kotoba日記                     小久保圭介

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コガネムシ

2018年05月31日 | 生活
その人は向かいに座り
テーブルの上には
とんかつ定食


わたしたちは
うどん屋にいた
わたしたちは
話しながら
食べながら
していると
「孤独です」

その人が言った
強い言葉だった
目にうっすらと
涙が出ていた
一瞬
箸が止まった
本当に止まった

面と向かって
そうはっきりと
しっかりした声で
迷いのない
「孤独です」

もう一人の人格のように
その人に重なって
わたしを見た
浮「とさえ思った

人が生きるということ
その営みの中で
「孤独です」
という言葉を
言わねばならぬということ
その言葉を
聞くということ

わたしたちは
また箸を動かした
生きるため

寝転びの湯で
その人は眠った
疲れているのだ

それから
炭酸泉に入ると
湯水がわずかに流れる側溝に
コガネムシがいた
つまむと
コガネムシの強くて
しっかりした手足が
指に絡みつき
掌をまるめて
逃げぬようにした
「どうしたんですか」
その人は言った
「コガネムシが」
ああ
という
小さな声が聞こえた

露天風呂の
植え込みの奥に
置いた

縁 えにし
以前はその意味を思った
考えた
今はない
縁は縁
ご縁というべきかも

帰り際
車の中にあった
その人の奥さんが作った
手作りの肉まんじゅうと餡まんじゅうを
頂いた
ありがとうございます
いえいえ
いつものように
その人は
笑を出し
大きな手を
顔の前で振った


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とうぜんが希少

2018年05月31日 | 生活
メジロではないだろう
スズメでもないらしい
二羽の小さな鳥が
たいそう立派な庭でもないところに
来ている

さえずりが聞こえる
青空はそれをずっと聞き
二羽の小鳥は
どこかに飛んでゆく

言葉を
朝に

「とうぜんが希少」
という宿題が出た
意味もfeelingも判らぬまま
いつか答えたいと
思う

空はグレイ
おだやかな風

短い言葉を
繰り返す

はしごを手に持った男が
走って車に向かった

12時から14時半
すごい雨

納豆を二つ食べる

利益の意味
益の意味を見つけた瞬間

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麦秋至むぎのときいたる

2018年05月31日 | 二十四節気 七十二候
小満 末候 


麦秋至   むぎのときいたる


秋にまかれ、冬を越した麦の穂が実るいまどきを
むぎのときいたる
なんていうんですね。知らなかった。
秋に麦が蒔かれることも、越冬することも。


『至夏の季語。初夏の眩い陽光に麦畑がきらめき、爽やかな風に金色の穂が揺らぎます。』
なんて書いてあり、
わたしは飲めないけれど
ビールがおいしく飲めるぞ
っていう快楽で覚えれば
いいかも~。



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