ジジババのたわごと

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電力自由化で原発はどうなるか

2015年08月09日 | Weblog
原発を再稼働した場合に、電力会社の収益が改善することは間違いない。
原子力発電所は建設するのに巨額の資金が投じられるが、建設が終わってしまえばウラン燃料が安いので、他の発電方式より燃料費が安くなる。

つまり現状の方式で、発電というプロセスに注目して電気料金を計算すると、再稼働する原発の電気は安い、と言える。
ただし、これはあくまでも現状のコスト計算の仕組みでの話であって、本来コスト計算に入れるべきもろもろの費用を入れた場合に、それでも再稼働の原発が安いと言えるかどうかはわからない。

電力の小売りの全面自由化が2016年4月から始まるので、消費者は電気の購入先を自由に選べるようになる。
さらに2020年からは、送電網を大手電力から切り離して別の会社にすることが決まっている。
送配電網を中立的な条件で使えるようになるため、新電力会社(PPS)が参入してくることが予定されている。

これによって自由化はほぼ完成し、それぞれの電力会社が「この料金で、こういう条件で売ります」と自由に競争する市場が出来上がる。
「当社のコスト計算はこういう内訳で・・・」とかいう説明は無論要らない。
コストに一定の利益を乗せて電気料金を決める「総括原価方式」と、それに基づいて電気料金を認可する制度は役割を終える
役所がこまごました計算をしながら鉛筆を舐め、恣意的に加減したりすることはなくなる。

再生可能エネルギーで発電した電気であることを「売り」にする会社が現れるかもしれない。
さすがに原子力で発電した電気であることをアピールする会社は出そうにないが・・・。
携帯電話やスマホのように、さまざまな料金メニューが考え出されるのではないか
乗り換え優遇の割引きとか、契約期間中解約の違約金なども出てくるかもしれない。

公平性に欠ける優遇措置は、別のシステムで発電する事業者から見ると、自由化をゆがめるものと映る。苦情が出る。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーに適用される「買い取り制度」も当然議論になってくるだろう。
「買い取り制度」のように、いまの発電コストは高いけれど将来を考えて、ある期間だけ政策誘導的に導入することは許容されると思う。
ただし、いつまでも続けるべきでない。

ここでの注目が原発である。原発の優遇措置は際立って大きい。
原発にまつわる裏の補助金や費用の肩代わりは、やりにくくなることは間違いない。
原発だけの会社があると仮定したら、本当の自由化のもとでは生き残ることは難しい。
原発を抱える電力会社が競争に太刀打ちできなくなることも明白だ。

しかしながら、原子力ムラを中心に原発推進派の人たちは、これまでの体勢を維持するように画策するに違いない。
例えば核廃棄物は保管方法も決まっていない。裏返せば、先送りして今の電気料金から除いて安く見せることが出来るということである。
とにかく原子力を推し進めることが出来ればいいのだ。

借金して宴会をしているようなものだということも分かっている。
年金や国債の借金と同じ構図で、返済補てんするための支出が今すぐ発生するのでないのだからと、将来の世代につけを回して責任を負おうとしない
あとはどうにかなる、どうにかならなくてもなんとか言い訳するだろう、ぐらいの感覚なのだ。


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