追い越し禁止の高速道路

高速道路を走っているうちにジジがあくびをしだした。続けて何度もあくびしている。
代わって！　と言われ、ハンドルをにぎった。

初めは快適に走っていた。室蘭を過ぎたあたりから片側１車線になった。
そして長いトンネルがこれでもか、これでもかというほど次々現れる。
ババは緊張の連続で寿命が縮む思いでハンドルにしがみついてるのに、ジジは安心しきってイビキをかいている。
そんなジジがだんだん恨めしくなってきた。

チラッとミラーをみると後続車が数台つながっている。
追い越しのための２車線部分は、たまにしかない。追い越すわけにいかなくて仕方なしにババの後からついてきているのだろう。
追い越し禁止区間で先頭車がノロノロ運転しているようなもの。
「高速料金払って走ってる意味ないじゃないか・・・」なんて思われてるだろうな・・・。
肩も首も凝って目も痛くなってきたババはもう限界の域に達し、ジジに声をかけて起こした。

運転を交代してからはなんとトンネルは少なく、まもなく終点になった。
ジジは「いい経験だったしょ」と笑うが、ババの運転歴に特記してもいいほどのことだった。・・・がもうこりごり。
助手席で自分で自分の肩、首を按摩したがあまりの痛さに飛び上がってしまった。