ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

アルツハイマーの改ざんを厚労省がもみ消し?

2014年01月23日 | Weblog
アルツハイマー病は根本的な治療薬はまだなく、各国の製薬会社は開発にしのぎを削る。
そこで、アルツハイマー病の新薬開発を目指す臨床研究事業として、厚労省・経産省・文科省と製薬会社11社がかかわってプロジェクト(J―ADNI)を立ち上げた。
国と製薬会社が計33億円を拠出して、全国38医療施設で実施されている。

このプロジェクトでデータの書き換えが行われていた。
高齢者に物語を伝えて、一定時間後に思い出してもらう記憶力検査の際、実際は1時間以上経過してから検査されたのに、30~40分後に変更したデータがあるというのだ。
ほかにも不都合な症状を削除したりして、研究の信頼性を損なう点があると指摘されている。
書き換えを指示した文書とそのとおりに改ざんされたデータも明らかになっている。

データ書き換えを、プロジェクト代表の岩坪教授は「改ざんではなく修正だ」と釈明している。
「都合よく修正すること」を改ざんというのだ。
不確かなデータがあったら、そのデータは排除しなければならない。

安倍内閣は成長戦略の中心に健康・医療戦略を掲げている。
先端医療で米国に追いつくことを目指して、新年度予算案でも大盤振る舞いだ。
そのような空気の中で、岩坪教授が立場上成果を出したいと、功を焦って改ざんを指示したと推測されている。

厚労省が聞き取り調査を始めたというが、真相解明には消極的だ。ウヤムヤになるのではないか。
真相解明どころか、内部告発をもみ消そうとした動きさえあった。
「臨床データが改ざんされている」という内部告発を受けとった厚労省の担当専門官が、その情報を、改ざんを行った当事者であるプロジェクトの代表・岩坪威東大教授に送っていた。
受けとったそのままの文面と資料を告発者の実名を入れて送る、という考えられないようなことを行っている。

厚労省から漏れた告発者の名が、業界内で知られることとなった。
「私が研究の信頼性を損なわせた悪者、という評価が研究者の間に広まった」と告発者が述べているが、厚労省の悪質な漏えいである。
内部告発者をおとしめる行為で、人権を著しく損なう国家公務員法に触れることだ。

薬剤について監督や規制を担っている厚労省が、告発者を漏えいしたということは、国がねつ造することに加担したと言われても仕方ない。
厚労省も研究プロジェクトにかかわる当事者だから、スタートから成果を出したいという潜在的な願望がある。
ねつ造であろうとも、成果が出た、という結果がほしいということか。

この担当専門官をどう処分するかで本気度が測れる。信頼回復を重視するか、うやむやに事を収めようとするか。
役所は監督権限を行使して、管轄の企業に大ナタを振るう。しかし、自らが関与することや自分たちの権益保持にかかわることには、極めて鈍く消極的だ。

日本の研究機関ではまともな研究ができないと思われたら、日本市場は世界から置いていかれる。という関係者のことばが重く響く。

ノバルティス社員が、大学側が管理するデータ操作に関与していたことも驚きだ。
本来はかかわることが許されない業務である。
大学側に、外部の利害関係者が関与できる状況・環境があったということを裏付けた。
大学も加害者ということになる。

大学が製薬会社から、寄付金をもらっていたことと無関係ではないだろう。
日頃から互いに持ちつ持たれつの関係になっているから、利害関係者が入り込む余地が生まれる。
企業と大学研究者が寄付金を通じて癒着している実態が、またも浮き彫りになったといえる。

薬の研究不正を防ぐ仕組みは不十分で、大学や研究機関、研究者らの責任を問うことは難しい、といわれる。
大学が臨床研究をする場合は、寄付を受けている企業からの委託には制限を設けるとか、厳しい条件を課す仕組みが必要だ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿