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kotoba日記                     小久保圭介

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外山光男「手」

2011年11月14日 | 生活


月山さんは、
70歳を超えていて、
とても元気で、
ひょいひょいと、
トラックの荷台に飛び乗って、
声を出して笑います。
その笑顔は、
何年に一度、
出会えるかどうか、
というほどに、
美しい笑顔です。
月山さんが来ると、
百の虹を全部集めた朝のように、
清々しい気分になります。
年齢も年齢ですから、
どこか達観もされていて、
こういう老年は素敵だな、
と思います。
「がっさん」という響きを、
以前行った、
吉増剛造のトークイベントで何度も、
聴いていたので、
月山(つきやま)さんの名札を見ると、
最初は「がっさん」と頭が音を出して、
数秒後、
「つきやまさん」と言い換えるのが、
常です。

帰ってから、
映像作家たちの、
311をテーマにしたオムニバス作品を、
見ました。
どれも、
3分11秒という長さで作られていました。
外山光男さんのアニメーションで、
「手」という作品が良かったです。
映画祭が終わったあと、
ロビーでお客さんへのインタビューがあって、
おじいさん、
のような年齢の人も、
外山光男さんの「手」が良かった、
と言っていました。
震災で、
こころをこわしてしまった人たちは、
今は、
「手」のような、
慰められる、
癒される作品を、
求めているんだろうな、
と思いました。
実際に、
手を握ってほしい人たちがたくさんいると、
思います。
作品は、
その手のぬくもりを想像させる、
温かみのある、
静かなお祈りのような、
3分11秒の作品でした。
「手」は、
体、皮膚で感じることの、
重要さを、
僕にも知らせてくれました。