ジジババのたわごと

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海外農地確保に腰を上げた

2009年08月23日 | Weblog
中国やインド、中東諸国が、途上国で農地を獲得していることに刺激され、農水省と外務省が動き出した。
海外で農業投資をしようと進出する日本企業を後押ししようというわけだ。

中南米、中央アジア、東欧諸国などと投資協定を結び、ODA(途上国援助)を使って農業インフラ整備や人材育成を行い、進出企業には資金調達しやすいように金融面で支援するというもの。

日本企業はこれまでリスクの高い海外での農業投資に積極的でなかったが、世界的に食料価格が高騰して、食料確保を目的にアフリカなどへ投資を拡大する国が増えてきたため、日本も遅れないようにとの認識になったという。

半分はそうだろうが、海外に農地を所有しなかったのは、農協や農林族からの抵抗が強かったからであろう。
たとえば大前研一氏は20年も前から、「海外の農業最適地に農地を確保して人件費の安い農民を雇い、出来た農産物を優先的に日本に届けることが可能なのだ」と提言してきた。あるいは日本の農家と現地の農家が合弁で農業経営を行う方法も可能と指摘していた。

阻んできたのは農水省だったわけだ。
国の長期的な農政を考えていたのではなく、農協と自民党とそして自分たち省庁の権益のことしか頭になかったからではないか。

彼らは農業を閉鎖社会に固めてしまった。規制・補助金・関税でガードして、競争をしない仕組みを死守することばかりしてきた。
新規参入はかたくなに拒み、外国産物を国内に入れないことが天命であるかのような、それこそ明治時代の感覚で統治しようとした。
これでは創意工など生まれようもない。むしろ新たな工夫や改善が嫌われる風土を醸成させた。生産性が低いのは言うまでもない。

農水省は「農業基盤整備費」などの名目で、これまで何十兆円もの補助金を使って土木工事を行ってきたが、農家の競争力向上や農業の体質改善に何の効果も上げなかった。農業の将来を考えてのことでなく、土建業者向けの事業だったからだ。
さまざまな名目の補助金や特別会計でカネがばらまかれたが、これらも効果がなかった。もっとも選挙の票集めには効果があっただろうが・・・。

お上意識で実施したコメの減反政策しかり。農協の言いなりにコメを作らせ、減反に協力した農家に補助金を払う。
食料自給率が低いことを口実にして日本の農業を守るべきだと主張している人が、片方で現状の減反政策を肯定しているちぐはぐさにもあきれる。

“将来の国の農業をどのようにしたら良いのか”というい中長期をにらんで資金を投入する姿勢が欠けているように感じる。
どのようにしたら競争力を高めることが出来るか。生産効率の悪い農地で引き続き耕作を続けることが良いのか。食料自給率をどう考えるのか。
そういう中で当面、“農家の所得をどう確保するのか”を短期の課題として対応する視点が必要と思う。

規制はできるだけ取り払って、意欲を持って新しい試みをしようとする人たちを支援する制度と資金面の支援が肝要だ。
あるいは新規参入を促す政策も欠かせない。
おくればせながら、農業に新しい風が流れるようになったことは歓迎したい。


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