ジジババのたわごと

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波紋を投げる「個人事業主は労働者」

2011年04月16日 | Weblog

「個人事業主」として働く技術者や歌手が、労働組合法上の「労働者」に当たるかどうかが争われた裁判で、最高裁は「個人事業主は労働者にあたる」と判決を出した。

 

「個人事業主」と聞くと、プロ野球選手を思い浮かべる人も多い。

会社組織にしないで事業を行っている個人自営業者といえる。

自らは労働者を使用しない「一人親方」と呼ばれている自営業者が、個人事業主の代表として上げられる。

建築作業員、塾講師、旅行添乗員、介護事業などにも、個人事業主として働く人が少なくない。

 

1つの企業と専属の請負契約や委託契約を交わし、常駐に近い形で就業している形態が多い。

中には、今まで従業員として雇用していた人を、個人事業主として独立させる制度を会社が作って、業務請負契約や業務委託契約を結ぶケースもある。

 

働く目的が多様化している近年、会社に雇用され労働者となるか個人事業主として自由に働くかは、本来自分で決められるべきで、その選択肢が広がるのだから良いことだという表向きの理屈がある。

 

会社が個人事業主との契約になると、従業員を雇用した場合に適用される社会保険加入、労災保険、残業支払い、有給休暇適用などがなくなる。

経営者を悩ませる社会保険料の支払いがなくなるので、労務管理上のコストを大幅に減らすことができる。

その上、雇用に伴う解雇のリスクもなくなるメリットもある。

 

そこで問題になるのは、直接雇用されていないのに、実態は雇用者として組み込まれていて、実態は偽装請負になっているケースが広がっていることだ。

 

最高裁は今回の判決で、業務委託契約を会社と結んだ技術者らについて、「仕事の依頼を事実上断れない立場にある上、時間的にも場所的にも一定の拘束を受けており、労働者に当たる」との判断を示した。

基本的には“隷属的な関係になっていないか”という一点に尽きる。

 

この最高裁の判決は極めて大きな意味を持つ。

個人事業主と契約をしている会社は見直しを迫られる。影響は広範囲に及ぶことだろう。

抜本的な変革を求められる企業も出るに違いない。

 



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