ジジババのたわごと

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再生エネの失われた10年

2018年06月14日 | Weblog
風力発電、太陽光発電のコストは目覚ましく下がっている。
数年後には最も安い発電システムの仲間入りをすると、国際機関でも予想されている

世界の再生エネルギーが急速に普及しており、欧州でも米国でも、変動電源を20%以上導入している。
その背景に、再生エネ設備の価格が予想を超えて低価格になり、しかも発電効率が上がって発電コストが急速に下がってきたことがある。

一方、予測技術の進歩も大きく寄与している。
全体を集合化して予測する、「需要予測」や「変動電源の発電予測」の技術が確立している。

再生可能エネルギーは、大気汚染、温暖化対策などの理由から、無理やり政策で導入されてきた面もあったが、今日では安いので再生可能エネルギーを選択する、となって産業の競争力を支える電気として導入されている。

欧州では太陽光よりも「風力発電」がメインとなっている
「純国産エネルギー」という位置づけである
目の前にある安価な素材を用いないことの方がむしろ不自然という思想だ。燃料を海外から輸入しなくてもよい。
二酸化炭素排出を抑制する、ホルムズ海峡封鎖や中東情勢を危惧する必要がない、などは日本の原発推進派の主張とも重なる。

ヨーロッパでは風力発電で、1キロワットアワー6円で発電をする企業が登場。また中東UAEでは3円で発電するメガソーラーが建設されている。
いかに世界で再エネの低コスト化が進んでいるかが分かる。

さらに、再生エネは価格が安定していることが利点だ。
発電出力は天候に左右されて不安定だが、価格は大きく変動しない。




再生エネは欧州で普及していて、技術面でも一歩進んでいるが、近年は中国の躍進がすごい
化石燃料と原発のイメージが強かった中国が技術力を高め、コスト競争でも世界の市場をリードするまでに成長している。
中国政府は、福島のような原発事故が中国で起きれば、国家が破綻する被害が予想されるとして、再エネへ政策の舵を切り国内産業を後押した。
太陽光パネルだけでなく、発電所のインフラを丸ごと世界に輸出していく構えを見せている。
日本が中国のうねりに飲み込まれる懸念さえある。

一方日本は、太陽光パネルメーカーの撤退が相次ぎ、震災直後盛り上がりを見せた新規参入事業者も減少を続けている。
政府や原発関係者が、原発にこだわって再生エネを邪魔もの扱いしてきた方針が裏目に出て、先頭集団を走っていた再生エネ技術は、今や世界から完全に立ち遅れてしまった。ビジネスチャンスをみすみす逃している。
「再生エネの失われた10年」と言ってよかろう

日本では風力や太陽光はお天気まかせだから大量に接続できないなどと再エネに消極的だ。
既存の送電線が原子力発電の停止や火力の遊休で「ガラ空き」なのに、満杯だとして接続できず、送電線の増強工事が必要になるとして高額な送電増強費用を求められることが起きている
新規発電事業者が電力会社から3億円を超える負担金を求められ、工期は6年以上かかるとされたという。

国際エネルギー機関では、太陽光・風力のような自然に変動する電源について、20%ぐらいまでは追加的な措置なく導入が可能だとされている



割高とされてきた再生可能エネルギー発電が、原子力発電よりも低い価格を実現するようになった
このままでは海外との電気料金の価格差はさらに開いて、日本の製造コストを引き上げることにつながる。

もはや原発は、経済的な面からも競争には勝てない。
出力を変化できない欠点があっても原発のコストが安いときは、一定量を発電するベースロード電源として意味があった。しかしコストが高いことが明らかになると、ベース電源はとってかわられる。


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