kotoba日記                     小久保圭介

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その人、表現者?

2018年11月16日 | 生活
以前
高橋源一郎氏は言った
「(面会したり話したりするよりも、という意だったと思う)作家は言葉で伝えればいい」

この言葉がずっと頭に残っている
大事なことを言っている
作家は言葉で伝えることを主としているのだから
言葉で伝えることが一番正確に伝わる
という当たり前だけれど
その当たり前をちゃんと判りやすい言葉で言ってくれるのが
源一郎氏

以前
とある人が
わたしに言った
「その人って、表現者?」
わたしの知人の話題になった時だった
「表現者?」
とやわらかく訊かれた
「違う」
それ以上の会話は覚えていない

ただ
「表現者?」
という傲慢とも聞こえる言い方が
ずっと胸に宿っている
自身の表現を鍛えて
高めて
磨いてゆくために
表現者からのものと
そうではない者からの
とでは全く違う
それは表現する行為を知っている者にしか
判らないあたゆることがら
それが共感しようが
反発しようが
いずれにしても
自己表現の
確認作業になるから
良い意味で
わたしはその言葉をとらえることに
成功したと思う


たとえば
芭蕉の研究者が
芭蕉の奥の細道を辿って
旅をしたとする
それなりのものがあるだろう
ところが
以前
吉増剛造が
芭蕉の歩いたところを
辿ってゆく
そんな高価なDVDがある
わたしはそのDVDがほしい
けれどあまりにも高いので
買えていない
ただ動画や
名古屋は千種正文館での
講演とともに
その映像がかなりの時間
見られることができた
その時が良い例だけれど
表現者が表現者を表現することの
おもしろさ

重なるのだ
二人が

時を経て
コラボレーションしている
新たな件pが出現する
これは研究者ではできないこと

「その人って、表現者?」

けれど誤解が生じそうだから
補足します
表現者でなくとも
わたしのまわりには
作品のモデルになる人が
本当にたくさんいる
共通していることは
その人が好きだということ
今まで
好きな人しかモデルにしてこなかった

またジョンケージの言葉も
記しておきたい

「すべての人が表現者です」

絵を描かず
歌わず
作詞せず
作曲せず
演奏せず
言葉を書かず
CGを駆使せず
手作りのものを一切せず
それでも
その人は常に表現している
笑ったり
泣いたり
怒ったり
悩んだり
悲しんだり
苦しんだりして
みんな自分を伝えている
生まれた時から
ずっと

生きていることは
全部
件pです

わたしはそういう人たちが
本当に大好きです
そして
「その人、表現者?」
とわたしに訊いた方も
わたし以上に
そういう人たちを
愛している

ただわたしという表現者と
その方という表現者との
密なやり取りは
少なくとも
わたしにとっては
貴重この上ないもの
なぜなら
その方は
生きる色っぽさについて
常に考えている人だから










コメント
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