと並んで何者かと問い詰めたい。(笑)
ケ「なんだ…兵隊さんかと思ったら違うのか!」
バ「それはこっちの台詞だぜ!援軍かと思ったら、幼稚園の遠足とはな!」
バーツが登場した事で、ロディのキャラが活性化した。
居なかったら地味なまんまで終ったかもしれない。
良い主役は良い相棒無くして生れず…ですなぁ。
尚、回の最後に空を舞うスターダストは伏線。
このアニメ、伏線の活かし方も、歴史に残る巧みさだったと思う。
…そんな訳で休んでた間こんな記事書いてました。(笑)
毎度見方としては何時もと同じ、○=良い、△=普通、×=悪い、タイトル前に★が付いてるエピソードは「特薦」という意味です。
つってもね~バイファムの場合、話が全部続いちゃってるし、観るんだったら最後まで観んとって感じだし。
そもそも出来の悪い回が殆ど存在しないのですが。(笑)
それでも特別素晴しい出来の回というものは存在しますから、御覧になる際の目安にしてくれると嬉しいです。
ちなみにキャラのデータは今は無きアニメ誌月刊『OUT』での特集頁より、粗筋は公式サイト(→http://www.vifam.net/)のものをほぼ参考にして書いてます。
…勝手に引用して御免なさい。(汗)
筋の一本通った脚本と演出に、初見で惹き付けられました。
今のアニメと比較すれば作画は野暮ったいですが、脚本と演出は勝って思えますよ。
台詞や仕草に一々感動したり、考えさせられたり・・最近のアニメではあんま経験無いですもん。
東京MX辺りで再放送してもらえないものか?
今やっても間違い無く人気呼ぶだろうに。
コメントさんきゅーでしたv
本格的なロボットものと思っていましたから・・・
いい意味で裏切られましたね。
フレッドのお漏らしは印象的ですよね。
確かにあの状況は辛い(笑)
で、主人公はほとんど活躍せず(^o^;)
そういえば二話以降どんどん人が死んでいくんですよねぇ。。
大人だけだけど(汗)
本来なら暗くなっていく話ですよね。。
でも、あの子供たちのおかげで救われていますね。
それにしても艦長かわいそう(^o^;)
遺品のこともあるし・・・